レーンを滑走する110円皿。ビジュアル通りもあれば、あまりにも違うブツも。こんなの注文したかなと確認したほど。秀逸だったのが、かにかま天ぷら。もう一皿追加。1皿110円からはセコい注文だが、1皿2カンでなく1カンも多数。清貧と剛毅が共存した注文といえる。
卓上には5種類の醤油やポンズ。別途甘タレ、塩、七味、故障も。これらを駆使しながら食べ進める。実に楽しい。
次は165円皿。紅鮭いくらつつみ、黒毛和牛握り、大切り炙りとろ穴子、・真鱈白子軍艦・あんきもかにみそ軍艦・えび西京炙り・まぐろレアステーキつつみ。
黒毛和牛、ビジュアルとかなり異なってたが上手すぎてもう一皿追加。まぐろレアステーキは今回の白眉。これは値打ち高い。いくらも良かった。
ふと気づいた。眼前のレーンに流れる寿しはすべて「注文品」とある。好きな皿を勝手に取り、流れてこないが食べたいネタは直接職人さんに伝える平成初期システムは完全に滅失。
握り手が見えない。ロボットなのか。シャリが皿にひっついてカオスなのも令和の味か。流れ去る注文品を見て頼みたいものもあれば、ショボすぎも。実物が鑑賞できるのも趣がある。
期間限定のサイドメニューに「広島産牡蠣クリームコロッケ」発見。揚げたてとある。わずか220円。蟹でなく、牡蠣。初めてだ。ブツ、とろとろの熱々。満足度高い。地酒にも合う。
右隣に座る若い女性、かなり慣れているようで注文もスムーズ。所作が美しい。
左隣に座る年配熟女、ずっと大きな声でスマホで話し、店員さんを都度呼びつけてタッチパネルの操作方法にいちゃもんをつけ、注文品がこないとしかりつけている。その都度丁寧に使い方や注文品システムを伝える店員さんが気の毒。SNS以前のテロ行為と言えよう。
〆もこの店で。うどんだけでも10種類ほど。蕎麦もある。10種以上あるスィーツにも惹かれる。アラフィフになり、スィーツ好きオヤジになった。しかし、期間限定で押し通したい。
「貝節塩ラーメン」が期間限定らしく、無くなり次第他のラーメンを提供とある。418円。本日の最高嶺である。勇気を振り絞ってタッチパネルをタップする。
ブツは店員さんが直接ご持参。ミニサイズだがちょうど良い。麺は北海道系かん水の効いた黄色縮れ。煮玉子、焼豚も。出汁も効いており熱々。一気に熊啜。回転寿司ならではの〆だ。
私は下品なヨゴレの俗物なので、注文品が届くたびにスマホで画像撮影。しかし、動画撮影はしない。外食テロ頻発の昨今、SNSに長けた若者グループよりもオッサン一人客や左隣のアナログクレーム熟女の方が、店にとっては安全な存在なのかもしれない。
ちなみに、タッチパネルは斜め上の棚に設置されていた。取り外して手元で操作できるようだが、私は手を伸ばして遠目から操作した。その方が良く見えるからである。近ければ近いほど、見づらい。特に液晶画面は。
寿司を喰いながらスマホでネットニュースを見ていると、トップラインに「パンストで女性2人生命危機 タイ」とあった。
パンストで生命危機?そんな殺人パンストが…。パンストを履いたこともなく、履く趣味も残念ながら持ち合わせていないのでよくわからぬ。ブリーフを履いて死ぬようなものか。
恐れおののきビビっていたら、良く見ると「パンスト」でなく「ハンスト」だった。思わず一人で苦笑いしてしまった。老眼も悪いことばかりじゃない。
味変アイテム充実。
少しリッチに。
財力を駆使。
期間限定ワードに弱い私。
牡蠣クリームコロッケ。
旨しでした。
見間違え。