2021年09月28日

第2778夜:多治見名物を探せ【多治見(岐阜)】

 岐阜県多治見市。つい数年前まで愛知県と思っていたほど予備知識がなかった。知っていることと言えば、知人が多治見まちづくり鰍ニいう会社のマネージャーをしていることぐらい。

 今回はそのマネージャーであるO口氏のお招きで7月から2か月間、集中的に6回も多治見市に訪問する機会を頂いた。

 肌寒い梅雨の金曜の15時前。朝から何も食べていない。駅前のホテルチェックイン時間にはまだある。

 何か腹に入れよう。しかし、名物が何か分からない。そもそも名物があるのか。

 南口降りてすぐに居酒屋が。「けいちゃん焼」という名物を唄っている。そういえばかなり前に同じ岐阜県中津川市で食べた記憶がある。味もビジュアルもほとんど覚えていないけど。

 15時ごろは飲食店の休憩タイム。営業店舗が見当たらない。

 数分歩くと「ながせ商店街」に出た。シブい老舗と新たに出店したと思しきシャレた店が混在している。昼飯を喰える店があるのだろうか。

 少し歩くと、赤い暖簾が見えた。「中華そば」と唄っている。力強き砂漠のオアシス。しかし、屋号がない……。

 よく見ると、壁と同じ色で「鳥竹」とあった。焼鳥屋みたいな屋号だが、冷やし中華始めましたというPOPに日本の夏を感じさせる。

 ダイブ。外観はかなりシブい。店内も昭和感満載だが清潔。常連風の熟女が食事中である。

 女将と思しき女性がカートでお茶を運んでこられた。イチゲンの私にも笑顔である。

 壁面メニューを観る。中華そば600円。20年以上前の良心価格である。

 大盛りがプラス150円。そして、五目中華、みそラーメン、カレーラーメンが700円でそれぞれあり、最高値の750円が「天ぷら中華」。……。ラーメンに天ぷらが載っているのか。

 一度立ち食いそば屋のラーメンにトッピングしたことあった。微妙だった。しかし、非常に気になる。チャーシューメンがあれば迷わずソレだが、天ぷら中華を冒険する。

 『相棒』再放送を斜め見しながら壁面メニューを再度確認。うどん、そば、丼が大充実。暖簾は思いっきり中華そばだが、壁面を観ると4分の3以上がうどん屋メニュー。「ころうどん」という謎のメニューにも心が騒ぐ。

 ガラガラとカートの音が聞こえた。ブツ降臨。思わず生唾を飲む。正統派醤油。そして、えび天が一本。圧倒的な存在感である。

 中華そばの華はチャーシューだが、ダブル主演といったオモムキか。ゆで卵が嬉しく、メンマたっぷりも嬉しい。ほうれん草も十分にある。

 胡椒パラリ、まずはスープ。……。三十数年前にタイムスリップした。濃い目の醤油が切れ味鋭い。麺はストレートの細め。チャーシューも味わい深く脂少なく完全に私好み。

 半分ほど啜り終え、天麩羅に挑む。……。出汁を吸って実に旨し。うどん出汁とは異なる味わい。ごはんが欲しくなる魔性っぷりに悶えつつ、気づけば麺1本、汁1滴残さず滅失した。

 大満足で店を出る。その正面が<ヒラクビル>だった。私の今夜のミッション先である。「中華そば」の赤暖簾に全集中してしまい、全く気付かなった。

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やきものの街に初上陸。

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ながせ商店街。

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15時。入らずにいられない。

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昭和ノスタルジー。

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正統派なのに、斬新。

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店を出たら、ミッション会場。

(付記)
O口氏はマネージャーではなく、多治見まちづくり鰍フ代表取締役社長だった。それすら分かっていなかった。そんなO口社長曰く、真偽分からぬが岐阜県ではラーメンに天麩羅トッピングは王道らしい。ホントかいな。
posted by machi at 11:14| Comment(0) | 岐阜県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月27日

