「おしゃっち」。東日本大震災に起因する大津波で壊滅的な被害を被った岩手県大槌町に2018年6月に誕生した町民文化交流センターである。図書館も併設され、木の風味を活かした素晴らしい建築物である。名称は大槌の中心エリアの愛称「御社地」にちなみ名付けられたという。
2018年9月中旬。私は数年ぶりに大槌へ向かった。盛岡駅にて岩T県庁に出向しているS玉県庁の稲D氏、I知県庁のM氏と合流し、車で大槌へ向かう。I手県庁主催事業として向かうのだが、I手県庁職員皆無というシュールな3人トリオに。
所要時間2時間半。車窓に広がる緑が雄大で柔らかい。途中、かかしまつりという謎のフェアに遭遇する。遠野の道の駅<風の丘>は相変わらずの大人気だ。
「おしゃっち」に到着。悲劇を語る旧町役場の隣にある。館内は様々なアーカイブ資料が充実。改めて津波被害の大きさを痛感させられる。大津波で人口の1割にあたる1286名の方が犠牲に。ご冥福を心よりお祈りする。
ミッション終了後、仮設商店街の居酒屋に行こうとしたが、すでに閉まっている可能性がある。旅館近くに外呑みできる店はなく、タクシーも手配できる環境にないかもしれない。
私を含め3人ともド酒飲みであることが判明。車を運転せねばならぬ若手2人のどちらかが酒を我慢せねばならぬ。私は気にせず酒を呑める立場だが、気の毒でもある。
予定を変更し、閉店間際の食品スーパーに立ち寄ってツマミや酒を大量に買い込み、<旅館六大工>へ。オトコ3人で部屋呑み決行である。
稲D氏(埼T県庁)は20代後半、M氏(愛C県庁)は30代前半。のんびりした空気流れる岩手に染まると、それぞれの県に戻った際社会復帰できない恐れがあるので注意が必要だ。
缶が10本、日本酒一升瓶、バーボンが空になった。時間は知らぬ間に夜中1時半。どうせなら合宿のノリで、オトコ3人で定員3名の浴場へ。1日に疲れが湯に溶けていく。
ドンドンとドアを叩く音で起こされた。二日酔いで意識朦朧のまま、起きて3分後に強制朝食。普段こんな時間に固形物を口にすることはない。味噌汁が五臓六腑に染み渡る。
帰路に「釜石鵜住居復興スタジアム」を視察。半年前に訪れた際はまだ工事中だったが、立派なスタジアムが完成していた。自由に入れるあたりも(芝は除く)おおらかな岩手らしい。
鵜住居や大槌は一気に住宅が立ちだした。ラグビーW杯開催までに、鵜住居も大槌も完全復旧していただきたい。復旧の最終仕上げが、スタジアムであり、W杯の試合であってほしい。そんな願いを噛みしめながら、盛岡へ向かう。車中爆睡しながら。
新たなシンボル「おしゃっち」。
震災前を再現した渾身の模型。
被害の大きさを改めて実感。
大きな悲劇を生んだ旧庁舎。
若手2人と部屋呑み。
釜石鵜住居復興スタジアムへ。
2018年11月25日
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