2024年02月29日

第3368夜:味の龍王戦【多治見(岐阜)】

 竜王戦。将棋の八大タイトルの一角である。将棋は駒の動かし方だけはかろうじてしているが、二手先すら読めず、対戦相手をこれまで一度も「詰めた」ことがない私だが、将棋マンガや将棋小説(ミステリ)はたまに読む。

 朝からWi−Fiビンビンな多治見駅前の定宿に籠りオンライン会議。岐阜に居ながら栃木(下野)とオンラインできる人類の進化っぷりに改めて驚愕と戦慄したら、腹が減ってきた。

 時間は正午前。たじみDMOのO口社長&M井側用人が定宿まで迎えに来てくれ、昼飯へ。向かった先は<味の龍王>。サッポロラーメン店である。

 私の多治見の昼飯は「鰻」と決めている。これまで10回は堪能しているはず。鰻でない場合は、入り時間が遅い時や昼のラストオーダーが終わってしまった時。

 12泊13日目の最終12泊目の昼。私から<龍王>をリクエスト。両氏から昨晩、この店の「冷やし中華」の画像を見せられたから。画像、圧倒的な原色。芳醇な熱帯が写っていた。

 店内はL字カウンターのみ。時間は11時半で満席。少しだけ待って店内へ。メニューはO口氏と同じ夏季限定の「ピリ辛冷やし中華」の大盛(2玉)。ちなみに特盛は3玉とある。

 トッピング欄に「チャーシュー(国産・自家製)」が。冷やし中華にトッピングできるか店員さんに聞いてみたら笑顔で快諾。

 4,5名で切盛されているが、すべて女性。年齢層も50歳は幅がありそうだ。最若手も最高齢(目視です)も見事な役割分担でキビキビ動かれている。外観と屋号で、ややこしそうな頑固おやじの店と思い込んでいた。このギャップがタマラナイ。

 ブツが眼前に。圧倒的な熱帯である。芳醇な原色の花々の生命が躍動している。

 チャーシューの分厚く熟れた花弁が満開。たっぷりのレタスの緑、大きくカットされたトマトの赤、錦糸卵とコーンの黄、刻み海苔の黒、そしてピリ辛味噌の朱。

 麺が全く見えない。辛子だけでなくマヨネーズがたっぷりと淵にこんもり。さらに「良かったらどうぞ」と巨大マヨのチューブがカウンターに置かれた。

 まずは茶褐色の花弁から…。湿り気を帯びた歓喜の吐息が口から洩れた。濃いのに上品。脂のノリも乱れ気味なのにどこか清楚。チャーシューメンが食べたくなった。

 一通り野菜を味わう。サラダを食べている感覚。ようやく麺を見えてきたところで、辛みそやマヨも一気にぐちゃぐちゃ。啜り込む。…。エロさが増した。情熱と羞恥、官能と放天、背徳と甘美。ジャンクなのに芯が通っている。

 2玉、凄まじい。啜っても減らない。途中、O口氏に勧められ酢で味変。舌がキュっと引き締まり、リフレッシュな味わいに。

 気合で啜り切った。カウンター越しの厨房はすべて女性。コチラ(カウンター)側はすべて中年男性。

 カウンターという盤を挟んだ、オンナとオトコの竜王戦ならぬ龍王戦。圧倒的な旨さと迫力の前に、私はなすすべもなく投了。

 1年後か数年後か、もし再び挑戦権が与えられるなら、味噌ラーメン大盛にチャーシューとコーンをトッピングという戦法でいく。いや、大盛でなく、特盛か。

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大人気店。

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芳醇の熱帯。

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2024年02月28日

第3367夜:新参者を受け入れる土壌【佐野(栃木)】

 創業事例集。私は佐野市内で創業された実業家たちへのインタビューを担当することに。事例集作成に向けた記念すべきトップバッターは、潟宴{ックス代表取締役・U田氏。アヅマ渾身の一人称文章起こし、ぜひご一読いただきたい(以下抜粋版)。

