2025年04月30日

第3659夜:一晩8000円の独り買い出し【小山(栃木)】

 肉のハナマサ。このブランド商品を私は愛してやまない。ビーフジャーキー、インスタントラーメン…。どれも絶品でリーズナブル。ただし私が知る限り、小山駅東口前ジョイフルホンダ内の<ジャパンミート>でしか見かけない。毎回、つい買いすぎてしまう。

 小山で泊まる際は盟友・S氏と<東>で呑むか、<ジャパンミート>で総菜や酒、ツマミを捕獲してジャパンミートにほど近い定宿で部屋呑みかの2択。

 ある初秋の夕刻。小山の定宿に引き籠りPC猿打。日もすっかり暮れた。タフな日々が続く。翌日も呑み会。小山駅西口へ移動するパワーもなく、東口定宿の裏は呑み屋が何件もあるがそれ以上に呼び込みが多く振り切るのが面倒。結果的にジャパンミートへ。

 この日は「秋」と「魚介」をテーマに。寿し刺身コーナーで中トロ本鮪握り8貫(2割引)、ねぎとろ巻2本(2割引)、イカ刺松前漬(2割引)と甘酢生姜(80円弱でたっぷり)。豪華である。その勢いで総菜コーナーへ。

 天丼が特売されていた。6品乗って350円。思わずカゴへ。天丼の天ぷらをツマミにし、残った白米の上に松前漬をたっぷりのせてワシワシ。完璧な作戦である。

 味噌汁がわりの汁モノに、いままで一番売れたとパッケージに書かれている熱帯シーフードヌードルBIGを半値で捕獲。シーフードヌードルは大好物だが、熱帯味とは初見。いままで一番売れたなら見かけたことあるはずだが、何故か初見。まあ、魚介に違いないのでカゴに。

 酒コーナーへ。冷えた金麦ロング缶の秋限定バージョンと、秋限定のぶどう、梨、りんごチューハイを4本カゴへ。500円程度のイタリア白ワインも。デザートは「和栗シュークリーム」「和栗バターどら焼き」。完璧すぎる。しかし、カゴが重い。買いすぎたか。

 レジに向かう途中、どうしてもハナマサブランドをスルー出来なかった。愛してやまないビーフジャーキーをカゴに。その時、私のタガが外れた。何かが壊れた。

 ハナマサブランドのイベリコ豚ジャーキー、サラミソーセージ、はちみつとバターで美味しくなったクルミ、カレーボール(スナック菓子)をカゴに投下。

 さらに30ヶ以上入ったチョコレート(LOOK)、日清の気合が詰まった「特上カップヌードル」を4種類(松茸醤油・トリュフ濃厚バターカレー・ウニバターシーフード・完熟トマトレッドホットチリ)。特上カップヌードル、新発売のはずなのにもう42%オフ。死亡フラグがプンプンしている。挙句に200gも入ったジャパンミートオリジナル割れせんべい(サラダ味)。

 1週間分でない。3日分でも1日分でもない。一晩分である。いくら私がバカ胃袋といえ、食べきれるわけもない。翌日からタフ極まりないミッションの乱れうちで栃木、埼玉、福岡、島根と移動する。

 レジ会計は8000円を超えた。充実しすぎた戦利品だが、自分自身にドン引きした。死亡フラグが立っているのは、売れ残りっぽい特売商品でなく私だったようである。

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香り立つ死亡フラグ(どれも絶品でしたが)。

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宴の始まり。

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握り、ガリ、松前漬。

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缶数本の後は、500円ほどの白ワイン。

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具で呑む。

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具を食べ尽くした白米に松前漬をぶっかけてワシワシ。

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充実極まりない戦果。

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初めて観ました。

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デザート。

posted by machi at 06:40| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月29日

第3658夜:リアルエステートダイバー【小山(栃木)】

 営業。並べて売る、広告する、ネットで告知、ルートセールス…。様々考えられるが、最も難易度が高く技術も必要なのがいわゆる「飛び込み営業」である。マンションの最上階から1件づつピンポン鳴らして飛び込んでいく。この世で最もタフでメンタルが必要なスタイルだ。

 昭和時代、百貨辞典の売り歩きなどの逸話があった。江戸や明治なら越中富山の薬売りか。百科事典を飛び込みで売ろうよく思いついたものである。買う方も今思えばどうかしている。

