下野市役所。小山駅から2駅隣の自治医大駅前に屹立する美術館のようなデザインの庁舎である。そんな市役所に行くために電車に乗ろうとしたら、大幅にダイヤが乱れていた。隣の小金井終点の電車しかこない。このままではミッションに間に合わない。
とりあえず電車で小金井駅まで行く。そこからタクシーで下野市役所へ。思わぬ出費だがやむおえぬ。
10時前からみっちり2時間後、自治医大駅から電車で宇都宮へ。ダイヤは元に戻ったよう。
宇都宮着後、1年前の夏に生まれかわった東口の一般車乗降ゾーンへ。地味に大都市の駅前のこのゾーンは珍しく有難い。県庁ご担当者の運転で宇都宮市郊外のゆいの杜へ。
途中、話題のLRT「ライトライン」と並走する。黄色と黒を基調とした3両編成。虎みたいだが「雷」をイメージしている。
栃木県、それも宇都宮市は日本で一番「カミナリが落ちる」自治体らしい。どこかの権力者に怒られるという意味ではなく、天から物理的に。ゆえに「ライトライン」である。
ゆいの杜では「地域課題解決型創業支援補助金」第1次募集採択者への事務説明会。私は冒頭と最後に挨拶。
この日はトリプルヘッダーである。午前の下野市、午後の宇都宮市、夜の佐野市。佐野では創業塾実践編の夏バージョン。私の4代目担当・K林氏の運転で佐野へ向かう。
9月から商工会議所主催創業塾が開講する。毎年平均50名ほどが申し込む超人気講座。そのプレ企画として、創業塾を卒業して活躍する3名の先輩起業家のトークセッションやグループディスカッションを企画。定員を超えるお申し込みを頂いた。
私は一応、栃木県全体の創業プロデューサーを仰せつかっているため、企画全般、セッションの聴き手、グループディスカッションの進捗管理を担当。
登壇された3氏とも創業者インタビューなどで旧知の方々。何度聞いても圧倒される。その内容は…申し込まれた会場まで足を運ばれた方々への特典ゆえ割愛する。
途中、ゴロゴロと音が聞こえた。おや、雷か…。時間が経つにつれ、音が大きくなった。そして、音と閃光の感覚が短くなってっきた。
21時の終了直前、停電になった。すぐに復旧したが、そういえば1年ほど前、小山市内で呑んでいる際、あたり一帯が停電になったことを思い出した。
引くほどの豪雨である。駅まで歩いて戻れない。市役所の課長様に駅まで車で送って頂く。両毛線は本数が少ない。入線までたっぷり40分。駅のホームで待つしかない。
駅前のコンビニで缶チューハイを2本購入。改札を通る。誰もいないホームに腰かけて、カシュッ!グビビビビ。寄生虫のような我が一日も、ようやく誰にも迷惑をかけることなく最後は終えようとしいる。
缶チューハイが空になった。2本目のプルトップを空ける。佐野から小山まで電車で30分強。車内では昨晩から読み始めて夢中になった超話題SF『三体』(ハヤカワ文庫)がある。
2本目の缶チューハイを呑み終えたら、三体世界へ没入しよう。BGMは、激しすぎる雨音のリズムと、頻繁にアクセントを決める雷鳴である。
入線までまだ20分。チューハイの缶をホームの専用ダストボックスにダンクし、本を取り出そうとしたら最大規模の雷鳴と閃光が。そして、ホームが真っ暗になった。
駅のホームが停電…。すぐに復旧したが、すぐに真っ暗に。電車、予定通り動いてくれるのだろうか。佐野から小山までタクシーならいくらかかるのだろうか。
この後、停電に。