 20歳の頃、前職の社長と出会う機会があり、その場で佐野市内のコンクリート設計管理会社に採用が決まりました。コンクリートプラントの品質管理を担当していました。

 コンクリートも人間と同じで時が経ち環境によって病気になる(剥離・ひび割れなど)。コンクリ―トの状態を診断し、処方(提案)します。

 コンクリートや工場に関わる仕事は想定していませんでした。ただ、昔から独立志向はありました。全く別業種業態への転籍も考えたこともありました。昔の工場は今と異なり「見て覚えろ」の世界でした。資格の取得に力を入れながら業界紙などに目を通すと、こういう商売(コンクリート診断)の需要度が高くなっていることが分かりました。施工元の会社が実施する試験でなく、第三者機関が診断して客観評価が求められていることも。

 コンクリート診断士設計士はは栃木県内でも数人しかいません。全国で2千人程度でしょう。前会社とは円満に独立し、今でも毎週のように連絡を取り合っています。独立直後は前職の会社内に間借りしていました()

 佐野は高速のインターもあり、都内など関東近郊へのアクセスが良い。事業を営む上で佐野の魅力はアクセスの良さに加え、市役所の職員がいい人ばかり()。新参者でも仲間に入れてくれる土壌はあると思います。佐野で創業して良かったと思います。

 独立を考え始めて2年間はベース固めを行いました。建築関係の集まりに顔を出したり、会議所の創業塾を受講したり。様々な事業シュミレーションを組んでみました。しかし、あまりにもシュミレーションしすぎて分かりにくくなってしまった()

 いざ創業すると最初に思い描いたことと異なることばかりだから、何が起きてもいいようにシュミレーションしておくことですね。

 最初の2年間は大変でした。思いのほか、仕事が無い。前職時代の会社の前職の肩書が無くなると付き合いが変わることを実感しました。下請けの業者さんに断られることも多かった。会社の知名度も無く、代金を払ってもらえるのかどうか不安だったのでしょう。

 建築関係や土木事務所を110件は飛び込み営業しました。パンフレット中心に営業先に配り、置いて帰ることも。とにかく営業だけはしておかねばならない。

 私はとにかく外に出て、人に会い話すことが好きなので苦になりません。前職の知り合いにメールしたり、終わった現場に挨拶に行くなど、縁を繋げていきました。

 3年目から軌道に乗り出すと一人で回らなくなってきました。人材は定期でなくいつでも採用しています。1人前になるには1年間は掛かります。資格取得はもっと掛かる。人員が不足していることによる機会ロスも多く、先手を打って採用するようにしています。

 創業して5年、現在は約10名の従業員がいます。「社長、営業しすぎ」と社員から言われることも()。人材の育成と確保が何より重要で、課題でもある世界(業種業態)です。

 検査や試験には手動作業ではどうしてもエラーが多くなります。極力試験に手を加えないようにしていますが、人材を確保しないという意味ではありません。試験の精度向上には無人化ですが、人材の確保は不可欠です。

 お客様が喜んでくれたり、急な困りごとへの対応に感謝された時など、創業して嬉しく感じることですね。周りからは「大丈夫だろう」「自由だね」と言われることもありますが、常にプレッシャーはあります。今でも月に1度は会社がつぶれる夢を見てしまいます。

 外に出ること、営業活動が好きで、人と話すことも好きです。社交辞令のような場合でも、後日本当に会いに行きます。要は、仕事が好きなのでしょう。天職かもしれませんね。

 社名の「ラボックス」は、試験所を意味する「ラボ」と様々なやりたいことを一つの箱(ボックス)に、という意味を込めた造語です。

 前しか見ず、前向きに何でも考えて進んでいく。一方で、金(売上減少や資金繰り)が枯渇した時のことなども考えておく。とりあえず始めたら、やるしかないのですから。

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(付記)

このシリーズは佐野市役所ホームページに事例集として発信中。トップページから「創業者インタビュー」で検索し、ファイル形式を「PDF」に。よろしければご一読下さいませ。

posted by machi at 08:06| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月27日

