日中最高気温は31度らしいが体感温度は40度な、梅雨明けの6月最終日の北九州黒崎。熊手銀天街T中理事長やそのブレーン(大学の先生)、北Q州八幡商工会議所八幡SCの天地と逢魔が時に<鳥華族>へ。店内は広く、清潔の極み。エアコンの涼しさに生き返る。
タッチパネル方式ゆえ、その操作を唯一20代というナウなヤングの「地」にゆだねる。
生で乾杯。瞬殺で滅失。タオルを絞ると汗がしたたるほどの脱水ゆえ、いくらでも体内に吸収される。2杯目からは普段ならハイボールだが、この夜はレモンチューハイの気分。ひたすら「地」に操作命じ、お代わりを重ねる。
お通しがもつの塩煮込み。手間がかかった逸品である。焼鳥、驚くほどの旨さ。シンプルな料理ほど、奥深い。その真理を体感できる絶妙の焼き加減、塩加減、タレ加減である。
唐揚絶品。枝豆も普通より味が濃い。我がサラダであるポテトフライは旨すぎて3回も追加。
途中「お店からサービス」ですとナムルの4種盛が運ばれてきた。どれも旨かった。箸休めに好適。見た目もカラフルで美しい。 さらに「もう一品サービスです」と運ばれてきたのが、地鶏の炭火焼。たっぷりの量である。
サービスの枠を超えている。大サービスの上を行く。度量、慈悲、骨太、勇気、剛健、そして愛情。嬉しくなり、さらに杯を重ねる。お会計も好きに食べて呑んで、驚くほど安かった。
煙草を吸いに天と店外へ。鐘や太鼓、笛の音がアーケード内に響き渡る。黒崎祇園の練習だ。
通りかかった御仁が「ああ、S元さん!」。会うや否や、「天」に熊手で空き物件を探している旨の相談をし始めた。熊手、続々と名店誕生の気配に満ち満ちている。
お会計を済ませ、店を出ようとしたら、ノベリティを渡された。一つが「マスク」である。パッケージに「Thank you very much」。
「この様な時期にも関わらずご来店頂き、また、感染防止にご協力頂き誠にありがとうございます。またのご来店を心よりお待ち申し上げます 焼鳥ダイニング鳥華族 スタッフ一同」。
「この様な時期」とはコロナ禍だろう。そして、もう一つ。「ほんの気持ち」と書かれた焼き菓子である。
「ほんの」ではない。熱い、篤い、厚い気持ちである。またの来店を誓う。
この夜はお開き。駅に向かっていると、浴衣の2人組の女性とすれ違った。どこかでお祭りでもあったのか。よく見るとホズさんだった。1年ぶりか。相変わらず華やかで女前である。
黒崎駅構内で缶ハイボールを買い、「天」と電車で乾杯。小倉の定宿に戻り、ユニットバスで汗を流し、鳥華族の焼き菓子、バーボンの肴に好適。貴族より、華族である。

華族への入口。

絶品。

安定。

大サービス、その1。

大サービス、その2。

黒崎駅ホームにて。

大サービス、その3。