 25年ほど前、休みの朝にピンポンが。オートロックでも玄関カメラもないアパートマンション。眠い目をこすり、宅配便かとドアを開けたら若い女性とおばちゃんの2人組。めちゃくちゃ汚れが落ちるダスター(要するに雑巾)を買ってくれという。

 追い出そうと思ったが寝ぼけと二日酔いで頭が回らず、お二人とも目がイッテて笑顔が不気味なので押し負けて2枚購入。値段は確か3000円。入信させられなかっただけマシと思わねばならない。ちなみによく汚れが落ちるダスター、一度使ったら2度と使えないほど真っ黒に。ある意味、よく汚れが落ちたのかもしれない。

 私が駆け出しの頃、お世話になった社長の話を思い出す。飛び込み営業経験者はどんな仕事でもこなすタフさがあるから、そういうツワモノがいればスカウトして即採用と。

 昨今はマンションもオートロックで飛び込み営業受難の時代。飛び込みの取扱金額はピンキリだろうか、高額だと警察沙汰になりかねぬ。ただし、買ってでなく「売って」ならどうか。 

 2024年9月最終日、下野市&上三川町の創業&空き店舗対策担当者チーム5人で小山市内の不動産事業者様を訪問し、社長や社員の皆さまと意見交換。様々なご協力を賜る。

 こちらの不動産会社様は栃木県内ほぼ唯一かもしれぬ「事業用専門」の不動産事業者。店舗、倉庫、貸地などである。社長とはその3ヶ月ほど前に意見交換を一度させて頂いた。

 それから3カ月の間に、某市内の空き店舗補助対象エリアにおける空き店舗と思しき物件所有者を訪ね、意向調査を実施して下さっていた。唖然、驚愕からの感動と感謝。私はその意向調査をどのように実施すればよいか頭を悩ませていたからだ。

 不動産の所有者は誰でも調べることができる。ただし、調べてから実際にアポイントを取って訪問するまでの心理的ハードルはエべレストの比ではない。 

 不動産の賃貸や売却の意思を確認する、いわゆる買ってくれでなく「売ってくれ」営業。不動産の営業はこのような世界ということは知っていた。私は不動産事業者ではないが、鹿沼で使用貸借を行っているし、この10年ほど日本中で空き店舗滅失に取り組んでいる。不動産業界の末端で生息している。しかし、私に不動産営業できるか。しかも、飛び込みで。

業界のプロの凄みを観た。自分のこれまでの四半世紀のシゴトがいかに中途半端だったか思い知らされた。栃木県内、特に下野市以南で店舗物件をお探しの方、苦労されている方、まずはミネ不動産様にご相談を。

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店舗物件を探す方々の守護神。

posted by machi at 08:33| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月28日

第3657夜:驛麺ウォーズ[【名古屋(愛知)】

【エピソード8】「五ノ神製作所」

 2023年の夏に名古屋駅麺通りの7峰すべて完麺というプロ登山家クラスの偉業を成し遂げてから約1年後、駅麺通りに新たな峰が隆起していた。このテのコンセプトゾーンは定期的に店舗が入れ替わるため、注意を怠ってはならない。

 時間は17時半。昼時はどこも長蛇の列だが、穴場時間ゆえかどの店も混んではいるが並ぶことなく入店できる。

 新たな峰は「五ノ神製作所」。「製麺所」ではない。入口には「ラーメンTOKYO百名店2017〜2023年 7年連続」とある。2010年に東京で産声を上げてあっという間に行列を作ったとある(店の案内より)。キャッチフレーズは「海老を飲みませんか?」。斬新で心震える。

 冷たい水で喉を湿らせつつ、卓上でメニューを吟味。初めての店で券売機は後ろからのプレッシャーに押しつぶされる。メニューで戦略を練ることができ、好感度が跳ね上がる。

 トッピングやライスメニューもあるが、つけ麺が専門。ラーメンはない。つけ麺はノーマルの「海老つけ麺」にトマト、味噌アレンジの3種類。すべて1,180円がベースの値段である。

 麺の量はノーマルが360gゆえ、プラス150円で540g(大盛)を選択。チャーシュー、味玉、キャベツが追加される「特製」にランクアップさせる。提供は水で締めない「あつもり」だ。

