井原鉄道。岡山県内を滑走するローカル線である。岡山県内の総社駅〜神辺駅を走行する。
酷暑の朝、岡山から伯備線で清音駅へ。井原鉄道に乗り込んだ。途中駅の井原駅へ向かうためである。
令和6年6月まで、井原も総社も神辺も存じ上げなかった。井原鉄道の存在も。私は一応兵庫県民であり、岡山県は隣接県。しかしこれまで岡山市ぐらいしか訪問した記憶がない。
ワンマン車両が入線。思った以上に垢ぬけたデザインである。車内は星空がイメージされている。吊り輪や天井も星空的雰囲気。壁面には星座が。1時間後に知ったが、超有名デザイナー(Mトオカ先生)の手によるという。まるで銀河鉄道である。
途中「吉備真備」という駅を通過。確か、歴史上の偉人でなかったか。吉備はたしか岡山のあたり。吉備真備氏ゆかりがこの駅にあるのだろう。それにしても、思いっきり人名、しかもフルネームの駅名が存在するとは。
清音駅から30分ほどで、目的地の井原駅着。改札を出る。真っ先に視界に飛び込んできたのは「デニム」。オシャレで垢ぬけている駅待合室に本格的なデニムショップがある。土産物売り場もデニム推し。これも後から知ったが、井原は「国産デニム発祥の地」らしい。
岡山県はデニムが有名。しかし、児島など瀬戸内沿いでなかったか。数年前に岡山市表町商店街のラーメン屋で青いスープのデニムラーメンを啜った記憶が蘇る。味は思い出せないが。
待合スペースはガラス状の巨大とんがりコーンなデザイン。ベンチは何故か電車の2人掛けイス。なぜとんがりガラスなのか。後から知ったが那須与一の矢をイメージしているという。
那須与一氏は、源氏が平氏か忘れたが、確か源平合戦の頃のスター武者。那須氏は井原のご出身だったのか。井原、とんでもないぐらい奥深くポテンシャルが高そうである。「那須与一 一発合格祈願」と願いを書いた絵馬を掛けるスペースが。見事な事象掛けである。
地方都市の駅前らしく喫煙スペースが堂々としている。暑いが紫煙をくゆらせていると、「井原町商店街と地域の未来を共に創る会(愛称:トモツク会)」F越副会長がお迎えに。
副会長の運転で商店会エリアへ。トモクク会M上会長の合流され、街なかの商店会エリアをご案内頂く。地域に精通した御両人のご案内に驚かされるばかりである。
・江戸時代の大火の影響で今でも防災意識が高く、避難路としての路地が相当数存在する。
・水が豊かで、地蔵様などの宗教信仰が根付いている。
・日本でも数少ない「うだつ」の街並(自分で調べてね)
新しくオシャレなお店も新規オープンし、一方で超絶に老舗と思しく風格溢れるタタズマイのお店が共存。最初は岡山の山間部らしく大横溝的世界が垣間見えたが、令和にしっかりとバージョンアップされている。
新たにホテルもオープンしたそうで、春のさくら祭り。秋の鬼祭りは圧巻という。そして、商店会だけでなく様々な活性化団体が商店会を舞台に事業を展開。今後の商店会と地域住民の協働モデルになる可能性を秘めている。
たっぷり炎天下を90分視察した後、休憩なしで150分間市役所の一室で私が会長と副会長にぶっ通しでインタビュー。根気強くお付き合い下さり感謝である。
日もまだ明るいが、18時に。井原市内で冷たい生ビールをヤリたかったが、とりあえず岡山駅まで戻ることに。
井原は偉人が多いという。前述の那須与一、Mトオカデザイナーだけでなく、渋沢栄一もゆかりという。北条早雲も井原出身らしく、小田原から遠く離れた井原で大河ドラマ採用してキャンペーンを貼っていた。
そして、毎日のようにテレビで見るお笑いスターのポスターが。C鳥Nブ氏も井原のご出身。1000年にわたり、著名人を輩出し続けている超絶ポテンシャルの街である。
ちなみに、井原市は磁場の関係で日本屈指に星空が美しいという。帰りの井原鉄道に乗り込み、なぜ車内が星空イメージなのか深く理解できた。
清音駅から銀河鉄道井原線に乗車。
車内は星空をイメージ。
デニムの聖地・井原。
井原駅。すべての意匠に意味があり。
井原駅の待合所。イケている。
井原町商店街。
メルヘンなお店も新規オープン。
星空の街。
那須与一氏の街。
渋沢翁の街。
北条氏の街。