第3366夜:会津田島駅「しんごろう入り南会津おふくろ弁当」【駅弁】

 しんごろう。南会津で実在していたとらしい人名であり、南会津の郷土料理の名称である。

 しんごろうという名の若者が母のためにご飯を半づきにして丸め、じゅうねん(荏胡麻)味噌を塗り焼いたものを食べさせたという。新米が出た時に振舞われるそうである。

 「しんごろう入り南会津おふくろ弁当」を会津田島駅構内で発見、捕獲した。

 会津田島駅は浅草からの東武特急終点(または始発)。私は春日部、栃木、鹿沼、日光あたりから会津若松へ移動(またはその逆)する際、田島で乗り変える。3分ほどしか時間ない時もあるが、だいたい15分ぐらいの乗換時間がある。

 田島駅で購入する「とうがらし味噌」は我が必需品。かなり辛いがニンニクも効いている。そもそもあまり自宅にいないので減らないのだが、田島で降りるとつい買ってしまう。

 田島駅の駅弁コーナーも見逃せない。私の知る限り、会津地方で最も駅弁が充実している。東武線すべての駅においても、私の知る限り東武日光駅と双璧。

 田島駅の「ソースカツ丼」と「南会津さとやま弁当」は実食済。煮込みカツ丼(普通のカツ丼)や稲荷寿司、巻寿司、500円代の弁当も数種類あった。

 12泊13日のムチャ旅11日目。会津若松から快速で会津田島駅へ。時間は10時半過ぎ。売店を除くと、ラインナップが充実していた。もう1時間遅ければ何もなかったかもしれない。

 初見の品発見。冒頭の「しんごろう入 南会津おふくろ弁当」である。調整元は「かどや」様。1200円。ずしりと重い。切らしていた煙草も1箱購入し、一服してから特急に乗り込む。

 ガラ空きの特急が動き出した。車内アナウンスが流れた。この特急、全座席満席という。

 観光シーズンや土日はよく満席に。この時期、私も前日に切符を買うようにしている。田島からはまだ空いているが、1時間後の鬼怒川温泉から思いっきり満席になるはず。私の隣は誰もいない。鬼怒川に着くまでに食べ終えねば。

 懸け紙を外す。裏側に料理の解説がびっしり。「しんごろう」の由来も。そして、南会津の郷土料理が隙間なくびっしり埋まっている。地元素材にこだわった手作り弁当と書かれている。

 「南会津産のアスパラ天麩羅」。4月から10月までらしい。サクサクとフレッシュで、先鋒として申し分なき働きである。「かまぼこ」も歯ごたえありシブい活躍。

 「厚焼き玉子」は使い込んだ銅製フライパンが美味しさの秘密らしい。確かに美味しい。じっくり数時間煮込んだ「自家製いなり寿司」は甘さも爽やか。ジューシーでボリュームある。

 味付けが見事だった「自家製塩糀のから揚げ」にかぶりついた後、冒頭の「しんごろう」。最初、肉の塊に見えた。かぶりつく。甘い。荏胡麻味噌が甘いのか。しかし、上品さがある。

 抜群だったのが「本ぜんまいと打ち豆の煮もの」。青豆を木槌で潰した冬越えのための保存食という。これ、酒、それもウィスキーのツマミに好適。パリッと香ばしく、甘さとコクが絶妙。これだけ別売りで買って帰りたいほど。

 「舘岩特産赤かぶ漬」で舌を引き締めた後、我が好物「にしんの山椒漬」。前夜、居酒屋で売り切れで食べられなかった。身欠きにしんを山椒の葉を入れたつけダレで漬け込んだ料理。会津田島祇園祭のおもてなし料理という。若松でなく田島発祥だったのか。

