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2012年09月29日

第571夜:鵜住居だより〜10通目【釜石(岩手)】

 橋野高炉跡。鵜住居地区から遠野方面に20kmほど移動した橋野にある、現存する日本最古の洋式高炉跡です。要するに、日本最古の近代的な製鉄所。日本近代製鉄の先駆けです。時代は江戸末期にまで遡り、現在の新●鉄釜石に至ります。「鉄の歴史館」なる施設もあります。

 車で移動している途中、本当にこんなところに遺跡があるのかと不安になるほどの行程ですが、山の中の公園と思しきエリアに高炉跡が点在していました。あくまでも高炉ではなく「高炉跡」なので、見た目はただの石組にしか見えません。遺跡らしく廃墟ムードは満点です。

 そんな哀愁漂う橋野高炉跡ですが、泣くオトナも黙る天下の世界遺産候補地です。ただし、メインは北九州や山口の高炉跡らしく、そちらが世界遺産登録されればついでに橋野高炉跡も仲間に入れてもらえるかも、といった東北らしい謙虚さと遠慮深さが魅力的な国指定史跡です。

 岩手県の御当地ミネラルウォーターといえば「龍泉洞の水」ですが、釜石にもご当地ウォーターがあります。その名は「山華の雫」。ペットボトルでも売られており、採集地は鵜住居地区と橋野高炉跡の中間に位置します。義経北行伝説に登場する笛吹峠の麓、北上山地の霊峰片葉山を水源とする大仁田山の鍾乳洞より湧きでる天然水だそうです。

 とても車で入れそうにない山中の悪路です。本当に源流はこんなところにあるのかと不安になります。車がガリガリこする音が聞こえそうです。無事到着した時は安堵しました。

 ミネラルウォーターの採集地まで訪れることは、よほどの水マニア以外機会はないでしょう。美しい清流が山々の間を流れていきます。温度はグッと低く、マイナスイオンが舞っているのが目に見えそうなほどです。

 二日酔いの翌朝、キリッと冷やしておいた「山華の雫」をノドに放り込みます。まさに甘露。末梢神経まで鮮烈な大自然が行き渡るのが体感できます。ドロドロ血液がサラサラになるのが分かります。

 釜石が誇るシンボルと言えるのが、釜石湾を一望できる高台にそびえ立つ「釜石大観音」。48.5mという白亜の観音様で、神戸・新長田地区の鉄人28号等身大モニュメントの倍以上の大きさです。地震前までは観音像の中(胎道というそうです)に入れたらしいですが、地震の後は危険ということで胎内侵入不可です。

 釜石の復興を高台から見守る釜石大観音の威容は、新・世界の七不思議(建築)に崇められたブラジル・リオデジャネイロのキリスト像のような力強さと美しさに満ちています。そんな慈愛あふれる大観音は、麓から見上げるだけなら無料ですが、近くまで寄ってご尊顔を拝見しようとすると有料です。駐車場料金も三陸では珍しく有料です。

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世界遺産登録を目指す「橋野高炉跡」

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「山華の雫」の源流

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釜石のシンボル、大観音様
posted by machi at 09:03 | 岩手県

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