私は「岐阜タンメン」というものは商品名と思っていた。まさか、店の屋号とは。
以前、コンビニで「岐阜タンメン」のカップ麺を見かけ、出張先のホテル(1年ほど前、多治見で)で啜った記憶が。感想は、何もない。ハマることもなかった。味もあんまり覚えていない。
私はタンメンは嫌いではないが、大好きでもない。野菜たっぷりがタンメンのイメージであり、風邪気味の時などは啜ることはあっても、普段あまり興味が沸かない。
私が野菜を欲するときは体調があまりよろしくない時であり、心身ともに絶好調時は視界にも入らない。呑んだ〆のラーメンに、たっぷり野菜は不要。チャーシュー(肩ロースがベスト)がたっぷり乗っていればよい。ただし、私はネギフェチなので、ネギはたっぷりでお願いしたい。
1軒目を居酒屋として、2軒目はバーかスナック、3軒目にラーメンが私の夜のスタイル。しかし、この日は2軒目がタンメン屋。リズムをつかむためにも、ビールから始めねばならない。
我ら5人は厨房と商品受け渡し口が直結している一番奥のテーブル席を陣取る。たまたま空いていたようで幸運だった。時間は深夜だが、お客がひっきりなし。
客の大半(というか、100%)は男性で、しかも20歳前後でなかろうか。私と金沢のT本氏はアラフィフ、他の3氏はアラフォー。我らのテーブルが店内平均年齢を大幅に増加させている。
2軒目だが、仕切り直し。新鮮な気持ちで瓶ビールで乾杯。瞬く間に2本空になり、さらに2本追加。ハイボールが欲しいところだが、見当たらない。ビール一択の世界観である。
ツマミに餃子を召還。後はチャーハンかタンメンしかなさそう。豊富なトッピングメニューから「味玉」を人数分注文。年の功を見せつける。餃子と味玉をツマミに談笑しながら杯を重ねる。
トッピング、不思議な世界感だった。野菜増量、味玉、肉増量、ほうれん草、コーン、わかめ、のり、ネギ、にんにく、しょうが、魚粉…。
このあたりは充分に理解できる。バターも味噌ではありだから、十分な射程距離である。しかし「青汁」「プロテイン」が謎過ぎる。青汁入りのタンメン、プロテイン入りのタンメン…。この世に存在してはならぬ禁断のコラボといえる。
1時間ほど経過。そろそろ〆に。岐阜タンメンは辛さを選ぶことができる。辛さ無しから5辛まで。そして、その上に別料金で「デス辛」という文字が不穏な空気を醸し出している。
年を経るごとに辛さへの渇望と耐性が滅失してきた私と金沢T本氏のオヤジ2人は「1辛」。「素材の甘みを引き立てる辛さ」とある。ちなみに5辛は「足ガクガク!明日まで覚悟!」。デス辛の説明は…記すだけでも脂汗が零れそうである。〔次夜後編〕

力強すぎる看板(フレーズ)。

独特なトッピング世界観。

ユニークで独特のレイアウト。奥が厨房。

味玉とビールで2次会スタート。