『山と食欲と私』。単独登山女子を主人公にした`山グルメ´コミックである。料理漫画コレクターの私は本屋でそれっぽいコミックを見つけると迷わず買ってしまう。最近はブームなのか本当に料理マンガが増えた。少しも面白くない作品もありハズレも多いが、この作品はかなりの実力。実際によく売れているらしい。
私は手に汗握る山岳ミステリや山を舞台にした冒険サスペンス映画は大好物である。特に山岳ミステリでは私の中では笹本稜平先生と夢枕獏先生が最高だ。
しかし、私自身は登山に全く興味がない。登山どころか坂道も階段もダメ。ジョギングなど概念すら浮かばない。そのクセに人一倍馬喰鯨飲するので、身長は加齢とともに縮んで170pを切ってしまったのに体重は約0.1トン。高位安定のまま緩やかに上昇を続けている。間もなく北九州小倉の「ワンハンドレッドクラブ」に入会できそうだ。
ある11月上旬の夜。忍者の隠れ里・伊賀上野銀座商店街の旦那衆と<いとう>さんで絶品料理に舌鼓を打ちながら、ビールや焼酎を痛飲していた。私が最も愛するビール「キ●ン一番搾り遠野産ホップ2016」が解禁。私にとってはボジョレの1000倍増しのヨロコビである。生は東北でしか呑めないが、瓶や缶は全国各地で楽しめる。この瓶を扱う店も増えてきた。
具だくさんの茶碗蒸しを始め、ハズレなしの絶品大皿料理に舌鼓。商店街F山理事長の鮮魚店のうなぎの白焼は頬っぺた落とし。蒲焼も旨いが、酒のアテとしてうなぎ白焼は間違いなくエベレスト級のご馳走だ。サクっとした歯触り、ジュンワリと染み出す鰻の上品な脂とコク、さっぱり感を呷るわさび醤油。すかさず遠野産ホップで追いかける。……。笑みが止まらない。
絶品料理を振る舞って下さるマスターが厨房奥から出てこられた。ところが足を引きずっている。痛風かと思いきや、そうではないという。
マスターも交え、ダイエットの話題に。食事制限よりもウォーキングよりもジョギングよりも何よりも効果的な方法をマスターと石B氏から教えていただいた。答えは「登山」だった。
足場の悪い山道を上り下りしていると、体幹や普段使わない部位が刺激されるそうで、下山後も代謝効果が続くという。手首足首に錘を付けたり、20sの水をリュックに背負って登山するとさらに効果は増すという。あまりに疲れすぎて食欲も無くなるらしい。
何も本格的な山でなくとも、近所の山でも良いらしい。ただし、アスファルト舗装されていない道を登るのが基本なのだろう(当たり前か)。 私の神戸の自宅マンションのベランダから高取山が真正面から一望できる。15分も歩けば六甲連山の登山道入口に辿り着く。
笹本先生や夢枕先生の山岳ミステリに出てくる登山はかなり過酷だが、コミック『山と食欲と私』の登山は私にも出来るかもしれない。ビールを呑みつつシメに出てきた超大盛やきそばを思う存分啜りながら、登山のために体内に糖質をため込まねばならないと気合を入れ直した。
私にとっての「ボジョレ」と絶品鰻白焼。
具だくさんのワイルドな茶碗蒸し。
糖質制限など吹き飛ばせ。
(付記)
登山の決意から3か月経過。登山どころか日常生活でますます歩かなくなりました。
2017年02月06日
この記事へのコメント
コメントを書く