2023年03月16日

第3131夜:45度の死角と刺客【会津若松(福島)】

 避難路沿道建築物。「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に寄る用語である。2022年11月中旬、恥ずかしながら初めて知った。

 会津若松市の中心・神明通り商店街ではこの時、空き店舗ゼロプロジェクト・シーズンUに向けた計画づくりの佳境を迎えていた。

 その検討過程において、避難路沿道建築物という用語が飛び出した。神明通りは「避難路」に指定されているらしい。その避難路の「沿道」の「建築物」で神明通りは構成されている。

 避難路における沿道建築物は、前面道路の中心線から45度の角度に建物が斜線上に掛かると、耐震補強の「努力義務」が課せられる。

 あくまでも「努力」義務で強制でないが、耐震診断の結果および物件所有者の今後の対応意向が思いっきりHPに公表されている。主に住居も兼ねた4階建てビルが引っ掛かっている。神明通りも空き店舗ゼロプロジェクト対応物件をはじめ複数が不適合建物として公表された。

 該当建物の所有者は耐震改修、減築、解体等の対応を迫られている。これらの処置を取らなくても法律で罰せられることはないと現時点で推測されるが、行政関係施設だけでなく全国展開する企業の当該物件への出店は期待できない公算が強い。

 郡山市では警察と消防が共同して該当建物の既存不適格建物であることを証明する張り紙を掲示している該当エリアもあるらしい。にわかに信じがたいが、結果的に解体を余儀なくされた物件も出ているという。

 住民の安全、不動産オーナーの利益。どの視点で正義を判断するかで真逆になるが、安全を旗頭にされると事業者は太刀打ちできぬ。

 所有物件が思いっきりHPに公表されてしまったD平理事長たちと新しくオープンしたらしい沖縄料理店へ。<かりゆし>という店名に、内地の沖縄料理店の香りが漂う。沖縄県内ではまず見かけない店舗名だからだ。

 オリオンは缶しかなく、生はサッポロ。オリオン生は沖縄で呑む方が旨いのでサッポロで充分。

 メニューは本格的。沖縄へは2年ほど足を運んでいない。豆腐よう、フーチャンプル、ソーミンチャンプル、もずく天麩羅を注文。2杯目からは琉球ハイボール(泡盛のソーダ割)に。

 島らっきょうは残念ながら品切れだった。ポーク玉子はぜひ今後メニューに付け加えてほしい大好物。味付けはかなりマイルドだが、十分に会津で沖縄を満喫できた。

 ちなみにマスターは沖縄が大好きでよく足を運んだ方、ママは山形人らしい。どちらもウチナンチューではないという。私の方はよっぽどウチナンチュー顔だ。

 呑んでいても、話題は避難路沿道建築物の耐震結果公表対応。ちなみに理事長の所有物件、強烈な鉄骨が基礎深くまで入り込んでおり、震度7でも絶対倒れないどころか、倒すことが不可能なほど頑強と構造計算屋は判断。しかし、耐震不適合建物として公表されている。

 耐震改修を実施したビルに関しても一部不適合が指摘されており、商店街組合員にも混乱が生じている状態だった。空き店舗ゼロプロジェクトに法律の壁が立ちはだかるとは。

 避難路に関係なく、いっそのこと日本中すべての建物を診断して公表してもらえないか。または、神明通りを避難路から除外してもらえないだろうか。

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posted by machi at 10:42| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする