2018年08月28日

第2021夜:うどん屋でパブリックビューイング【長崎(長崎)】

 コロンビア。サッカーW杯グループリーグにおける日本の初戦国である。4年前は完膚なきまでに叩き潰されたサッカー先進国でもある。

 ゲリラ豪雨が降り注いだ6月20日。日本vsコロンビア戦がロシアのどこかで開催。キックオフは日本時間で21時。日本中が耳目を集める決戦の日、私は長崎市に滞在していた。訪問先は新大工町商店街。若手商店主らとのミッション終了が21時。……。誰も集まらないのではないか。そもそも、私も気がそぞろで落ち着かぬ。

 新大工ミッション終了後は毎回お楽しみの<喜助うどん>。その真ん前のビル2階がスタンディングのスポーツバー。21時ミッション後、喜助さんではなくスポーツバーでパブリックビューイングした方がいいのではないか……。

 そんなオヤジ(私)の惑う心を読みすかしたように、喜助うどんオーナーかつ商店街副理事長で無類のサッカーファンであるK島氏が粋な計らいをかましてくださった。喜助うどんの座敷に50インチのTVがあり、そこで絶品料理をツマミに飲み放題をヤリながら、皆で観戦しようという試みである。すべての不安が一気に解消。同行氏たちからも笑みがこぼれている。

 オーナーも交え10人でスタンバイ完了。まずは景気づけに生で乾杯。試合はいきなり白熱の展開を迎えている。下馬評では圧倒的不利だった我らが日本、前半3分に得点を決めてリード。一気にボルテージが上がる。しかし、急に場のテンションが下がりはじめる。

 理由はいくつかあった。10人のうち、女子3人。女子3人は前半戦こそ「この選手イケメン」とか盛り上がっていたが、後半からは完全にファミレス女子会モード。試合そっちのけコイバナで盛り上がっている。

 オヤジ7、8人のうち、私を含め観戦に夢中なのが半分。後の半分はもともと興味がなく、「どこと試合するの?」「どこの国でやってるの?」など非国民な質問が飛び交う有様だ。

 スタメンにH田選手が名を連ねていなかった。関心のある我らは戦術論でスタメン落ちの理由を語り合っていたが、関心ないグループの美容師・M尾氏はすぐに分かったという。「ジェルで頭を固めていなかったから」という、美容師にしかない着眼点を披露。大笑いしたが、これは真理かもしれない。様々な視点で角度を変えると、見えぬ世界が見えてくる。

 家庭では再現不可能な超絶絶品の鯖味噌煮でこちらもキックオフし、前半途中に肉豆腐、ハーフタイムは豚キムチ炒め。後半途中でおにぎりが登場し、ロスタイムは巨大な皿にたっぷり盛られた梅風味の冷やしそばという圧巻の戦術が眼前で繰り広げられた。

 しかし、我ら夢中チームは画面から目が離せず、空腹なのだが箸が伸びない。画面にクギ付けのまま、生ビールを数杯あおった後、ハイボールを数杯。途中、熱燗が選手交代で登場。ついでももらっている間の一瞬だけ目をそらした瞬間、コロンビアが同点ゴールを叩き込む。

 後半、半端ない男が勝ち越しヘッドを決めた。ボルテージ最高潮。一人で見るより知人友人と観戦すれば楽しさは何億倍にも膨れ上がる。

 日本、下馬評を覆した見事な勝利。祝して何度目かの乾杯。次戦も喜助うどんでPVできないか。……。日時を調べる。……。日曜の深夜だった。忙しく働かれているオーナーの奥様に問うた。……。苦笑いだけ浮かべ何も言わず厨房へ消えてしまった。

 タクシーでホテルに戻る。部屋で一人で缶ビールやカップ焼酎をヤリながら日本の次戦の対戦相手であるセネガルvsポーランド戦鑑賞。セネガルの強さはともかく、改めて皆でワイワイ応援する楽しさと出張先のホテル一人鑑賞のギャップに涙がこぼれそうになった。

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PV熱烈応援中。

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〆は毎回異なる大皿麺。

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啜りながらも、視線はTVにクギづけ。

posted by machi at 17:47| Comment(0) | 長崎県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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