旨すぎる。サクっとした歯ざわりとモッチリした上品な脂の甘みと弾力。尻尾の部分と腹の部分で味わいも異なる。冷酒のピッチが高速に。一口味わうごとに呻きが漏れる。鰻呑みの華は白焼。厳冬に咲く白椿である。
真打登場。目の前で重にびっしりとご飯の上に蒲焼が並べられる。大きすぎて収まるか心配に。肝吸と香物を従え、フタをした状態でカウンター越しに手渡し。手渡しも鰻では初めて。
フタを開ける期待とすでにフタ前を見ているのに遥かに超えてくる至福。肝吸で心を静めようとするも、肝も巨大。しかも私は男性なのか2ヶ。鎮まるどころかテンション爆上がりに。
尾の部分からテイスティング。甘すぎないが濃厚なタレ。完全に私好み。たっぷりのご飯と一緒に食べ進める…。思考が止まる。岩戸が開く。神々が舞う。
酒の肴としてチビチビやりたいが、箸が止まらない。巨大うなぎとのベリーダンス。気づけば米粒もすべて滅失していた。同行女子2人にはさすがに量が多すぎたようだ。
絶対に再訪を誓う。冬が旬であることを体感するも、夏にも味わいたい。今度はいつ来ようか。早速次回に思いを馳せつつ、ブラブラ10分ほど歩いて宇都宮駅へ。
時間は21時過ぎ。まだ早い。宇都宮で呑み歩いているMキ嬢にオススメを任せたら、向かった先は駅に近い焼鳥屋。こんな場所にあったのか。店内はほぼ満席。Mキ嬢が直前に電話予約してくれたので小上がりを確保できた。
私はホッピー。「温かいポテサラ」が気になったので注文。串焼に関し、Mキ嬢からかなり大きいからセーブすべきと忠告が。ハツとレバーを1本づつタレで。お通しが何ともつ煮。この気合に名店であることを確信する。
もつ煮を肴にホッピー3杯。ポテサラ、濃厚で旨い。おでんの玉子と出汁で使っているそうだ。Mキ嬢は常連らしく、独りでカウンターで呑むこともあるらしい。Mキ嬢は超美人なので、店の人も客も落ち着かないだろう。
ハツとレバーが降臨。確かにデカい。串を外してツマミに。ほのかにレアで味付けも絶品。
この夜は1軒目の鰻屋でハツ(心臓)と肝吸(レバー)を。2軒目の焼鳥屋でもハツとレバー。これ以上スタミナをつけてもヤリ場がない。
私の宿は小山。ご両人は鹿沼へ。電車の終電が両方ともほぼ同じ時間。宇都宮駅西口デッキに屹立する「ギョーザヴィーナス」と肩を組んでツーショット。テンション上がっている。
30分弱で小山へ。定宿のユニットバスに浸かる。暖房を入れているが、必要ないほど体が温まっている。うなぎの心臓のパワーか。
全身に精力は漲っているが、私の冴えないムスコはぐったりと眠りについたまま。鰻のパワー、残念ながらムスコには行き届かなかったようである。
びっしりと。
みっちりと。
ふんわりと。
ふらふらと。
こってりと。
がっつりと。
むっちりと。
つーしょっと。