Qインテッサホテル札幌すすきの。アフターコロナになってからの札幌の定宿である。便利、キレイ、設備充実、そして安い。
ある晩秋の日。正午前に栃木県下野市を発ち、19時半頃札幌すすきの着。飛行機出発が1時間遅れた。移動中、ひったすらPC猿打。解放感と達成感を遥かに凌駕する疲労感に襲われた。
バス停から少し歩いてホテルへ向かう。ホテル真隣が焼肉屋。それは知っていたが、札幌の夜は「七厘の塩ホルモン」一択ゆえ気に留めたこともなかった。ただし、この夜、七厘まで歩くことに億劫さを感じていた。しかも、私一人である。
焼肉屋の前を通りすぎホテル入口に入ろうとした瞬間「塩ホルモン」なる5文字が視界に飛び込んできた。オヤオヤ。七厘以外にも存在していることは知っていたが、塩ホルを全力で打ち出す店はあまり見かけない。
4種類ほどのコースメニューで、塩ホルモン可能コースは最安値の4000円。七厘の塩ホルモンが1人前400円ちょっとゆえ、約9人前分。牛カルビも食べ放題に含まれているようだ。
七厘以外の塩ホルモン。興味が湧いてきた。2カ月前は数年ぶりに七厘会を決行。1か月前は独りで七厘。この夜も独り。ただ、この店が独り客でも対応して頂けるかだけが不安だった。
ドアを開けてみた。店長らしき方が歩み寄ってきた。独りでも構わないかと尋ねたら、満面の笑みでカウンターへ案内して下さった。120分4000円の最安値コースを頼む。
塩ホルモン、牛カルビ、牛焼きすきを1人前づつ注文。キムチも追加。飲み物は…。呑み放題も4000円に含まれていた。思わず声が漏れた。めちゃくちゃ安くないか。
ビール、ハイボール、サワー、カクテル、ワイン…。ハイボールを注文。心を落ち着ける。
炭火七厘が運ばれてきた。かなり大きい。そして、3種類の肉。まずは塩ホルモンをざっと焼く…。旨い。七厘よりも野性的だが、旨さに変わりなし。カルビは塩で味わう。牛焼きすきは生卵が出てきた。すき焼きのように味わう。これも白眉だった。
2回目からの注文はスマホでQRコード読み取り。私でも対応できる。2杯目は「なまらコーン茶ハイボール」。全く意味不明だったが、コーンの味がした。
3杯目からハマってしまったのが「薄野珈琲ハイボール」。珈琲焼酎のソーダ割だろう。濃い目、薄めを選べる。濃い目を選択しつづけ、気づけば6杯飲んでいた。最初の2杯を足せば8杯。これだけで4000円以上の価値がある。
まだまだ食べられる。塩ホルモン追加。メニューを再度見る。味噌ホルモンに惹かれたが、味の想像は付く。トントロ、鶏もも、豚軟骨、ひな皮…。他の店でも、本州でも食べられる気がした。ひたすら塩ホル一択で、ちびちび焼きながら呑み放題を満喫しよう。〔次夜後編〕
聳えたつ新定宿の真隣。
独り食べ呑み放題。
薄野珈琲ハイボール。