 さらにプラス200円すれば720gの特盛になるが、初めての店で特盛は危険。しかし、私はつけ麺やまぜ麺よりも圧倒的にスープに浸されたラーメン派ゆえ、つけ麺を食べなれていない。スープが無くなったら絶望するだろう。プラス150円でスープ増しに。

 気づけば単品なのに合計1980円。1000円の壁どころではない。ラーメン(つけ麺)単品では破格だが、ひつまぶしなどに比べたら半値程度。名古屋名物の一つがエビフリャ〜。東京ラーメンといえ名古屋で「海老推し」は好適だ。

 店内は満席。4人掛け席からは中国語(たぶん)が大声で聞こえるが、カウンター席はいかにも地元のラーメン武士で溢れている。期待が高まる。卓上の調味料は一味唐辛子、黒胡椒、タバスコ。タバスコが謎である。海老トマトつけ麺用なのか。

 海老、降臨。香りが海老である。まずはスープをレンゲで…。濃厚な海老。和でも中華でもない、日本独自で進化を遂げた新種の海老の味。

麺を浸して啜る…。刮目した。麺とスープが濃厚かつ官能的に絡み合う。海老を飲む、という感覚を体感できる。

 丼の中の麺は何かに浸かっている。最初、白湯かと思ったがほんのりと色がついている。レンゲで少し啜る…。海老の薄味の出汁だった(たぶん)。

 麺を啜り終え、この薄味出汁を濃厚スープに注ぐ。いわゆる「スープ割り」。圧倒的な中毒性。行列と7年連続ランキングの理由を舌で理解した。

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通路に人が写っていない奇跡。

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海老を飲む快楽。

posted by machi at 05:27| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月27日

第3656夜:肉食堂のテイクアウト【豊川(愛知)】

 <とんかつのKどや>。名鉄諏訪町駅前の肉系総菜店&肉食堂である(たぶん)。「びふてき」と大きく書かれた袖看板に前を通るたび心を震わせる。

 9月最終の土曜日。午前中に神戸を発ち、尾張名古屋経由で東三河の諏訪町へ向かう。名古屋は曇り空だったが、西三河に差し掛かるあたりから車窓を雨がたたき出した。諏訪町に降り立った時には、引くほどの豪雨。

 折り畳み傘に身を縮めつつ、徒歩8分ほどのミッション会場へ向かう。真っ先に視界に入る「びふてき」の袖看板。この曜日(土曜)のこの時間(13時30分頃)、<かDや>が開いていた。私が店の前を通る曜日や時間帯が悪く、いつもシャッターが閉まっているか休憩中だった。

 歩くスピードを緩め、ガラス戸から店内をチラ見。入口付近にいくつかの種類の総菜パッケージが見えた。カウンターにはコロッケとメンチカツも。老眼だが、遠くはよく見える。

 いったん通り過ぎた後、10mバックした。傘を畳み、店内へ。本能的行動である。

 肉系以外にも家庭の味的総菜が並んでいる。焼豚のブロックがあまりにも輝いている。しかし、買いすぎると食べきらず轟沈する。諏訪町日帰りの際はプリオ1階のスーパー(Mム)で稲荷寿司などを購入していたが、貴重な肉惣菜店の営業中タイミング。外せない。

 人気ナンバー1とPOPにある「カツサンド」を手にした。自家製の肉団子6ヶ入りも。カウンターに並べられたコロッケとメンチカツも1ヶづつ。帰宅して晩酌の肴にするか、帰りの新幹線で発泡酒やハイボールとともにやるか。

 豪雨の中を歩きつつ、数時間後の晩酌戦略を練っていたたら打合せ会場着。この日のミッションはどんなに長くても1時間で終わるかと思いきや、休憩なしのたっぷり2時間。プリオ内の生涯学習センターがあまりにも人気で半年先の会場手配が困難を極めた。

 終了後、諏訪町駅へ向かう。雨も上がった。<かどや>は休憩中の札が。前半に勝負して正解である。次回の諏訪町入りは約2カ月後。名鉄に乗って国府で乗り換えて名古屋へ。

 名古屋駅は国内外の旅行客でごった返している。スマホで検索すると、岡山終点のひかり号が幾分空いていた。

 新神戸を起点に、東京なら2時間45分、小倉なら2時間、名古屋は1時間ちょっと。酒を買いすぎぬよう駅ホームの売店で缶チューハイ、愛知のカップ酒、250mlの赤ワインを捕獲。

