いなほ号。新潟から日本海沿いに秋田方面へ快走する特急列車である。ただし以前強風で横転事故があり、以来ちょっとした強風でも徐行どころか何の迷いもなく運休になるらしい。庄内地方は風が強く、特急が運休している時は庄内空港離発着便もすべて運休になる。
春の大嵐が日本中を席捲した2018年3月1日。私は山形県鶴岡市へ向かった。余談だが、私がまちづくり業界に身を投じたのが1999年3月1日。その日は我がまちづくり屋生活20年目に突入する節目の日でもあった。
飛行機はもちろん運休。陸路に切り替えた。朝の段階では特急は力強く走っている。Hォ先生の沢崎シリーズ14年ぶり最新刊を新神戸駅売店で発見。今年1番の衝撃を受けながら新幹線で東京へ。上越新幹線に乗り換えて新潟へ。特急いなほ号で鶴岡へ。接続完璧で8時間。
改めて庄内地方の遠さを痛感しながら新潟へ向かう途中にPC猿打していると、我がクライアント氏から特急運休の知らせが届いた。同じ車両に乗り合わせていたことが判明した氏とデッキで緊急作戦会議。年度末が押し迫りキャンセルはできない。残る手段はタクシーしかないが、いくらかかるのだろうか。
新潟駅に着き、腹を括ってタクシー乗場に向かおうとしたら、代行バス運行のアナウンスが。約3時間半という。何とかギリギリミッションに間に合うそうだ。
岩を打ち砕かんばかりの日本海に荒波を眺めながら何とか鶴岡駅前着。すごい風だ。確かに運休も納得させられる。駅前ホテルに荷物だけ預け、ミッション先の鶴岡銀座商店街へ。
無事終了し、商店街理事長たちと<さかえや>さんという洋食居酒屋へ。生ビール旨し。無事にたどり着き、ミッション無事遂行に乾杯する。牛タンシチュー、フィッシュ&チップスなど絶品に舌鼓を打つ。
庄内地方を二分する鶴岡と坂田。鶴岡は武家町、酒田は商人町。昔は同じ藩だったが、DNAレベルでソリが合わないようである。近親憎悪というヤツか。ミッションの最中、2年前に酒田市へ10回以上も足を運んだことを黙っていたのは正解のようである。
2018年流行語大賞ノミネート間違いなしの「そだねー」。庄内地方なら「んだのぉ〜」。ちなみの同じ「んだのぉ〜」でも、鶴岡と酒田ではイントネーションが異なるらしい。
風が弱まらない中、クライアント氏とタクシーで駅前に戻り、終夜居酒屋で夜中2時半まで鯨飲。翌朝、気合で起きて駅に向かう。風はさらに強さを増している。背骨から冷える寒さだ。当然のごとく特急は運行。2日連続の代行バスである。
せっかく鶴岡まで来たのだから、名物を味わいたい。その日は夕方から埼玉県内でミッションなので、ひたすら移動のため昼飯を腹に入れる時間はないかもしれぬ。
売店で鶴岡駅弁「庄内弁」を発見。待合室で腹に詰め込む。じっくり味わいたかった郷土色溢れる逸品でかなり豪華。酒田駅で2年前に味わった「ががちゃおこわ」は我が駅弁700箱の中で最も清貧を極めた禅問答のような駅弁。駅弁だけでも鶴岡と酒田の違いが感じられた。
激しく運休。
嵐の銀座商店街。
シアワセのタンシチュー。
ビールに無敵なフィッシュ&チップス。
鶴岡駅弁「庄内弁」。かなり豪華で凝っている。
酒田駅弁「ががちゃおこわ」。禅僧のごとき清貧の極み。
2018年06月04日
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