三種の神器。日本的には「八咫鏡」「草薙剣」「勾玉」。まちづくり的には(10年前は)「まちゼミ」「まちバル」「100円商店街」。では、米子の歓楽街・朝日町の老舗焼鳥店の三種の神器は?
5月下旬の夕刻。米子はドン引き級の大雨だった。後から知ったが、警報が発令されるかどうかだった。私が乗車した後の特急列車、運休だったそうな。早めに現地入りして正解だった。
ミッション終了後、商店街K益理事長、中央会M本所長と朝日町へ。私は記憶のある限り、初の朝日町である。理事長が暖簾を潜ったのは<鳥好>さんという焼鳥居酒屋。毎回理事長は1軒目を予約して下さる。どこもはずれ無しの超名店。毎回の楽しみである。
生で乾杯。理事長はメニューを見ることなく3品ほど頼んだ。談笑していると、まず降臨したのが「どて煮」。これまで食べたどのどて煮よりもあっさりだが、飽きのこない深い味。七味を多めに降る。無限に酒が呑める。
続いて、つみれ団子が。普通の鶏つくねかと思いきや「キス団子」。キスをすりつぶして団子にしたらしい。あっさりと上品。練蒲鉾とも違う食感と風味に目を細める。
そして、ママさんが「これで3種の神器です〜」と「いわしの天ぷら」。ポン酢でもタレでもない、上品な調味料で頂く。どれも素材の旨味を最大限活かしている。
私は熱燗が呑みたくなり、2合徳利を召還。境港の蔵元の地酒だそうな。談笑しつつ、飲み食い。焼鳥、串カツもたっぷり運ばれてきた。
最初の三種の神器でかなり心も腹も満たされてしまい、思った以上に指が伸びない。申し訳なく思うが、その分、呑む。
理事長が呼ばれたタクシーに便乗させて頂く。外はまだかなり強い雨だったので大助かり。米子での、3回目の夜。1軒目は毎回理事長のお気に入りの違う店だが、2軒目は森M所長が超常連の<しゃんうぇい>。この日は超満員。
家族で陣取っている席が2席開いていたので、そこに滑り込む。こんな相席は初めてだ。そのご家族連れもどうやらチャイニーズ。店内も多国籍な模様。満席だったが、気づけば所長と私の2人だけ。メガハイをやり、プレーンチューハイをやる。
店を出た。鳥取市在住のM本所長だが、私の研修の日はわざわざ米子にご宿泊下さる。ホテルは私と毎回別。別れ際、所長が「アヅマくん、トイレ全然いかないね〜」。
17時前に所長と合流してから24時過ぎのお開きまで、1度もトイレに行っていないことを思いだした。その瞬間、猛烈な尿意に襲われた。
もう我慢できぬ。氏と別れ、私は小走りにホテルへ向かった。小雨の中を、内股気味に。
朝日町へ。
第一の神器。
第二の神器。
第3の神器。
2軒目の流儀。