バール(バル)。イタリアやスペインで「酒場」を表す言葉らしい。どちらの国も未踏である。
ある氷雨降る正午過ぎ。春日部駅西口ララガーデン内のスーパー(Yオコー)で今夜の新幹線晩酌の酒と肴を購入し、新しく完成して間もない春日部市役所新庁舎へ。クールでモダンである。
市役所の若手お二人と合流し武里エリアへ。2年間予定されている武里スクラム商店街プロジェクトの初年度も年度終わりが近づき佳境。皆さまのご尽力で私の想定以上に進捗した。
ミッション終了後、春日部駅まで送って頂き、東武野田線で大宮。上野東京ラインで東京駅。時間は17時過ぎ。駅ホームの売店で冷えた缶チューハイのロング缶を買って新幹線に乗り込む。
スーパーで売られている500円前後のボトルワインに2024年1月から開眼してしまった。私はバカ舌ゆえワインの良しあしなど全く分からない。
目の前にあれば呑むが自分から積極的に買おうと思ったこともない。興味がなかったので、スーパーなどのワイン売り場など軽くスルー。これまで売場が視界にも入ってこなかった。
50歳の槌音が半年後に迫りくる中(当時)、健康に少しだけが気遣うようになった。何故なら、春日部や栃木県もミッションが後1年残されているから。ウィスキーやバーボンのストレート頻度を減らし、ワインに切り替えてみた。特に赤ワインは健康に良いと聞く。
自宅だけでなく呑み会のない出張先の夜など、スーパーで総菜を買うついでにワインを1本セレクト。安いものなら400円以下も。ワイン売場、ウィスキーや日本酒などより遥かに充実している。選ぶ楽しみがある。
スペイン、イタリア、チリ…。私のワイン選びの基準は、その店で最も安いワインを選ぶこと。ただし、捻れば開封する簡易式でなくコルク抜きタイプが安ワインでもたまにあるから注意が必要。なるべく違う銘柄を選びたいので、最安値から徐々にグレードが上がってしまう。
東京から自宅のある新神戸まで3時間弱。この日のワインセレクトは赤の437円(税込)。今朝チェックアウトしたホテルの紙コップはリュックの中。1本750mlが2時間程度の適量だ。
赤ワインに合うツマミとして籠に放り込んだのは以下の4品。骨なしスペアリブ山賊焼(税込328円)、厚切りベーコンと黒胡椒のポテトサラダ(税込213円)、6種チーズパン(税込321円)、かぼちゃタルト(税込170円)。私の座席がスペインバールになった。
まずは駅ホームで買った缶チューハイロング缶で喉を開く。新横浜を超えたあたりで赤ワインをキャップをひねり、紙コップにドボボボボ。ツマミはどれも旨い。漫画を読みながら至福に浸る。紙コップのワインが無くなれば、ボトルのキャップを開けてドボドボと注ぐ。
隣の席のサラリーマン。酒も呑まずお茶と駅弁でさっさと晩飯を済ませていた。彼のドン引きの気配が肩越しに伝わってきた。
宴の始まり。
1本勝負。
自宅状態。
最強の酒のアテパン。
フィニッシュ。