2024年04月30日

第3407夜:北Qカレー百景2023残暑【北九州(福岡)】(前編)

39皿目:若松商店街】「若松わいわい大縁日(煙)」さつま赤鶏カレー

 若松わいわい大縁日。4年ぶりに開催された商店街イベントに数店舗が屋台出店。どこも旨そうだが、スタッフでもあった私の夜メシはウェル本町に新規出店し、私も数回足を運んだ炭火炉端焼<煙>の「さつま赤鶏カレー」である。

 キッチンカーで焼鳥とカレーを販売している。よくこの狭い車内で2人が調理できるものだと感心する。キッチンカーに無限の可能性を感じさせる。

 値段は1000円。普通のカレーが800円。メニュー写真を見ると、ぶつ切りにカットされた鶏肉が4ヶ程入っているようだ。これが、200円の差が。屋台のカレーが1000円は高いのか安いのかよく分からない。海の家や野球場ならいくらなのか。

 ブツを受け取る…。エッ?こんな多いの?ずっしりと重い。厚みも半端なし。赤鶏も4ヶどころじゃない。びっしり入っている。2人前はありそうだ。

 本部席に戻り、食べ始める…。うぉぉ、旨い。鶏肉の歯ごたえと風味もさることながら、カレーそのものがとにかく旨い。この店でカレーを喰ったことがない。もし昼も営業していてカレーが定番化されているなら、間違いなく通ってしまう。

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40皿目:VIEERA小倉】「フジヤマ55」カレー二郎ラーメン(小ライス・生卵・麺大盛)

 日替わり二郎。ジロリアンにとって見逃すことのできぬ異才を放つメニューが小倉駅構内VIEERA最強の人気店<フジヤマ55>にある。

 ある遅い昼。昼メシにとVIEERAに向かうと、フジヤマの店頭に「日替わり二郎ラーメン」と書かれたPOPが視界に。ランチ限定メニュー(11:00〜15:00)で、小ライスと生卵が付き、麺大盛サービスとある。値段はすべて1,000円。細麺にも変更できるが、二郎はやはり太麺だ。

 月から順に「味噌二郎」「旨辛二郎」「トマト二郎」「焼きチーズ二郎」…。あまり惹かれなかった。その4日前、札幌で「味噌二郎」も体験済。私が訪れたのは金曜。「カレー二郎」だった。

 カレー二郎、凄まじい惹きである。この日が金曜で良かった。それほど空腹感もなかったのだが、気づけば券売機ボタンを押していた。麺大盛と発していた。ニンニクもマシマシに。

 程なくしてブツ降臨…。ふと違和感があった。二郎の特徴の一つに、巨大で分厚い焼豚の存在がある。ところがこのカレー二郎には焼豚がなく、野菜のみ。背脂らしき物体が浮いている程度。

 目の前には通常の「小倉二郎」のポスターが。大きな焼豚が2枚鎮座。値段は900円。

 少し首を傾げつつ、胡椒をパラリし、まずはスープ…。カレー味と二郎が高度に抱擁。思った以上にあっさりでするする啜ることができる。野菜はあまり味がしないので、天地(麺と野菜)をひっくり返す。後は一気呵成。黒のポロシャツを着ていたのでハネを気にする必要もなし。

 旨かった。しかし、焼豚無き二郎は切ない雨が降っていた。〔次夜後編〕

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2024年04月29日

第3406夜:ピザの食べ方【若松(北九州)】

 ピザの食べ方。私は齢50近くになるまで、三角形の頂点から齧りついていた。人類共通の作法と思い込んでいた。他の食べ方があるなど1gも考えたことはなかった。

 2023年度第2回若松貸店舗ツアー、予定通り16時終了。私は泊まらず神戸に戻る。小倉から終電の新幹線に乗る。若松を出る終バスに乗れれば良い(20時半前)。

 16時という時間帯、若松の呑み屋は私が知る限り開いていない。若松の呑み屋を知り尽くしているU島氏でも開いている店は思いつかないという。ということは、どこも開いていない。

 事務所の隣は<CAFÉ LUPO>。昼休憩の時間帯だが、無理やり押し入った。休憩中の女性スタッフに詫びながら、私はハートランドの小瓶を2本ラッパ呑み。それからハイボール数杯。

 U島氏はドリンクだけでなく、ツマミも頼んだ。タコライスのライス抜き。カレーライスのライス抜きで呑むことが大好きな私には「わかってらっしゃる」注文である。

 タバスコを振りかけてツマむ。タコライスが大好物でなく、沖縄に行っても一度も食べたことないが、夜のツマミならかなりの完成度。沖縄の昼、私は9割が沖縄そば(ソーキそば)、1割が格安ステーキだから。

