2022年3月7日。第6波に起因するまん延防止延長県と解除県に日本が二分された記念すべき日である。何故「記念」なのか。私が最も足しげく通い、もはや住んでいる間隔すらある北九州市を有する福岡県が解除されたからである。地元民もまさかの解除的反応の方が多かった。
九州では熊本県が唯一延長を判断。明暗が分かれるのは恐らく月末だろうが、熊本だけが増加している、または他県と変わらない結果なら目も当てられない(結果は承知の通り)。
熊本県は九州のど真ん中。そこから四方八方に解除県へ呑んだくれたちが足を延ばし、そこで感染して地元に持ち帰る。可能性は決してゼロではなかろうますます目も当てられない。
まん防解除初日、2日ぶりに北九州へ。そして、2日ぶりに門司港へ。小倉駅ホームで門司港行きの列車待ち時間15分。北九州駅弁当が7・8番ホームで展開する「かしわうどん」を久々に1・2番ホームで。こちらは券売機がない。それも妙に新鮮に感じる。人間のやり取りがある。
普段はかしわうどんのかしわトッピング(かしわダブル)。今日は初心に戻り最安値のストレート(かしわうどん390円)。一味をたっぷり。まん延防止の解放感もスパイスとなり、ただでさえ旨すぎる逸品がいつも以上に跳ねている。
門司港着。ミッション現場へ向かう途中、門司港エリアの活性化を本業とするK本氏とバッタリ。氏は夜のパトロールへ向かう途中。氏とは第5波前に門司港の夜をパトロールした。
門司中央市場の2年間のミッション、まるまるコロナ禍だった。それでも2月1日から15日までの期間限定チャレンジ出店に3店舗挑戦。うち1店舗は3日限定で恵方巻販売。本格出店へ移行予定で心強い限り。ちなみに3日はすぐに完売したそうだ。
他の2店舗がまん延防止中ゆえ残念ながら酒類提供を断念したワインとスィーツの店と、見事な店内レイアウトを決めた女性3人のハンドメイド作家の作品販売店。新風を吹き込んでくれる。まん延防止中で気の毒の極みだったが、結果的に3店舗の新規出店が見込まれた。
まん防解除初日の夜。門司港の呑み屋街の特徴として、路上は静かだが店内満席の大賑わいが多い。この日はA吉理事長がお店を予約して下さっていた。焼鳥屋のようである。焼鳥とビール、かけがえのない黄金である。日常の恢復を感じながら3人で店内へ。
店内は数人のグループが楽しそうに酒盛り。通されたのは奥座敷。完全個室である。
北九州でいつぶりか分からぬ「生」で乾杯。染み込む。まずは茶碗蒸し登場。一発目に味わうのも妙味。すると、独り一皿、てっさ(フグ刺)が運ばれてきた。てっぴも添えられている。
解除早々、最強の贅沢。門司港の対岸は下関。下関といえばフグ。門司港もフグの街といえないこともない。独り一皿の贅沢に口角を上げていると……。てっさ皿が6皿。我らは3人。あと誰か3人来られるのか‥‥‥。〔次夜その2〕

1・2番ホームの至宝。

啜らずにいられない。

ふぐさし三昧という天国。