日曜市の歴史は1690年に遡る。当時の土佐藩主が場所と日取りを定めて市立を後任したことが始まりとされ、現有システムになったのは1876年。300年以上の歴史と伝統が刻まれている。規模と場所は異なるが、約50店舗の火曜市、約90店舗の木曜市、約50店舗の金曜市もある。
日の出から日没まで開催され、五感に訴えかける魅力満点の商材が簡易テントに溢れている。片側2車線を完全歩行者天国とし、両側に市が並ぶ。私は午前9時に訪れたが、まっすぐ歩けず先も見通せないほどの混雑ぶり。凄まじい活気だ。
大きなグレープフルーツを思わせる文旦の鮮やかな黄色と酸っぱい香り、真っ赤なフルーツトマトの鮮烈さ、ぬか漬けの発酵した魅匂。筍、生姜、鉢植え、生鮮野菜、魚干物…、数えきれないほどの食材や加工品が溢れている。
買物モードが炸裂する。私はうるめイワシの丸干や肉厚の原木椎茸などを購入。どれも圧倒的なボリュームと安さで、まさに高知市民の台所といった風情だ。
数は多いわけではないが、しずる感あふれる飲食屋台も混じって輝きを放っている。朝9時過ぎの私に鼻孔に飛び込んできたのは、人間の理性を狂わせる四万十天然鰻の蒲焼串である。
思わず購入した。炭火であぶられ、タレで飴色に輝いている。タレをこぼさぬように口に運んだ。……。柔らかく、臭みなく、ホロリと口の中で崩れる。甘さを抑えた辛めのサッパリダレに好感を持つ。思わずカバンに忍ばせていた土佐麦焼酎のペットボトルをグビリとやった。
市の中ほどに、圧倒的な活気と行列を誇っている屋台がある。揚げたて練りテンプラのお店だったが、空前の人気を誇っているのが「いも天」。ガイドブック等にも外されることなく掲載されている日曜市名物。サツマイモの天ぷらである。
グングン揚げられ、千手観音顔負けの手さばきと電卓に負けない暗算能力で行列をさばく女性店主に見とれてしまう。行列がどんどん前に動いていく。しかし、次々にお客が並ぶため、列が短くなることはない。
ジャガイモは得意だがサツマイモが苦手な私だが、揚げたて熱々に挑戦してみた。……。ホックホク、ポクポク、フワフワ、サクサク。私のサツマイモ観念が桂浜の沖まで吹っ飛ぶインパクト、完成度、旨さだ。日曜市のこの屋台で揚げたてを味わうことが、いも天をもっとも満喫できる最強のシチュエーションなのだろう。
時間が経つに連れ、来場者がさらに増えてきた。すでに売り切れている商品もある。毎週開催されているという事実もスゴイ。300年の伝統は宣伝を必要としない高みに達している。
300年以上続く高知市内の日曜市
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