【2匹目:四代目喜川】(大宮)
平日の午後だが、南銀へ。目指すは半地下のようなハイボール酒場。呑むのではない。これまで何度も「昼」に南銀を歩いた。いつも気になるビジュアルがあった。ハイボール酒場の前に設置された「うなぎ」のノボリ旗とお品書き看板である。
この日は朝から何も食べておらず空腹を極めていた。普段、大宮で昼飯を食う際は95%以上の率でラーメン。後の5%を思い出せないから、ほぼ100%かもしれない。
大宮駅周辺のラーメン店、まだまだ未踏もあるだろうが、かなりバカブログに書き散らしてきた。駅周辺に未踏が減ってきた。ないこともないが、チェーン店ばかり残されてきた。
ハイボール酒場に行ってみた。まだ看板が出ていたが、ランチタイムは14時までとある。時計を見る13時57分だった。
飛び込む。支配人らしき方が出てきた。イケますかと聞いてみたら、コンマの間があり、どうぞ〜と席に通して下さった。
昼の部限定で「うな丼」があった。1680円。丼といえどかなり安い。梅2,680円、竹、松、そして特は5,280円。最安値のうな丼と特重の差は約3.14倍。無限の円周率である。
ランチタイム終了2分前に間に合った奇跡に感謝し昼限定の「うな丼」で。店内は私しかいない。どうせ同じ手間なら「特」を頼んでほしいところだろう、店としては。
最安値の丼を注文すると、支配人は「大盛にできますよ」。メニューにはどこにも大盛りなど書いていない。私の体型を観て案じて下さったのだろう。ちなみに、チェーン店以外で大盛を勧められるのは、私のような体系のデブあるあるである。
店内はシックなバーだが、どことなく和のテイストも。ちなみに、この時間帯は「うなぎの喜川」が店名。明治29年創業とある。まさか、このバーが明治29年からあるとは思えない。移転したのか、ヤドカリ(間借り)なのか、複雑な諸事情があるのか。
お茶だけでなく氷の入った冷たい水を持ってきて下さった。終了間際に恐縮である。
ブツ降臨。大きな鰻が半尾、小宇宙の中央に君臨している。香の物が2種、嬉しいことに肝は無いが吸物まで従えている。
山椒をパラリ。まずは鰻を少し箸で千切ってテイスティング…。ふわふわ柔らかい。タレの味はかなりあっさりめだが、さっぱりあっさり食べられる。私は西日本のパリパリも好きだが、東日本のふっくらした「蒸し」も愛している。
後は熱々のご飯と一緒に一気呵成。ご飯大盛、思ったよりも多い。鰻とのバランスを意識しつつ、香の物でライスを食べ進める。気づけば米粒ひとつ残っていなかった。
お会計の際、支配人が「お口に合いましたか?」。もちろん、合いました。
この店のシステムを聞いてみた。夜の部は20時までで、それからはバーになるそうな。鰻のために専門の職人を雇っているという。
お会計を済ませ、レシートを受けとる。1680円は税込みだった。大盛も無料だった。嬉しいが、それ以上に店名が3つも連記されていた。
・ハイボールバー南銀座1923
・大宮牡蠣Bar
・四代目喜川
牡蠣バーまで入っているのか。強烈なヤドカリシステムである。
南銀の半地下。
鰻屋とは思えぬ。
十分に満足。