スペシャル3点セット。小倉駅1階「三十歩横丁」で無類の強さを見せつける<ShinShin>の平日17時以降限定の「お得だ値(税込)1450円」なセットである。この店限定っぽい。
神戸人の私は毎週のように北九州に通うようになり十数年になるが、濃厚極まりないド豚骨よりも博多長浜系のあっさり浸透圧が好ましい。一方、獣臭キツめな久留米系も愛している。
ある平日の閉店間際(23時)の平日の夜。門司駅前でたっぷりと呑み喰いしたが汁物を欲してしまった。三十歩横丁入ってすぐの<ShinShin>もたっぷり混みあっているが、カウンターが1席空いていた。ついフラフラと着座。ネギラーメンでシメるか。替玉はやめておこう。
メニューを見るつもりはなかったのだが、つい視界に。そこに冒頭のスペシャル3点セットが。3点は、ラーメンとサイドとドリンク。それぞれに選択肢がある。
ラーメンは4種類。ノーマル、ネギ、高菜、煮玉子。チャーシューメンがあれば迷わずなのだが、ここは初志貫徹で「ネギらーめん」に。硬さはバリカタに。
サイドは2種。餃子5ヶか半やきめし。この店はやきめしも旨いので「半やきめし」。
ドリンクはビールやハイボールなどアルコール全種かソフトドリンク全種から1杯。かなり呑んでいたが「ハイボール」。冷たさを保持するタンブラーが力強い。
待っている間、疑念が浮かんだ。私の選択した3点は正解だったのか。
食べたいモノ、吞みたいモノを頼むのが正解だが、私のような姑息な輩にとり正解は違う。1450円という基準から、どの組合せが最も上方に跳ねているか。いわゆる「最適解」である。
ちなみに私の選択はねぎラーメン「870円」、半やきめし「370円」、ハイボール「450円」。合わせて1690円。240円もお得である。これが本当に最適解か検証が必要である。
4種のラーメンで最安値はノーマル(760円)、最高値は「煮玉子入り」で「890円」。
餃子は8ヶで560円。セットは5ヶなので比較計算すると350円。
ドリンクの最高値は「酔鯨特別純米日本酒(300ml)」で1080円。もう一度読み直した。「アルコール全種」対象だから1080円も対象だろう。にわかに信じがたいので、どこかに対象外の文言があるかもしれぬ。ちなみに瓶ビールは600円だ。
最適解は煮玉子入りラーメン(890円)+半やきめし(370円)+酔鯨特別純米日本酒(300ml)(1080円)で2340円。うぉッ、890円もお得なのか。
ちなみに「最悪解」も調べてみた。ノーマルなラーメン(760円)+餃子5ヶ(350円)+ソフトドリンク全種(320円)で1430円。基準が1450円。20円損しているのでは…。
驚愕の事実に唖然となるが、こんなことを気にしていては楽しくない。美味しくない。私の欲求に従った選択が最適解であると自身で折り合いをつけようともがいていると、3点セットが一気に運ばれてきた。
最適解はどれか?
この組合せが最適解?
門司駅前の名店。これが毎日変わる日替わりメニュー。この中から最適解を探すのは至福のヨロコビ。