 ドン引きするほど雨が降り出した。アーケードをぶっ叩く音が聞こえる。とてもアーケード街から外に出られない。

 ダラダラ2時間ほど呑んでいると、豪雨が通り過ぎた。本格的に飲み食いすべく、4人で向かったのはエスト本町入口横のイタリア料理店。普段、イタリア料理もタコライス同様に視界に入らないので店の存在すら気づいてなかった。

 店内ほぼ満席だが、4人掛けを何とか確保。メニューを観て度肝抜かれた。豊富さもさることながら、凄まじく安い。Sイゼリアかと思うほどに。

 マグナム白ワイン(1500ml)を注文。サイゼでしか見たことなきサイズ感。オリーブ、私は好き。アヒージョも胡椒が効いてバケットの旨さが増す。パスタはペンネみたいだったが、ツマミには好適。

 チーズたっぷりのピザ降臨。ピザ釜がカウンターの横にある。惚れ惚れする演出である。何とかというピザにⅯ岡嬢が蜂蜜を掛けた。私も一切れ頂く。三角形の下の角2か所を手に、かぶりついた。瞬間、嬢からツッコミが入った。

 ピザには食べ方があるらしい。私の食べ方だと、最後に具のないヘタが残る。正しい食べ方は、ピザを三角の頂点からくるりと二等辺に向かって巻いてかぶりつくという。これならヘタが残らず均一になるらしい。

 試してみた。確かに均一の味が楽しめる。しかし、グラデーションを楽しむことはできない。具だくさんの箇所と、せつない箇所。それぞれに味わいがある。

 隣のU島氏は私が50年近く培ってきたオーソドックススタイル。ただし、余ったヘタを彼はアヒージョのオイルに浸した。旨そうでないか。

 ピザの包み焼が降臨。ただのピザにしか見えない。それも、異様なまでにヘタというか、端っこばかり。クルリとするまでもない。

 端っこにかぶりついた…。生地の中に具が練り込まれていた。目を剥いた。旨すぎる。これなら、手を汚すことなく、くるりすることなく最後までピザが均一に味わえる。ただし、こんな包み焼、この店以外のどこでお目にできるか1oも分からないけれど。

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雨宿り。

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タコライスのライス抜き。

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雨上がり。

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生ハム好き。

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オリーブも好き。

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大好き。

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蜂蜜をぶっかけ。

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パスタ?

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驚愕。

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2024年04月23日

第3405夜:駅ナカ古本市【小倉(北九州)】

 「小倉駅ナカ本の市」。JR小倉駅3階広域スペースで定期的に実施されている古本市である(たぶん)。2023年9月中旬時点で11回目を数えるという。

 私はハタチを超えたあたりから重度の活字中毒である。ただし五十の大台を控え老眼の進行著しく、かなりペースは落ち気味。20〜30代は1日1冊ペースで読んでいた気がする。

 ジャンルは極めて偏っている。49歳現在、文庫なら95%以上はミステリ。コミックはグルメ系か考古学ミステリ系が中心。たいていは作家買いで、ある作家が出版する文庫(単行本じゃありません)はすべて購入の場合と、ある作家の特定のシリーズだけ購入する場合がある。

 我が本棚を見渡せば、前者は田中啓文先生、東川篤哉先生、夢枕獏先生、三津田信三先生、船戸与一先生、島田荘司先生、東直己先生、京極夏彦先生、藤木稟先生…

 後者は今野敏先生(隠蔽捜査シリーズ)、大沢在昌先生(新宿鮫シリーズ)、北方謙三先生(大水滸伝シリーズ)…。洋ミスながらライムシリーズとフロストシリーズは白眉だ。

 49歳現在、ベテラン漫画家の星野之宣先生に今頃ドハマリしている。宗像教授シリーズの新作が雑誌連載されるようになり、その新刊第1集(宗像教授 世界篇)を読んでいたら過去の傑作も読み始めた。初読時より遥かに面白い。

 『宗像教授伝奇考』『ヤマタイカ』…。これまで未読だった星野先生の作品を買い始めた。ただし、先生の御本はデラックス版で新刊は定価ならかなり高価。中古でも新刊と変わらない。

 私は考古学の香りがするミステリコミックが大好物。『イリヤッド』『ギャラリーフェイク』『マスターキートン』、そして星野先生の著作集。諸星大二郎先生の白昼夢のごとき読者に不安感を与えるタッチも独特である。