 これ、無限に日本酒が進む。土産物売り場で見かけない。これも買って帰りたい。

 最後は「地元おばあちゃんの梅干入り青しそおにぎり」。最高の〆である。満腹である。

 私はこれまで800種類ほど駅弁を楽しんできた。この駅弁、ベスト3位以内かも。日本酒があれば一升は開きそうである。数時間後にミッションを控える私は、無糖フルーツティーで流し込まざるおえなかったけど。

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充実の田島駅。

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我が駅弁千物語でベスト3位クラスの絶品。

posted by machi at 08:38| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月26日

第3365夜:半月の夕【会津若松(福島)】

 満月の夕(ゆうべ)。神戸が誇るパンクバンド「ガガガSP」様のヒット曲である。

 ガガガの皆さまには神戸新長田時代大変お世話になった。20年ほど前に発刊したが全く売れなかった我が拙著の帯に推薦文を寄せてくれたのが、ガガガのボーカル・コザックM田氏。我がバカ本に帯を書かせてすいませんでした。

 ここは本当に東北か。にわかに信じられぬ殺人光線の余熱がやまぬ会津若松・神明通り商店街の夜。商店街の皆さまは完全に酷暑のイベント疲れ。私もこの夜で12泊13日の10泊目。疲労も蓄積されている。

 順調極まりない神明通り商店街ミッション終了後、D平理事長がお疲れなのに私のメシ吞みに付き合って下さった。向かった先は理事長が統べる神明通りアーケード下の<十六夜>。テーブルが1席だけ空いていた。なかなかに繁盛している。私は初ダイブである。

 呑み助の心が分かってらっしゃるメニューに惚れる。生で乾杯。昼間にドボドボ失った水分が瞬殺で補給される。真水の数百倍以上の浸透力である。

 お通しは、小さな小鉢に揚げ出し豆腐のような物体…。目を剥いた。「かつ煮」だった。

会津地方で「カツ丼」とはソースカツ丼を指す。一般の卵とじかつ丼を「煮込みカツ丼」と区別する。その煮込みの「アタマ」だった。

 少量といえ、これほど意外性とパンチ力を兼ね備えたお通しは極めて稀。お通しの旨い居酒屋、味噌汁の旨い定食屋はハズレなしは天地創造からの理である。

 生の2杯目をお替りし、鰹刺身や蛍烏賊沖漬を堪能。大好物である会津の郷土料理「ニシン山椒漬」は残念ながら売切れていたが、満足度の高い逸品がつるべ打ち。竹輪の磯辺揚げもサクサクして初めての食感。家庭ではできないプロの技。

 驚愕のメニューがあった。唐揚である。理事長がメニュー見ながら「唐揚の半月」と注文していた。何のことか分からなかったが、量のことだった。半月は鶏の唐揚が4ヶ、三日月は2ヶ、満月なら6ヶ。

 2人で唐揚4ヶなど何の問題もない。問題は、数でなく大きさ。フライドチキンより遥かに1ヶが大きい。4ヶ分のサイズがありそうだ。

 レモンをきゅっと絞り、何もつけずそのままで…。ジューシーで柔らかい。生姜が効いている。軽く胃に消えた。圧倒的なプロの技である。これで税込660円は安すぎる。

 ハイボールの後は、地酒(末廣)の冷酒150mlをクイクイ。理事長の豪快過ぎる武勇伝や神明通りの、会津の、福島のための粉骨砕身ぶりをお聞きする。ほれぼれする。これぞ、漢である。とてもここには書けない話ばかりだけれど。

 理事長はチューハイを、私は地酒をひたすら。冷酒が3本目に差し掛かった頃、出汁巻玉子降臨。黄色が眩しすぎる。熱々出来立てを口に運ぶ。神戸人の私には嬉しすぎる甘さゼロの塩味。すかさず冷酒で追いかける。満月は十五夜だが、至福の十六夜である。

