半チャン。言わずと知れた「半チャーハン」の略である。
半チャーハン単品メニューはあるようであまりない。しかし、ある一定の条件下において、半チャーハンは町中華の代名詞になる。その条件とは、ラーメンとコンビを組むときである。
私はモノゴコロある前から肥満児であり、大食いである。まだ年齢が2桁も満たない時から、家(神戸新長田の丸は市場)から無数にあった徒歩1分程度の町中華で「ラーメン+半チャーハン」に親しんできた。
モノゴコロがつく年になり、声変わりするようになってから半チャーを卒業。つまりに、ラーメン+チャーハン。「半」では物足らなくなってきた。
大学生の頃はワンタンスープ+チャーハン、チャーハン大盛+スープ、レバニラ炒め定食、濃厚チャーシューメン大盛+ライスに親しんでいた気が。
オッサンになった昨今、単品勝負が多い。ラーメン系大盛、チャーハン大盛。ラーメン+チャーハンどころか、ラーメン+半チャーハンもめったに注文しない。
北九州小倉から始発(6時18分)の新幹線に乗り、東京駅、小山駅を経由して両毛線栃木駅に正午過ぎ着。ミッション開始まで1時間以上。
巴波川沿いをブラブラ歩く。お目当ては、蔵の街が誇る街中華の至宝<長栄軒>。12時半過ぎなのに奇跡的に行列なし。2席しかないカウンター確保成功。
この日は、すでに決めていた。「醤油ラーメン+半チャーハン」に。半チャーハンはミニカレーに置き換えることもできる。しかし、ここは半チャーだ。
これまでこの至宝で数回昼飯を喰ってきた。担担麺+半チャーハン、カツカレーライス、オムライス…。半チャーハンは「醤油ラーメン」限定のメニューゆえ、担担麺の時はお得なセットでなく敢えて割高で頂いた。今日は定番の半チャーセットと対峙である。
店内備え付けの下野新聞に目を通していると、セット降臨。ラーメン、スープなみなみ。チャーシューもたっぷりで心づよい。半チャー、普通盛の迫力である。
胡椒パラリし、まずはラーメンスープ…。あっさりだがキレが凄い。いくらでも呑める無限系。麺は柔らかめだがノド越しよく、栃木市独特の「夕顔麺」(意味は知りません)。チャーシューも食べごたえあり。ナルトに笑みが漏れる。
麺を啜り切った。残ったスープをオトモに、半チャーハンをワシワシ。最高の味加減。レンゲで呑むように喰う。スープで喉を時折湿らせつつ。これぞ、町中華の醍醐味である。
食後、まだ時間がある。この町中華から歩いてすぐの<HOULE>。オープンして1年満たないが人気caféである。オーナーは猿田彦珈琲直伝で、caféラートにおける日本有数の技能者。
10種類の手作りアイスから定番の「ザ・ミルク」選択。濃厚だけど、さっぱりした後味。ラーメン&半チャー後に相応しい。オーナーと少し談笑しながら、蔵の街を濃厚に満喫した。
朝6時過ぎの小倉駅新幹線ホーム。
蔵の街の至宝。
醤油ラーメン+半チャー。
蔵の街の新たな至宝。
どれにしようかな。
これにしました。