 気づけば我が家には文庫、コミックなど数千冊に。たまに売るなりアゲるなりして在庫を減らすが、増えるペースが上回っている。

 私は出張先で本を買う癖がある。たいていは文庫かコミックだ。夜中のホテルのベッドで読んだり、カキモノを終えた帰路の新幹線内で呑みながら読んだり。至福だが、たいていはすぐ寝落ちしてしまう。

 ある初秋の朝。小倉駅前の商業ビル7階(セントシティ)の巨大新刊書店でコミックを2冊捕獲。『文明開化めし(下)』『こづかい万歳(6)』。帰路の新幹線用である。

 小倉駅へ向かうと、前述の古本市が開催中。バス時間まで10分。少し覗く。

 骨董価値の高そうな古書や浮世絵の版画、昔のアイドル雑誌や映画のパンフなどかなり多様。私がガキの頃読んでいたコミック集が懐かしいが、目を剥くほど値上がりしている。

 散策していたらあっという間に時間が。バスに乗り遅れてしまう。会場を出ようとした私の視界に、デラックス版コミック4冊セットが。『ブルーワールド』(星野之宣)。読みたいなと思っていたコミックである。全4巻で1000円。これは安い。しかし、荷物が増える。

 この出会いは、一期一会。2秒迷った後、レジへ。荷物がずしりと重くなった。

 その夜。小倉駅新幹線改札内コンビニでアイスコーヒー用の氷入りカップを買い、アイスコーヒーを入れずバーボンのフルボトルをゴボゴボ注ぐ。駅前のMクドで購入したポテトフライLサイズとおしぼりを準備。新神戸までの2時間、至福の新幹線コミック晩酌である。その1時間ほど前に若松でピザやワインをたっぷり腹に入れていたのだけれど。

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小倉駅3階改札前。

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終電の新幹線。

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2024年04月22日

第3404夜:予想の斜め上【門司(北九州)】

 予想以上。門司駅前大里地区の居酒屋関係は、つねに出てくるブツの予想を軽く超えてくる。それも、期待値を上回る方向に。決して下振れしない。真上すぎて理外になることもない。角度キツめの先が見える、絶妙の斜め上。その角度上には至福、驚嘆、天国が広がっている。 

 ふじ、お福、太平楽、のぼせもん、町子、とと、もぐもぐ…。字ズラを並べるだけで垂涎の名店ぞろいだが、1枚のメニュー表にびっしりと古文書レベルで書き込まれた圧巻の人気居酒屋が<やまかど>。個人的には若松<TOMATO>と双璧。決して創作系ではない王道系である。

 夜風に幾分の涼しさが混じるようになった初秋の夜。黄金市場商店街関係の面々と<やまかど>へ。遅い時間だが大賑わい。門司の夜の帝王も合流し、7人で乾杯。

 「チーズクラッカー」。クラッカーが8枚ほど添えられているが、クリームチーズがその数倍の体積の塊。こんもり盛り上げてもチーズがあまる驚き。

 「エビカツガーリックパン」。大きなエビカツがどかんとバケットに乗っている。これも絶品。

 「やまかどピザ」。具沢山のボリューム。具が大きくて多い。

 上記はこの日の一例だが、毎日メニューが変わる。どれも常にはずれ無し。お通しはいつも3種盛で、気合がたっぷり込められている。これだけでも無限に呑める。

 私はこの店では生ビールの後に焼酎2合の炭酸割り。これがたっぷり。大とっくりに2合焼酎、アイスペール、そして炭酸。この炭酸がなんと1リットル。私しか吞まないのだが。

 とどめはお会計である。上記に外にも数種類頼み、皆さん好きなだけ呑んでいるが、お会計も顎が外れそうなほど安い。このお会計だけは斜め上でなく、遥か下である。

 <やまかど>は満腹になるので、それでも<太平楽(焼肉)>を挟むことあれど、この夜は<アンジェリーク>直行。1軒目で帰路に就いたO中氏の「竹鶴21年」「響」を勝手に飲み干す。

 アンジェのママも、毎月来るたびに斜め上の驚きを与えてくれる。それは、私の西郷バカボトルのコスプレ。毀滅隊、サンタ、ラテンなど様々なバージョンに着せ替え。この日は「東」前掛けに、花が咲いた毛糸の帽子。アホっぽさ全開のビジュアルである。

