店の奥で凛々しい浴衣姿の店主(K子氏)から缶コーヒーをご馳走になりながら紫煙を燻らせつつ雑談。日曜はヒマとおっしゃるが、お客はひっきりなし。喫煙者の底堅い需要(たばこ税)に支えられている自治体もあるだろう。
「ゆかたdeぶらり」は家族連れやカップルだからこそ映えるイベントであり、50近いオッサンの独り参戦は不気味の極み。右手にはKレヨンしんちゃんのトートバッグ。ぶらりしていたら不審者通報されるかもしれない。
トートバッグを手にお地蔵様ではなく店舗を回りサービス品を頂いていると、私がガキの頃の一大スペクタルだった神戸新長田の夏の風物詩・地蔵盆(8月23日)を思い出した。
コロナ禍でも工夫してやれることを着実に実践されている活動姿勢に感服。イベントや祭が軒並み中止になる中、浴衣を着て外出できる貴重な機会は子供やその親御さんにとってもひと夏の思い出に。私も良い思い出を得ることができた。
翌日。年に1度あるかないかのモーニングミッション終了後「けいらく」で春日部やきそばを満喫し、13時ごろ帰路に着く。東武線で大宮経由で東京。スムーズにいけば18時前には神戸の自宅に戻れそうである。
野田線車内で新幹線をスマホ予約……。西日本直撃中の台風で運休していた。関東直撃予定だった台風10号はケアしていたが、九州から西日本を蹂躙していた台風9号を失念していた。
東京駅で時間をつぶすのは困難。新幹線が動き出すまで神田神保町の古本街で時間をつぶす。
新幹線が動きだしたようである。17時半、ようやく乗車。予定より3時間以上遅れている。3連休の最終日というのに車内はガラガラである。
乗車直前に在来線改札内で捕獲した缶チューハイ2本とポケットバーボンを取り出す。ツマミは昨晩「ゆかたdeぶらり」で頂いた戦利品の数々。
<栃惣>さんの煎餅をバリバリ噛みしめながら缶チューハイをグビグビ流し込む。浜松を超えたあたりで缶チューハイ2本と煎餅が滅失。バーボンのキャップを捻り<市川寝具>さんの輪投げ景品だった駄菓子カツを齧る。バーボンで流し込む。
新幹線は京都までたどり着いた。東京方面から新神戸に戻る際、呑み喰いは新大阪までと決めている。新大阪から新神戸までわずか14分。この間に片付けたりせねばならぬからだ。
京都から新大阪まで。〆のデザートは<青柳>さんの「黄身しぐれ」。たしかに、ゆで卵の黄身に見える。和菓子を含めスィーツはバーボンなど蒸留酒に好適である。
齧る。……。唇に触れた瞬間、本当に卵の黄身ではないかと錯覚した。目を剥いた。その後に餡子の甘みが押し寄せる。バーボンを流し込む。私の口内で祭囃子が弾けだした。

凛々しいK子氏。

戦利品の数々。

不穏な気配。

無事乗車。