★『おおやま』
もつ鍋。苦手ではないが、大好物でもない。ただし、醤油味のもつ鍋スープ出汁は大好物。一方で「もつ煮」は大好物。ただし、西日本でなく首都圏。西日本は「牛」なので脂がたっぷり。好きな人にはたまらないだろうが、私は首都圏の「豚もつ」が大好物である。
もつ鍋は福岡県の名物。毎週のように北九州など福岡県に通っていると、冬場中心だが年に1〜2回はもつ鍋を口にする。ただし、ミッション終了後の懇親会において。大勢で鍋をつついていると、コロナの夜明けも近いと感じることができる。独りでつついたことはない。
我が「三十歩横丁」昼メシ旅も残すところ1軒。もつ鍋の有名店「おおやま」。独り用定食もあるのは知っていたが、どうしてももつ鍋に触手が伸びず先延ばしに。
気温が20度を超える春爛漫な午後。意を決して向かう。これ以上暑くなればますます遠のく。しかしさらに躊躇させる事態が発生。右足親指付け根から痛風の調べが聴こえてきた。
もつ、いわゆる内臓肉は相当にプリン体高し。しかし「調べ」である。調べの時に養生することが大切なのだが、思わず飛び込んでしまう。店内ガラガラ、カウンターを独りで陣取る。
何種類かランチメニューがあり、最安値の「もつ鍋定食」。味噌味を勧められた。私は醤油しか多分喰ったことないので望むところ。そして、ライスかちゃんぽん麺の選択を迫られた。迷わず「ちゃんぽん麺」。もつ鍋の〆のちゃんぽん麺が私にとって最大の愉しみだからだ。
程なくして小鍋に入ったもつ鍋降臨。卓上には電熱器が仕込まれており、あっという間にグツグツ言い出した。しかし、私は悩んだ。明太子と高菜漬が添えられている。これ、どうやって食べるのか。高菜はともかく、明太子があればライスがどうしても欲しくなる。
店員さんにライスを追加注文。大盛無料な剛毅。明太子を乗せ、ワシワシ白飯をかきこむ。私は白飯の友で明太子が最も好き。ライスを半分食べ終えた頃、鍋が出来上がったようだ。
一味唐辛子を別途頂き、食していく。なかなかヘルシー。野菜が絶品スープに煮えて旨さ倍増。もつは当たり前だが脂たっぷりゆえ、私は煮込み時間を長くして脂を落とす。そして、一味をたっぷり。ビールが欲しくなるが、ミッションを控える身。ライスで追いかける。
具を食べ終えた。残ったスープにちゃんぽん麺投下。この時点でかなり満腹だったが、麺は別腹。汗をかきながら啜り込む。
全8店舗完走。ただ、商業施設の宿命として今後店舗は入れかわるだろう。正直申し上げて、死亡フラグならぬ退店フラグが立っている店もある。どんな人でもそのフラグを感じる第六感は有している。私はそれが人様よりシゴトがら強いだけだ。
さて、次はどんな冒険が待っているか。それよりも、もつ、明太子…。私の痛風の調べの音色が強く濃くなってきた。私の足に痛風フラグが完全に屹立し始めた。〔終〕