2014年05月21日

第969夜:出会いと別れ【富山(富山)】

 北越2号。2014年早春、季節惑いな吹雪の新潟県から日本海沿いに帰神しようと乗り込んだ特急列車である。余談だが、南極2号なら全く別の意味になる。大阪駅まで直通するサンダーバード号に乗り換えるべく、始発駅である富山駅で途中下車した。

 富山は10年ぶり。その際はまちづくりや商店街と全く関係ない用務で訪れていたこともあり、記憶はぜい弱。富山駅およびその周辺は思いっきり工事しており、全く地理感が湧いてこない。はっきり予定を決めていなかったが、乗り換え時間まで約1時間。観光案内所で入手したランチマップを頼りに、どこかで昼食を腹に入れようと作戦を立てた。

 富山駅の改札口を出た。マップを見ると、思いっきり駅と中心部は離れている。とても中心部まで足を運んで昼食を取り、1時間以内に駅に戻れる自信がない。半分途方に暮れつつ、工事の仮囲いばかりの駅前で、私は半分途方に暮れつつボンヤリしていた。すると、「あぁ!!アヅマさん!!!」という悲鳴に近い叫び声が耳に飛び込んできた。

 私はアヅマなので、反射的に声の方に顔を向けた。すると、思いっきり旧知の面々。普段お世話になっている伊丹&尼崎のまちづくり混成軍団だった。Mダム、N脇氏、W狭氏が混じっている。嬉しさと懐かしさというより、あまりの奇遇に度胆抜かれて鳥肌が立った。

 この4年間、私は東奔西走している。どこかでバッタリ知人と出会うということはないこともないだろうが、兵庫県の皆さまと兵庫県に住む私が何の示し合せもせずバッタリ富山で出会う確率は強烈に低いのではなかろうか。私が駅前でボケっと佇んでいたのは1分ほど。少しでも移動していればお互い永遠にニアミスしたままだったはずだ。

 お互いに再開を喜ぶというより、あまりの世間の狭さに少々引き気味。皆さまは視察兼旅行で一泊されるという。私は1時間後の帰路につかねばならない。

 富山駅前から縦横に路面電車が走っている。強烈に未来デザインな格好よさの新型車両も存在感を放っている。まちづくり業界では、富山の中心市街地活性化の取組は一つのモデルケース。路面電車に乗り込むマダム御一行をお見送りさせていただいた。

 私は、手を振った。皆さんも手を振り返してくれる。旅番組を好む私は、このようなシーンを頻繁に目にする。メインの旅案内人が訪問先で偶然知り合いの芸人とバッタリ遭遇し、数分間ほどひとしきり絡む。さらに先を目指す旅タレントをお見送りするシーンである。

 これらはおそらく思いっきり演出だろうが、今回の奇遇はガチンコ。私の立ち位置は『T猿』のD川氏やジミーO西氏のようなポジションである。

 偶然の出会いから別れまで、計測していないが15分ぐらいだったか。皆さんが路面電車で去った後、何とも言えない味わい深い気分になった。旅の醍醐味は出会いと別れである。

140521富山駅でバッタリ.jpg
富山駅前でバッタリ。
posted by machi at 07:12| Comment(0) | 富山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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