第2777夜:マボロシの予約台帳【小山(栃木)】

 ホテルニューKシワ。小山駅西口ロータリー渡ったすぐに屹立している、昭和レトロ溢れるビジネスホテルである。

 ネットで予約すれば最安値は3000円。ワンランクアップのデラックスルームでも3500円。Wi-Fi環境も完璧で、マスクが部屋に常備されているなど細かなサービスが行き届いている。価格、立地、ホスピタリティ。2021年度になって重宝している。

 梅雨真っ盛りの7月1日。<おやま開運館>で開催された中味の濃い創業サロン終了後、いったんホテルにチェックイン。

 喫煙所が受付横なので、受付カウンター越しにフロントの女性支配人と商工会御所S氏と合流する待ち時間に少し雑談する。

 東京五輪開幕まで約3週間。しかし全く五輪関係の予約が入らないという。

 6,7年前に五輪招致が決まったニュースが流れた瞬間、電話で予約が殺到。五輪期間前後も含め瞬殺で予約が埋まったという。現在、それらはすべてキャンセルの憂き目に。

 女性支配人は笑いながら「その時の予約台帳、記念に残しているんです。もうこんなことはないでしょうから」。私は苦笑いを浮かべるしかなかった。

 宇都宮までは充分に五輪会場宿泊圏内なので、小山のホテルもこの時期は本来、一般人は確保できないはずである。五輪が通常開催していれば、私はホテルを確保することなどできなかった。確保できても、1泊数万は覚悟せねばならない。どんな貧相なビジネスホテルでも。

 出張すればするほど大赤字。私にとっては幸運だったのかもしれないが、宿泊業や運輸業の皆さまは目も当てられない。

 「いってらっしゃい〜」と女性支配人に見送られながら商工会議所S氏と合流。

 氏と軽く1軒目をヤってから、市役所H場氏も合流する2軒目で腰を据えて吞むことに(私がですが)。時はまん延防止の真っただ中。対象外の栃木県は時間制限関係なく思う存分呑める天国がある。

 向かった先は<串之家>。私が知っているだけでも複数店舗展開している昭和レトロをイメージした人気店である。店内は活気に溢れている。若い従業員さんたちも元気いっぱいでノリも良く、接客も好ましい。

 この店、7周年キャンペーン中だった。生ビールを1杯注文するごとにサイコロを振ることができ、オリジナルすごろくの升目に応じて特典たっぷり。次回ドリンク無料をはじめ実に面白い。一回休みやワープ、バックなどのトラップもある。

 ビールばかり頼むグループがいれば大いに盛り上がるだろう。オヤジの私はビールばかり飲んでいられない。途中から思いっきり久々のホッピーをたっぷり満喫。

 すごろくのゴールは遥か彼方。オリンピックも酒の道も、紆余曲折があるものである。

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フェア開催中。

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凝りに凝ったすごろく。

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可能な限りまで、生ビール。
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2021年09月20日

第2776夜:任意出頭【戸畑(北九州)】(後編)

 警察署を出たら、道路を挟んだ正面が<ウェスト>だった。資さん、牧のうどんと並ぶ福岡県内3大メジャーうどんチェーン。

 私は普段は北九州の生活範囲では魚町商店街の<資さん>をよく利用する。<ウェスト>も1度行ったはずが、かなり前であまり覚えていない。時間は13時過ぎ。門司港ミッションは15時。ちょうどよい時間である。

 期間限定メニューで「ミニ鰻丼セット」があった。その1か月ほど前、魚町<資さん>で鰻丼とミニうどんのセットを満喫した。うどん屋の鰻、実に心を引き付けられる。

 麺類はそば、うどん、細うどんから選べる。北九州市以外ならそばか細うどんなのだが、北九州市内ではノーマルのうどん一択。これが私には一番うまい。

 程なくしてブツ降臨。どちらがメインが分からないビジュアルである。天かすとネギは卓上から入れ放題。力が漲る。野趣と洗練が絶妙に絡み合っている。

 夢中で啜り、鰻を頬張りながら、名刺入れを落とした心当たりがひらめいた。

 先々週の4泊5日の初日、ビジネスリュックを買い替えて壊れて使えなくなったリュックから荷物をすべて移し替えた。店内のベンチで。犯人は私だが、これで事件解決と言えるだろう。老化著しい昨今、さらに事件は頻発しそうだが。

 北九州市はまん延防止中。門司港ミッション終了は20時。飲食店は20時閉店。どこにも立ち寄れぬ。

 小倉の定宿に戻り、名刺入れを警察署に届けて下さった方がおられるかもしれない<イ●ン戸畑>で買い込んでいた総菜と北九州市八幡東区の地酒でステイホテル晩酌を楽しんだ。

 翌朝。ワクチン1回目接種完了から2日経過。そもそも副作用らしきものもなかったが、強いて言えば注射したところが軽く「突っ張る程度」だった副作用も完全滅失。体温も35.9度。副作用がなさすぎてホントに効いているのか逆に不安な水曜の朝。10時に旦過市場へ。

 <くろせ>で焼鳥と手羽先を、<小倉かまぼこ>で500円詰合せを、<九州まぐろ>で鉄火巻と本鮪刺を購入。魚町を抜けて駅前の<シロヤ>でパンを5ヶ。

 かなり買い過ぎた。本日中の喰い切れるか不安である。新幹線の荷物棚に忘れっぱなしせぬよう注意せねばならない。

 これまで駅弁や総菜を荷物棚に忘れたことは何度かある。仮に見つかっても、着払いで送り届けて頂く頃には腐っているだろう。親切な乗客が駅員さんに託さず最寄りの警察署に届けて頂いても、さすがに東京都内のどこかの警察署に出頭する気は起きぬものである。

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お世話になりやした。

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警察署の対面。

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旨すぎ(うどんが)。

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ステイホテル晩酌。

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翌朝の残骸。

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買い込み。

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あり得ぬ安さ。

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ツマミとしても極上。
posted by machi at 07:48| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月19日

第2775夜:任意出頭【戸畑(北九州)】(前編)

 梅雨の中休みだった北九州市13時30分。イオン戸畑に隣接する戸畑警察署に出頭した。

 その5日前の午後、埼玉県川口市内のJR川口駅前の喫煙場所で紫煙を燻らせていたら、スマホが震えた。093から始まる番号。

 登録していないが、北九州市内と分かる。どこかの商店街か市役所か商工会議所からか。または、どこかのホテルか飲食店か。

「ハイ、アヅマです」。少しシブめの声で応答する。

「アヅマさんの携帯ですか?」先方は女性の声。若い声なのに落ち着きが感じられる。

 私はさらにシブみを増した声で「ええ、そうです」。

 すると「こちらは、戸畑警察署です」。

 思わず声が裏返りそうになった。戸畑警察署?……。先方曰く、私の名刺入れが戸畑署に届けられたらしい。中味を確認すると私の名刺しか入っていないので、そこに記載された携帯番号を辿られたようだ。

 ふと思い出した。その前の週は北九州市内で4泊5日していた。3泊は小倉、1泊は若松。

 戸畑区内のミッションはなかったが、急に大容量ビジネスリュックのファスナーがぶっ壊れた。途中の戸畑駅で緊急下車して駆けこんだり、若松に行く前にエアコン対策で2,200円のジャージの上着を買ったり、若松からの帰りの立ち寄って自宅晩酌の肴を買い込んでいた。

 自宅で荷を解いている際に、名刺入れがないことに気づいた。4泊5日の間、一度も名刺入れを取り出すことはなかった。ゆえに失くしたことさえ気づいていなかった。

 名刺入れは10年以上使用しており、皮が飴色に変色するほど使い込んでいる。どこで失くしたか見当もつかない。

 2021年度になってから新幹線でパソコン、自宅のカギを忘れている。忘れ物、落し物は絶対にするまいと心に誓ったばかりだった。完全に老化現象が始まっている。

 幸い、名刺入れはまっさらがある。名刺も豊富に余っている。潔く諦めていた。

 戸畑署の1階は静まり返っている。平和極まりない。その中でも端にあった落とし物係へ。ベテラン男性1名、ベテラン女性1名、美人の若い女性が1名おられた。

 受取書に日付と住所、氏名を記載し、受け取る。イオン戸畑内のベンチにあったらしく、どなたかが届けて下さったらしい。名も知らぬ善意の御仁に心から感謝する。

 警察として1点不審な点があったようだ。それは、名刺には北九州のキの字もないのに、なぜ戸畑で拾われたのかという点。戸畑ミッションは10年間で2019年度に2回あったのみ。最も縁遠い区と言って差し支えない。

 私はこの10年間、毎月どころか毎週のように北九州入りしている。そのことを伝えたら、ますます怪訝な表情を浮かべられた。名刺に「九州支店(ショコラ)」を記さねば。〔次夜後編〕

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愛用。
posted by machi at 08:32| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月17日

第2774夜:アフターコロナの商業ビジョン【川口(埼玉)】

 「アフターコロナを見据えた小売・飲食・サービス業等の経営のあり方研究」(通称:アフターコロナ商業ビジョン *通称命名:たぶんアヅマ)。

 上記をテーマに2020年12月24日を皮切りに半年間、どこで研究してきたのか。本当に住みやすい街2年連続1位に輝いている(現在進行形)埼玉県川口市の経済活性化の司令塔・川口商工会議所(地域振興委員会)である。

 当初は2020年度には4回の研究会を開催。私はそのファシリテーター(≒進行役)およびアドバイザーを務めさせていただいた。2021年度に入り、研究成果が消費者ニーズに本当にマッチングしているのかを調査させて頂いた。私はその調査責任者を務めさせていただいた。

 人口60万を有する川口市の商業ビジョンを、数年前に数回御縁を頂いた程度の神戸人の私が取り纏めてよいのかと疑問を感じつつ、その取り纏めの成果報告会が2021年6月24日、キックオフの日からちょうど半年後に開催された。

 主催は川口商工会議所・川口市・川口市商店街連合会。約80名というかなりの密っぷりな劇場(会議室)である。私は報告者としての大任を担い、オトコ芸者として約60分間全力で演舞。

 ヨゴレまちづくり屋の私ごときにアフターコロナの商業ビジョンなど分からぬが、小さな字でびっしり30枚以上のアフターコロナ商業ビジョン。自分で言う(書く)のもアレだが、会心の出来栄えである。ちなみに、正式に予測できる御仁が2021年6月時点で存在するのだろうか。

 とりあえず半年間の役割を完遂した。ほっと安堵する。この日は朝から何も喰ってなかった。まん延防止適用の川口市。時間は17時ごろ。アルコール提供は19時まで。そして、この日は帰神せねばならない。ゆえに、19時提供終了はこの日の私にとってはちょうど良い。

 駅高架下の日高屋あたりでイッパイやるか。店先で、怯んだ。かなりの密っぷりである。1年半前は密な店ほど人気があって外れナシと勇んで飛び込んでいたのに、すっかりラビットのように臆病になってしまった。アフターコロナにも引きずりそうである。

 入店を諦め、新幹線晩酌に切り替える。京浜東北線に乗りこみ、東京駅に向かいながら新幹線ネット予約しようとしたら、熱海あたりで新幹線が大でストップ。都内は晴れなのに。

 慌てて秋葉原で途中下車。アルコール提供終了時間まで1時間弱。中途半端な時間ゆえ居酒屋は諦め、某大型中古書店で帰路新幹線晩酌の友として『ヤマタイカ』(全5巻)一気買い。

 星野之宣先生の代表作。以前から読みたかった。揃いで捕獲でき幸運。新幹線が動いていないおかげである。マイナスとプラスは常に表裏であることを痛感する。

 新幹線が動き出したようである。東京駅で鹿沼名物崎陽軒シウマイ弁当捕獲。駅ホームの売店に酒が売られている日常の恢復。18時半にようやく一食目。

 ロング缶3本瞬殺。車内販売で補充を試みたが、車内はまだアルコール販売不可。完全な出張日常まであと一歩。

 スーパーで買った焼鳥も投下し、カバンに入ったウィスキーも。至福である。コロナ禍であることを忘れてしまうひと時である。

 川口市がアフターコロナに先駆けて日本で最初の商業活性化モデルとして繁栄されることを願ってやまぬ。貴重な機会を与えて下さる川口の皆さまに心より多謝。

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盛況。

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至福。

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宝玉。

posted by machi at 09:34| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする