2016年07月26日

第1504夜:白菜はどこだ?【台北(台湾)】

 故宮博物院。世界四大博物館の一つと称される、広大な敷地を有する人類の至宝を集めた宝物殿である。

悠久の歴史を誇る中国。先史時代から近年(清)までの中国大陸歴代皇帝が収蔵してきたコレクションを一堂に会している。65万に及ぶ宝物の中でも、展示されているのは1%以下らしい。本館以外にも2015年の12月末に別館がオープンしたそうだ。

見どころたっぷりだが、私達の持ち時間は60分ちょっと。残念だがとてもすべてをじっくり見学できる時間はない。私のようなムー系考古学フェチには一日居ても飽きないかもしれない。

 チケットを買って館内へ。日本語表記も多いので有難い。日本人もかなり多いが、中国本土からの観光客も凄まじい数。私は一人で駆け足気味に見学する。

 博物院が誇る3大至宝がある。2800年以上昔の西周時代の銘文が刻まれた三足青銅器「毛公鼎」、豚の角煮そっくりな象牙の「九層象牙球」、そして圧倒的一番人気が翡翠を材料にした清代の白菜の置物「翠玉白菜」である。ガイドブックを観て、私は首を傾げた。これらの存在を髪の毛一本ほども知らなかった。

 65万点に及ぶ人類の至宝の中で一番価値があるとされているのが、清代の白菜の置物。翡翠を使っているので高価なのだろうが、なぜ白菜なのか。そして、なぜ豚の角煮なのか。これらがルーブルならモナ・リザ、大英ではロゼッタ・ストーンに匹敵するというのか。

 チケット売り場にはこれらの品が展示されている部屋番号が掛かれており、この場所は混むから注意してというような内容の表記があった。土産物売場は白菜をかたどったストラップや栓抜き、ボールペンばかり。それほどまでの一枚看板なのか。

 とりあえず1階から攻めていく。明から清にかけての生活用品中心。じっくり見たいが時間がない。2階を泣く泣く飛ばし、重要宝物が収められている最上階の3階へ。

 8000年前のイヤリングに驚かされた。また、伝説の国家であるはずの夏王朝の遺物もあった。個人的に一番感慨深いのが、春秋戦国時代から秦の時代の武具や酒器。なぜなら超絶悶絶超弩級面白漫画『キン●ダム』にハマっているからだ。キ●グダムの時代に想いを馳せる。コミックの1シーンがリアルな実感を伴って脳裏に浮かぶ。

 3大宝物の中で「毛公鼎」はじっくり鑑賞できた。時間が無くなってきた。せめて残りの2至宝だけでも目にしたいが、広大な展示面積のためどこにあるか分からない。

 豚の角煮は諦め、白菜一本に絞った。私は速足で展示会場を物色したが見当たらない。人が多く集まっているエリアに目星をつけたが、適度に分散されている。残り時間10分。敷地が広いので集合場所まで時間がかかる。

 私は館内のイヤホンを耳に装着している女性学芸員に尋ねることにした。日本語が通じるかと思ったが全く無理。英語で尋ねようと思ったが、白菜という単語が分からない。忙しそうな女性学芸員は早くしろというスルドイ目を送ってくる。

 周りを見渡した。白菜のポスターがあった。それを指差し、首を傾げながら思いっきり日本語で「どこ?」と一言尋ねた。お姉さんは即答した。「没有」。

 メイヨウ。意味は「ありません」。私でも分かる中国語である。お姉さんは即座に立ち去った。世界四大博物館が誇る一枚看板、どこにいったのか。

 タクシーで同行氏らに尋ねたら、どこかに貸し出しているらしいとのこと。日常生活の中で最も身近かつポピュラーな存在である白菜、故宮博物館では近そうで遠い高値の華である。

160726故宮博物館@.jpg
故宮博物館。

160726故宮博物館A.jpg
ミュージアムショップは白菜グッズばかりなりけり。
posted by machi at 07:42| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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