 この夜、カウンターにはバックネット嬢ことEミちゃんが。1杯目を乾杯の際、Eミちゃんのグラスだけ異彩を放っている。思いっきり男性器をかたどったグラス。そそり立ち、そこには二つの袋がある。注がれたビールの先っちょの泡が卑猥極まりない。

 カンパ〜イ!Eミちゃんは先っちょを口に近づけた。我らオヤジたちは様々に呑み方をリクエスト。Eミちゃん、頑張って応えようとするも、かなり形状が呑みにくそう。「下手じゃない?」と声が飛ぶ。

 Eミちゃんのテクニック、本人の自己申告より予想の斜め下なのかもしれない。

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お宝が眠る。

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無双のお通し3種盛。

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クリームチーズたっぷり。

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絶品ピザ。

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なかなか減らない。

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バカボトルと高級ボトルが林立。

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2024年04月21日

第3403夜:酔っ払いのレジスタンス【黒崎(北九州)】

 AI。四半世紀前はSF2文字だが、令和も5年目の現在、日常どころか人類を脅かさんばかりの勢いに。1984年放映『ターミネーター』の世界が40年の時を経て現実化しつつある。

 そんなAIとかなり遠い距離にあるのが、商店街。特に地方都市や店主の高齢化著しいエリアでは、ある意味でAIの知能でも、別の意味で対抗できぬかもしれない。ハッキングしたくでもできないからだ。メールでなくFAX、レジでなくバケツな光景など全く珍しくない。

 99日、北九州黒崎の熊手銀天街にて第1回貸店舗ツアー開催。その5日後、商店街関係者や商工会議所、大学准教授らが令和5年夏に開設された新施設<熊手コミュニティプラス>に集結。ツアー参加者のアンケート結果や課題、改善点などを話し合った。

 その過程で、熊手空き店舗ゼロプロジェクトが開始した20224月頃から本事業に多大すぎるご協力を賜っているQ州国際大学F野准教授から報告が。准教授は本ミッションにおける実行段階のWEB関係の広告出稿を統括されている。

 准教授は16ページに及ぶパワーポイント画面を映写。タイトルは「Web広告のまとめ」。シンプル極まりないタイトルと異なり、その中身は私のようなアナログオヤジには衝撃だった。

 数年前から、私はSNSにおける「有料広告」の有用性を説いてきた。検索ツールであるGoogle広告とMETA広告(特にインスタ)を組み合わせることの破壊力を。しかし私はGoogleを通常の検索ツールとして用いていない。Instagramはようやくアカウントを取得したが使い方が分からず放置したまま。組合せの破壊力は、門司中央市場A吉理事長からの受け売りだ。

 准教授はGoogleMETA(インスタ)の2部構成で分析結果を披露した。

 まずはGoogle。期間内のクリック数、表示回数から平均クリック単価を算出できる。広告が表示された性別や年齢層、曜日や時間帯ごとの掲載結果もすべて詳細に分かる。パソコン、タブレット、スマホのデバイス別広告パフォーマンスや検索語句ごとの表示やクリック回数までも。

 次はMETA。前提条件として熊手銀天街インスタフォロワーたちのプロフィールをAIが分析し、適切 (だと思う)な人らに表示するように設定。自営業のフォロワーが多いらしく、その設定で広告を開始。「AIが分析」という文言に圧倒される。これは本当に商店街の集まりなのか。

 リーチ数、クリック総数、ウェブサイトへのアクセス数、投稿表示回数、男女比率や広告が表示された年齢層、その居住地までも知ることができた。

 経費は従来の大量印刷、折込料金、ポスティング料金と比較しても圧倒的な高コスパ。アナログが完全にデジタルに駆逐されている。

 AIがもたらした結果を基に、第2回貸店舗ツアーに向けた広告戦略を練ることができた。改めて、本当に商店街の会合か?准教授曰く、これらの分析結果をまとめるのに2時間程度という。アナログオヤジ()のアゴが外れそうになった。

 ミッション終了、4人ほどで懇親会へ。タッチパネルでもなく、直接口頭オーダーする昭和平成スタイル恋しくなった。向かった先は<とりっち>。満員だったが何とか4人分席を確保。

 2軒目は<肴や>。小上がりは満席。カウンターには浜省ファンの<ミッキー>のマスターが。

 AIに浸食されきっていないこの2店舗、相当に賑わっていた。酔っぱらうことが(たぶん)できないAIでなく、酔っぱらえる人類のささやかなレジスタンスである…。

 うん?ふと思い出した。<とりっち>、オーダーは口頭だが、注文を聞いたスタッフはスマホを使用していたことを。

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とりっち

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肴や

posted by machi at 10:24| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする