小雪。女優さんの名前でなく、下野市役所にほど近い食堂である。
ある秋の朝。下野市役所で会議後、会津若松へ向かう。会津ミッションは夜ゆえ、時間は充分に余裕あり。どこまで昼メシを腹に入れよう。
下野市内でこれまで宿泊したこともなく、外食すらなかった。強いて言えば自治医大駅前のタリーズで珈琲を飲んだ程度か。
自治医大駅は病院がある東口と役所がある西口で全く雰囲気が異なる。駅と役所の間に食堂があった。冒頭の<小雪>。時間は11時半。周りにあまり飲食店がないゆえ、役所の職員が殺到するかもしれない。混む前に、ここで昼飯にしよう。
入口の黒板ボードに「今週のおすすめ」が書かれていた。「三種盛定食」。ハンバーグステーキ、コロッケ、カキフライで800円。写真もあり、ライス、味噌汁、漬物が添えられている。初めての店ではおススメに従う。我が鉄則を胸に店内へ。
カウンター着座。メニューも見ずに若くてキレイなお姉さん(娘さん?)に「三種盛」と伝えた。ライスの量を聞かれたでの「普通で」と返答。厨房から「は〜い」という声が帰ってきた。
メニューを観る。かなり豊富である。季節限定の定食をはじめ、定番と書かれた定食だけでも20種類。チャーハン、カツカレー、かつ重、オムライスにいかにも食堂の心意気を感じる。
中でもオススメっぽいメニューには写真が。豚焼肉の水菜盛り、豚のねぎ塩焼肉、豚スタミナ丼が気になる。
ブツ降臨。ライス、かなり多い。隣に座った常連風がライス半分と言っていた意味も理解できる。大盛なら、日本昔話盛りなのかもしれない。
まずは味噌汁…。豚汁だった。グッとランクが上がり、嬉しくなる。2手目はカキフライ。タルタルにたっぷり絡める…。熱々。エキスが口の中で暴れる。すかさずライス。旨い。
ハンバーグも絶品。ハンバーグを頬張り、ライスを頬張る。童心に帰る。コロッケにはソースをたっぷり。ソースたっぷりがライスに合う。
ライス、なかなか減らないがおかずが旨いのでグイグイ喰い進める。ノドを押し広げる感覚が心地よい。豚汁も飯のおかずになる。漬物が抜群のアクセント。
気づけば米粒1滴残っていなかった。これでたったの800円。しかも税込。下野市役所で打合せする楽しみができた。次回は何を頼もうか。
下野市への来街頻度は平均で月1回。最寄りの自治医大駅へは最大で令和7年2月まで通うことになる。全メニュー制覇を目標にしようか。いや、「今週のおすすめ」の無限ループにハマり、定番にたどり着けない可能性も高そうである。
貫禄の店構え。
見事な惹きの強さ。
惹きの強いメニュー多数。
今週のオススメ。