直営。肉屋直営焼肉屋など、同じ焼肉屋でも「直営」という響きはグッと期待値が上がる。両並びなら「直営」を選んでしまう。
3月上旬の風が強い夕方。旦過総合管理運営鰍s中常務と酒屋直営の角打ちへ。仕事もないのに北九州小倉に連泊していた。理由は一つ。T中氏と久々にゆっくり呑むためである。
店選びは氏に一択。魚町のよく行く居酒屋(本陣)の真隣にその店はあった。おしゃれ。客層が非常に良い。若い女性2人組や言葉遣いも丁寧でスーツを着こなしたサラリーマンなど。
角打ちはいわゆる店売り原価。安い。その代わり店内の雰囲気や客層は独特のものがある。この店はオシャレ。値段も高いわけではないがべらぼうに安くもない。絶妙といえる。
日替クラフト(地)ビールがこの日は8種。220mlで600円とある。私は「こくらシャインマスカットエール」「ぎんのさと酒米IPA」の2杯。どちらも蔵元は<こくらブルーイング>。門司港地ビールは著名だが、この蔵元は存じ上げなかった。すごい切れ味の地ビールだった。
日が暮れてきた。馬借へ向かう。旦過総合管理運営鰍フT木マネージャーも合流し<四季丸>のドアを潜る。漁師直営の居酒屋らしく、超人気店。この店の前を通りかかったこともなく存じ上げなかったが、予約せねば入れぬ超人気店。店内は巨大いけすが設置されている。
この日は寒いが、0次会が地ビールゆえ、1次会は生ビールで乾杯。お通し3種盛も凝っており、無限に呑める。お通しに気合が入っている店はハズレなし。
第1弾はオススメメニューから。刺身盛合せは大皿でなく一人一皿。カウンターゆえ嬉しい配慮だ。アラカブ、サワラ、タイ、タコ、ヒラメ…。この店のキャッチ「旬のトロ箱」そのものの豊穣が広がっている。
いかの沖漬も驚愕。今まで味わってきた沖漬とは別物。柚子胡椒が合う。ビールの後はこの店オススメの焼酎「古々雫(ここだ)」。北九州で呑めるのはこの店だけらしい。木の香りがする独特の切れ味。魚の旨さを引き立ててくる。
小海老の唐揚は不動の安定感。殻付き生牡蠣は見た瞬間鮮度の良さが伝わるキラキラぶり。エビマヨは笑みが止まらない旨さ。アラフィフになり、何故かエビマヨにハマり始めた。
日本酒はT中常務イチオシの岐阜の地酒「三千盛」。淡麗辛口を極めていた。
第2弾は定番メニューから。「フィッシュ&チップス」は頼まずにいられない。これをイギリス人がこの店で味わったら日本に帰化申請するのではないか。
圧巻は「粗炊き」。たっぷり6人前で1000円以下。粗炊きは無言になる。ゼラチンや身をほじりながら地酒をヤる。気づけば3時間近く。「魚で腹いっぱい」になる至福はいつぶりか。そしてこの店、とにかく料理の提供が早い。「エ?もう?」というスピード感に圧倒された。
絶対に再訪を誓いながら店を出る。風は幾分和らいだか。田中常務と2人へ堺町公園方面へ向かう。直営の強すぎる磁場からの脱出に苦労しながら。
私がよく行く<本陣>の隣の角打ち。
小倉の地ビール。
馬借のはずれだが超人気。立地関係なし。
お通し3種盛にも気合。
眩しすぎる。
濃厚な旨味。
シアワセすぎる。
プリップリのムヒムヒ。
フィッシュ&チップス、頼まずにいられない。
迫力の粗炊き。すごい量。