 大満足で店を出る。我が定宿は神明通り商店街に隣接している。居酒屋から歩いて3分も掛からない。空を見上げればアーケードで月は見えない。

 ホテルの入口で見上げようとしたら、猛烈な便意が襲ってきた。上など向いてしまえば下から漏れてしまう。括約筋を全集中させ、内股で自動ドアを開いた。

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愛してやまない定宿「中町フジグランドホテル」

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神明通り商店街。

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お通し(手前)最高。

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鰹刺身は鉄板。

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「半月」唐揚。

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安定の磯辺揚げ。

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頼まずにいられない。

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地酒がススム。

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部屋に戻って大浴場上がりに。

posted by machi at 07:40| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月25日

第3364夜:シン・町中華〜タンメン編〜【栃木(栃木)】

 タンメン。定義は分からぬが、ラーメンの上に野菜炒めを載せたものでなかろうか。そして、スープは淡麗あっさりな塩味が相場。チャーシューともあまりコラボしない。

 あるのか知らぬが、担々麺や横浜家系スープのタンメンなどあるのか。二郎系は野菜マシマシだが、あれは恐らく味のない茹で野菜がデフォルトである。

 台風6号が九州を直撃し、7号が牙をむいて北上中の酷暑厳しすぎる真夏の11時過ぎ。栃木市役所で朝ミッションを終え、そのまま徒歩5分程度の至宝<長栄軒>へ一直線。

 オープン直後だが、すでに2名のオヤジが店内に。2席しかないカウンターの1席を無事確保。あっという間に満席になり、外には行列が。

 12泊13日目の10日目の昼、私は注文を決めていた。「タンメン」である。

 焼肉、唐揚、寿司、ラーメン、うどん、(ざる)そば、カレー、うなぎ丼、(塩)焼そば、餃子、ステーキ、ピザ、サンドイッチ(玉子・ハム)、フランクフルト、春巻、煎餅、和菓子、焼飯…。野菜といえば、ポテトフライと肉じゃがぐらいか。生鮮野菜を珍しく体が欲していた。

 私は普段、タンメンを頼まない。町中華が生活圏になくあまり行かないからだが、そもそもタンメンは昭和のイメージ強く、食べようと思えばどこに行けば出会えるのか分かりにくい。

 十数年前、大阪市内でタンメン専門店がオープンしていた。しばらくして通りがかったら一瞬で滅失していた。

 私はラーメン屋ではほぼチャーシューメン一択。たまにネギを追加。塩よりも醤油、豚骨醤油、煮干を好むため、塩味のタンメンは選択肢にない。野菜喰うなら野菜炒め定食で充分。

 栃木が誇る街中華の至宝<長栄軒>には、当然のごとくタンメンがある。この店、1年間で6,7回通った。麺類では担々麺が人気。私も知人に勧められ初回に熊啜。タンメン以上に担々麺に縁遠いが、驚愕の旨さだった。

 タンメンを啜りたくなるのは、どちらかと言えば風邪気味など体調に不安を抱える時。この日、野菜不足を体が自覚していた。

 TVで台風ニュースを見ていると、ブツ降臨。これぞ、正しいタンメンのビジュアルである。人参の朱が生えている。キャベツ、ニラ、ブタコマも嬉しい。

 胡椒をパラリ、まずはスープ…。大地に抱きしめられた。龍が絡みついた。野菜の旨味と炒めた脂が塩味のスープに沁み込んでいいる。

 野菜をハフハフ食らいつく。絶妙の味付け。これだけでライスが喰えそう。毛細血管まで生鮮野菜の流入を喜んでいる。手足の末端まで栄養がいきわたる。

 麺もつるつると天晴。夕顔麺らしいが、すっかり私は虜。汗が噴き出す。箸が止まらない。スープ一滴残せない、残さない。これぞ、シン・タンメンである。

 大満足で店を出る。凄まじい殺人光線が降り注ぐも、基礎免疫がベホマズンした私には通用しない。ただのアヅマでなく、シン・アヅマ状態。

 野菜炒め定食とタンメンの違いは、ライスが麺であることか。私、これからはタンメンとも寄り添っていく。ニラレバ炒めとも。

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暖簾が出ているのに行列がないという奇跡。

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長期出張中のベホマズン。

posted by machi at 08:17| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする