豚ステーキ専門店。小倉魚町サンロードにある1日100食限定店のショルダーネームである。屋号は<B>。「ぶた」のBだろうか。「豚肉一筋」というあるようでない4文字熟語も力強い。
前夜に頭から鶏冠が生えるほど鶏肉一筋に門司で喰いまくった翌昼。小倉馬借の定宿を出て昼飯放浪へ。旦過市場周辺か魚町交差点あたりでキメるつもりが、行列だったり休みだったり。
私の3大昼飯はラーメン、かつ丼、カツカレー。ただし最近、かつ丼の優先度が下がってきた。加齢によるものか。代わりに3強に食い込みそうな勢いが、定食。ライス、味噌汁、メイン料理、小鉢、漬物等が織りなすフォーメーションに深淵と成熟を感じ始めている。
魚町交差点を超えてしまった。このままでは小倉駅に着いてしまう。角度を変えた。餃子の王将の対面ある<豚ステーキ専門店 B>。その存在は知っていた。しかし、豚ステーキに惹かれることがなかったのでこれまで我が選択肢になかった。
外から覗くと、店内は半分の入り。すぐに座れそうだ。この日、どうしてもこれが食べたいという喰いモノがなかった。うむ、豚ステーキを試すか。
カウンターに座り、メニューを観る。「豚ステーキ定食」一択。シンプルである。清々しさすら感じる。豚肉の量(150〜300g)で値段が異なる。初めてなので勝手が分からず、150gに。
ちなみにこの日、豚肉20g増量キャンペーン中。20gの物量が良く分からない。
水を飲みながら店内POPに目をやる。豚肉、米、味噌は徹底的に福岡県産に拘っているようだ。豚肉に含まれるビタミンB1の効能も。仕事で疲れを感じている人に良い、という文言が嬉しい。疲れるほど仕事をしていないのだけど。
すぐに料理が運ばれてきた。メニュー一択なので、回転が良い。なるほどと唸らされる。
ステーキソースの5種類の薬味ダレ。鉄板はジュージュー。玉葱も入っている。後は生野菜サラダと香物。ライスはたっぷり。
まずは味噌汁…。旨い。味噌汁が旨ければその定食に、その店にハズレなし。
豚肉、まずは岩塩で…。シンプル。豚の旨味と甘さが舌に踊る。続いてステーキソース…。盤石である。これが基本の味とみた。
きざみ山椒、ハニーマスタード、辛味噌、ニラキムチを駆使して楽しむ。岩塩と山椒、ステーキスースとハミーマスタード。ソロとデュオを繰り返す。無限のバリエーションがある。
楽しくて、旨い。追加料金でお代わりしている男性、300gに挑んでいる男性も。女性の一人客も目立つ。気づけば満席に。
なかなかの満足感で店を出る。その日は神戸に帰る。新幹線車内でもPCをせねばならぬゆえ、新幹線晩酌を諦めて駅前で自宅で楽しむ肴をテイクアウト。何にしようか…。
<揚子江>が視界に。豚まんである。大サイズ2ヶを買い、そのまま小倉駅土産売場。そこでは<平和會舘>の豚まん2ヶ捕獲。この日、私は豚肉(ステーキ+豚まん)一筋に。
豚ステーキは6種類のソースや薬味で無限の組合せを楽しんだ。小倉というより九州北部(長崎含む)では、豚まんは酢醤油で味わう。
豚まんに関すれば私の食べ方は一択。私の答えに、豚まん+酢醤油はない。和辛子もない。とんかつ(お好み焼き)ソースに豆板醤(辛味噌)。40年以上、この組合せ一筋である。ブヒブヒ。
以前から気になっていたお店。
基本、一択。
20gキャンペーン。
無限のマトリックス。
肉汁たっぷり。