 2人掛けの隣は空いていたので、まずはカシュッとグビビビビ。コロッケとメンチは自宅用に回し、肉団子とカツサンドを広げる。

 肉団子、甘酢だが肉肉しくてギュウギュウ。味が濃い。カツサンド、マヨが隠し味となってパン、野菜とのバランスも見事。新神戸に着くころ、酒が3種類、食いもの2種類がテーブルから滅失。帰宅後の独り2次会揚物晩酌が楽しみである。

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「びふてき」の惹きが強すぎ。

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1時間の至福。

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猪口カップが優雅。

posted by machi at 09:46| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月26日

第3655夜:幻の駅弁【周南(山口)】

 『幸ふく弁当』。調整元が「徳山ふくセンター」様であることが示すように、瀬戸内臨海屈指の工業都市・周南市の新幹線のぞみ号停車駅・徳山駅の一択駅弁である。

 2013年にただ知人と呑むためだけに立ち寄ってから11年後、ミッションとして徳山改め周南に月1回ペースで訪れるように。

 初回と2回目は正午過ぎに徳山駅に着いた。改札内の売店をチェックすると、正午段階で『幸ふく弁当』は完売の札が。POP写真もないため、御姿を想像するしかなかった。

 そして3回目の訪問となった9月下旬。この日は朝10時からミッション故、9時半過ぎに徳山駅へ。改札を出る前にコンビニ内の駅弁売場へ…。幻の駅弁は冷蔵ケースの中で泳いでいた。それも、1匹でなかった。

 ガシっと手を突っ込み、幻をつかみ取り。鼻息荒くレジへ持ち込んだ。

 徳山駅前再開発ビル内の会議室で10時に始まったミッション、終了は15時半。前回もだが一歩も地上に出ることなく、大地を踏むことなく駅隣接施設だけで過ごし、帰路に就く。

 新神戸駅まで直行のレアなのぞみ号が20分後に入線する。座席をネットで確保し、売店で発泡酒ロング缶と山口県東部の中心市・岩国市の地酒を買う。ちなみに周南は中部らしい。

 岡山のホテルで無料配布されていた山陽新聞を読みながら発泡酒をカシュッ。徳山から新神戸までぴったり90分。広島を越えたあたりで、駅弁と地酒をテーブルに並べた。

 山口では「ふぐ」ではなく「ふく」と表記する。幸ふく弁当、2段重である。税込1000円は令和6年現在、駅弁全体としても圧倒的な安値の部類に入るだろう。

 上段はびっしりのおかず、下段は恐らくふく出汁の炊き込み飯。箸袋に記された「ふくの話」も味わい深い。超要約すると、ふくの故郷は下関などではなく徳山であるという。

 地酒にはプラカップの猪口が付いている。ラッパ呑みも野趣だが、猪口に注ぐと心にゆとりが生まれる。気分は『光る君』である(第1話しか観ておりませんが)。

 舌を地酒で湿らせて、上段のおかずと対峙する。ふく南蛮漬、貝柱フライ、肉味噌さつま揚、ウィンナー、鯖塩焼、小松菜としらすの煮びたし、煮物(筍・蒟蒻・椎茸・蕗)、キンピラ…。

 圧倒的な幕の内であり、酒のサカナである。どれも上品なのに味もしっかりしており、酒がススム。肉味噌さつま揚、齧ると味噌が飛び出してきた。ふくは「鉄砲」の異名がある。まさか、隠し鉄砲だったのか。

 たきこみ飯は言わずもがなの至福。冷めてもジューシーで旨い。この幻の駅弁、1500円でも安い。ただし、午前中しか手に入らぬだろう。帰りの15時半、念のために水槽(冷蔵ケース)を覗いてみたが、影も形も一匹もいなかった。

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新幹線改札内にしか生息していないと推測。

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午前はたっぷりと回遊。

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午後は滅失。

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まずはノドを開く。

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シアワセの駅弁。

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山口の地酒。猪口カップが嬉しい。

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眼福。

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前夜の残りをスィーツに。

(付記)

それから1か月後、いきなり300円ほど値上げしていた。それでも十分に安いと感じさせる逸品である。今までが安すぎたのである。

posted by machi at 04:45| Comment(0) | 山口県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする