2022年11月13日

第3044夜:鰻丼と中華そばの抱擁【土岐(岐阜)】

 土岐市。多治見市に隣接する、多治見と同じく「やきものの町」らしい。ただし、土岐は生産拠点で多治見は販売拠点という。2022年10月にはイ●ンモールも開業するそうな。

 「土岐」という地名はN●K大河『麒麟がくる』を観ていたので、主人公(A智光秀氏)たちが仕えた守護大名に由来するのだろう。私は当然に足を運んだことはなかった。

 ある夏の夜。たじみDMOまちづくりチームと呑んでいた時に、鰻とラーメンを同時に食べられる店が土岐市内に存在するという超A級の情報を入手。聞き捨てならぬ。11時開店のお店で、多治見市内から車で20分強らしい。

 翌朝。エアコンの効いた多治見のシンボル<ヒラクビル>にて10時半までダラダラし、金沢T本氏&多治見O口氏の師弟コンビと早速向かう。土岐市の<明月>へ。

 ほぼ11時ジャストに到着。店の構えは高級そうな割烹。鰻押しであることが店頭やノボリからも伝わった。しかし、本当にラーメンなどあるのだろうか。

 暖簾が店頭に掛けられた。愛想のよい女将さんに通され、座敷へ。

 鰻メニューを観る。特上うな丼が税込3300円。安すぎる。4段階あり、最安値の梅が1790円。10年刻みに誠実を感じさせる。思わず笑みが漏れる。

 うなぎ以外もバラエティに富む。天麩羅、焼肉、エビフライ、とんかつ、味噌かつ、チキンカツの各定食軍団。天丼、味噌カツ丼、かつ丼、親子丼、玉子丼といったドンブリ一味。オムライスやチャーハンまであった。そして、中華そば。

 鰻以外はすべて値段が表記されていない。値段が分からない。鰻の安さを勘案すれば、高くはないだろう。外観は割烹だが、店内はアットホームでサービスの行き届いた老舗食堂の雰囲気だ。

 私たち3人は、うなぎ丼の特上を指名。そして、中華そば(ラーメン)も。

 鰻丼と肝吸、ラーメンとライスや焼飯なら定番の組合せ。しかし、鰻丼とラーメン。テイクアウトでなく、店で。それもファミレス系でなく割烹風鰻屋で組み合わせることは至難の業であり、パラレルワールド的SF世界。あってはならない禁断の組合せといえる。

 お茶を呑みつつ談笑していると、まず特上うな丼が降臨。蓋を外す。大きくカットされた4切れが鎮座。照具合といい、ひとめぼれのセクシーさ。肝吸もたっぷりの量。漬物は2種類。

 続いて、中華そば。たっぷりメンマと2切の肉と2切れの蒲鉾が嬉しい。麺は黄色のちぢれ。中華そばと鰻丼が並ぶと、壮観というより、見てはいけない卑猥さがある。

 麺が伸びてはならぬ。しかし、鰻が冷めてはいけない。うな丼の蓋を再度活用し、保温モード。

 胡椒をパラリし、まずは中華そばのスープ…。しっかりとした鶏ガラ醤油。すっきりなのに、重層的なコク。私の一番好きな味である。麺も意外なほどたっぷり。

 私は、猛省した。鰻屋のラーメン。その珍しさに喰いついたけど、正直味はそれほど期待していなかった。イロモノ扱いしていた。しかし、これ一品を独立で勝負できるレベル。

 麺を一気に啜り切る。途中、スープを呑み、肝吸いを味わう。中華と和。当たり前だが、全く別のベクトル。実に不思議な体験だった。

 本命の特上うなぎ丼。山椒パラリ。まずは鰻をひと齧り…。サクっとした歯ごたえの後、じゅわりと濃厚で甘めのタレをまとった鰻の上品と野趣が同棲した脂が舌に踊る。すかさずライスで追いかける。そして、肝吸。ラーメンを1杯完食した後なのに、別腹は発動する。

 食べ進めると、さらに大きな鰻が2枚、底の方に隠されていた。嬉しすぎるサプライズ。

 鰻を齧り、ご飯を頬張り、残っていたラーメンスープ。まさに日本を誤解しているハリウッドの超大作のごとき違和感。しかし、世界広しでもこの店でしか味わえない超非日常のパラレルワールド。気づけば、特上うな丼も米粒1つ残さず滅失していた。

 店を出る際、女将さんに中華そばの値段を聞いてみた。「え?はい、470円です」。

 470円!!!?。600円でも安いなと思っていたら、500円を割っていた。目を剥いた。顎が外れそうになった。

 興奮冷めやらぬ。絶対に再訪を誓う。鰻丼を外せない。ラーメンも外せない。しかし、カツ丼、味噌かつ丼も気になる。チャーハンやオムライスも。東農のポテンシャル、大河のごとしである。

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土岐市の超絶名店。

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鰻メニュー。

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食堂の雰囲気。

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抱擁。

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師弟コンビ。服装も似るものである。
posted by machi at 11:44| Comment(0) | 岐阜県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする