2021年03月31日

第2653夜:オールスター出場を目指して【駅弁】

 シウマイの街。その称号、平成までは横浜だったが、令和からはその座を奪い取らんとする輩が出現した。栃木県鹿沼市。厳密にいえば市役所ではなく商工会議所である。このあたりの微妙な匙加減はオトナの事情というヤツである。

 ある晩秋の朝。鹿沼の駅前旅館を出て日光線、新幹線や在来線を乗り継いで神田駅へ。

 神田はランチ天国である。街の規模といい、魅力的すぎる昼飯の味の多さといい、東京から一駅と思えぬ落ち着きぶりが私の心と胃袋を捉えて離さない。

 タフな日々が続いていた。この日は帰神するだけである。ご褒美に贅沢して鰻を喰いたかったが、日和って<神山>というラーメン屋さんに初ダイブ。

 特盛(3倍)召還。濃厚ではなくノーマルを選んだが、ちょうど良い浸透圧。分厚いチャーシューも旨し。気づけば1本残らず滅失。〆に割りスープまで堪能。最近、つけ麺にも恋している。

 大満腹のまま神田駅に向かうと、駅構内に<崎陽軒>直営売店が。世界一完成度の高いシウマイ弁当の崎陽軒様は、令和2年から横浜でなく鹿沼のイメージ(の予定)。

 なぜ鹿沼がシウマイなのか。崎陽軒様の創業者様が鹿沼のご出身という。触るだけで切れそうな細い糸だが、現在鹿沼の飲食店はオリジナルシウマイ開発に勤しんでいる。会議所が仕掛けたのかたまたまなのか存じ上げぬが、鹿沼駅前にシウマイ専門店もオープンするという。

 鹿沼と崎陽軒様に愛をこめて自宅晩酌のツマミでシウマイ弁当捕獲しようとしたら「2020オールスターシウマイ御弁当」なる新作を発見。迷わず捕獲した。定番より120円ほど高額だ。

 神戸に帰宅後、荷を解いてシャワーを浴び、晩酌の準備。駅前旅館のフロントでご自由にお取りくださいな雰囲気で積まれていた「木のまち鹿沼」という雑なキャッチコピーがプリントされた木製コースターに栃木県内の蔵元のカップ酒をセットする。

 オールスターなシウマイ弁当が120円高い理由。通常はノーマル5ヶだが、オールスターは「昔ながらの」「黒豚」「えび」「かに」「きのこ」の5種。今まで意識しなかったが、「昔ながらの」が定番なのか。他のおかず構成は定番と同一。

 いつ対峙してもスキのない惚れ惚れする布陣である。どのおかずも酒のサカナに無敵。行木の香りの好もしく爽やかなもち米が凄まじく旨い。これだけで酒のサカナになる。

 2020年下半期になって鹿沼シウマイPJが表面化し、シウマイを意識して口にするようになった。餃子と比べたら地味かもしれぬが、非常に奥深い。

 私は小ぶりサイズよりも551蓬莱や<串カツJu−so>で開発中の大きなタイプが好み。<中華料理嘉蒂>でも<ラーメン山いち>でもオリジナル焼売を開発中。

 令和3年、JR鹿沼駅前にシウマイ像が設置される。それに先駆け、鹿沼産のニラを使ったオリジナルシウマイが発売され、オールスターに加わる日も間もなくである(ような気がする)。

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つけ麺。

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オールスター版。

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通常版。
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2021年03月30日

第2652夜:会津のジロリアン【会津若松(福島)】

 ジロリアン。ラーメン好きなら言わずと知れた基礎用語である。いわゆる「ラーメン二郎」およびそのインスパイア店の愛好者である(定義は知らないですが、たぶんこんな感じ)。

 東京・三田発祥の二郎は全国に広がっている。会津若松にも数多くのジロリアンが生息しているという。神明通り商店街の若手から、店前は行列ができているとういう情報を察知した。
 
 ある冷え込む会津若松の朝。電車乗車まで2時間。駅前フジグランドホテルの宿泊特権は、近接する天然温泉スーパー銭湯「富士の湯」無料入浴券が頂けること。

 露天風呂、炭酸泉、薬湯などに蕩ける。館内レストランで発泡酒の生、ソフトドリンク、ソフトクリームのどれかが無料で頂けるチケットを拝受。何もなければ無条件で発泡酒だが、ミッションを控える身。温泉上がりのソフトクリームも気持ちよさそうだ。

 ソフトクリームにしよう。気張って向かうと、レストランのオープンは11時。微妙な時間である。12時の電車に乗りたい。11時ごろに開店するどこかのラーメン屋に飛び込みたいので断念。

 銭湯を出て荷物を受けとるためべくホテルに向かっていると、道路を挟んだすぐに10人ほどの行列が。……。<ラーメン二郎>である。それもインスパイア系でなく直営系とみた。ファサードの色使い、ロゴの字体で分かる。

 会津若松に来たら喜多方ラーメンは外したくないものの、会津若松で啜ることができる二郎も貴重。喜多方ラーメンをあえてスルーする勇気。インスパイア系は年に何回か足を運ぶが、直営系は数年ぶり。…‥。よし、並ぼう。

 並んだ瞬間、シャッターが空いた。行列客が吸い込まれていく。皆さん、かなりの常連、ジロリアンな表情である。熱気、ムンムンである。

 客の中にに田舎から出てきたと大きな声で会話している年配夫婦が二郎初と思しき、そもそも二郎が何か分からず空いているラーメン屋にたまたま入ったような雰囲気を醸し出している。

「GOTOクーポンは使えないのか」
「食べ終わったら食器をカウンターに上げなければならないのか」。

 忙しそうな厨房の店員に投げかけている。ジロリアンなら分かると思うが使えるわけないし、食器上げは暗黙しれぬが二郎ルールでもある。失笑ムードがジロリアンたちに充満する。

 私は「小ラーメン豚入り」に「生卵」。「大」は私のような大食漢でも轟沈必至。小でも大盛以上。左隣の女性は目視20代前半だが、強烈な量のつけ麺を軽く平らげている。その彼氏が喰いきらんかったラーメンまで啜っている。実に頼もしい。ラーメン大好き小泉さんのようである。

 店員さんから「ニンニク入れますか?」。普段なら「増し増しで!(3倍ほど)」と叫ぶが、この夜はミッションを控えている。マスクをしているとはいえ、マナーに反する。そして、マスクをしたまま大量のニンニクを摂取すると妙な循環を起こして悪酔いしそうになる。

 「野菜は増しで、ニンニクは抜きで……」。右隣の男性が「ニンニク増し増しで!」という声を心の底からうらやましく嫉妬する。心で泣いた。

 ブツ降臨。小とは思えぬ迫力である。豚入りどころか、分厚い焼豚がたっぷりとふんだん。野菜で麺が見えぬ。

 タレを野菜に垂らし、一味をふりかけ、野菜から攻める。シャクシャクと鼓膜に響く。

 野菜をあらかた食べ終わり、ようやく麵が見えてきた。極太の縮れ、ディスイズ二郎なビジュアル。この太さとコシでなければ強烈なスープに負ける。喰っても減らない。

 柔らかく蕩けるものの歯ごたえも十分な絶品豚に齧りついていると、先ほど騒いでいた年配夫婦、やはり喜多方ラーメンの店と勘違いして入ったらしく、数分後に私の眼前で轟沈していた。

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無料入浴券。

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会津若松駅前の桃源郷。

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サービス券。宝の持ち腐れに。

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開店前は長蛇の列。

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いかにも二郎な券売機。

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これで「小」サイズ。
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2021年03月29日

第2651夜:姉妹商店街への第二歩【会津若松(福島)💛春日部(埼玉)】

 会津若松第2次訪問団。春日部NEXT商店街プロジェクトチーム5名で構成するK子リーダーを団長とする訪問団が2020年11月中旬、会津若松を訪れた。

 コロナが猛威を振るう前の猛吹雪の日、春日部NEXT商店街プロジェクトチーム20名ほどがバスを借り切って会津若松へ。

 視察の後、市のみならず会津地方の活性化を牽引する神明通り商店街の皆さまと意見交換会。その後の懇親会を経て、調印式はやっていないけど姉妹商店街としての第一歩を歩みだした。

 神明通りからも今年度は春日部に行く話も持ち上がったが、コロナで県跨ぎの視察が困難に。せっかくの御縁を継続すべく、春日部チームが滞在時間4時間程度とは二手に分かれて訪問団を結成し、会津若松入りを果たした。

 懇親会場は神明通り商店街D平理事長が経営する日本一入りにくいコミュニティカフェという看板のエスニック料理店<ハジャイ>。

 私は黒生で乾杯。会津名物のソースカツの玉子煮込みとじなどに舌鼓。5種類の地酒を飲み放題でガバガバとノドに放りこむ。

 電車組の3人(次長・主査・チョッキ)は21時が最終。理事長から恐らくガラ空きと推測される会津若松駅発郡山着の磐越西線車内晩酌用ツマミをたっぷりと手渡されている。すでに地酒は買い込んでいるようで、実に芸が細かい。

 理事長がチキンヌードル(フォー)を出して下さった。これがとんでもない驚天動地の絶品。これが食べられるならベトナムに住みたい。いや、会津若松だ。

 デザートのアイスクリーム。私のつたない文章力では表現できない上品で野趣あふれる旨さ。痺れるような夜である。

 車組(K子リーダー・Y口アドバイザー)は酒を我慢しながら1次会終了時点まで懇親を深めた。理事長とそのイケメン息子がプロレス風にプリントされたTシャツをお土産で買っている。ぜひ春日部で着用して頂きたい。姉妹商店街に向け、確実に第2歩を刻まれたようである。

 2軒目は2度目の訪問となった<ヴィーナス>へ3人で。今夜も店内はヴィーナス(ママ)が一人だけ。4か月ほど前のいれたボトルが流されていたようなので、新たに入れ直す。話し込んでいるとあっという間に夜中1時前。

 会津若松の駅前ホテルに戻り、春日部土産の和スィーツ&煎餅を琉球泡盛で堪能。会津若松(福島)、春日部(埼玉)、そして沖縄。壮大無比な我が三都物語である。

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地酒呑み放題。鯨飲。

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宴のはじまり。

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ソースが隠し味的な煮込みカツ。

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〆のフォー。ベトナム人も驚愕するはず。

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野趣と上品が同棲。

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場末感が旅情を喚起。

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香ばしい固焼煎餅。

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蒸留酒に合う絶品スィーツ。

posted by machi at 07:22| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月28日

第2650夜:2人のアキラさん【沖縄(沖縄)】

 『アキラとあきら』。ドラマ化されたらしい池井戸潤先生原作の小説である。私は情けないことに未だ池井戸作品未読。ドラマも『下町ロケット』『ノーサイドゲーム』しか見ていない。

 11月中旬なのに蒸し暑さすら感じさせる午後。H瀬アキラ氏に那覇空港まで迎えに来て頂き、沖縄市内へ向かう前の恒例になりつつある<根夢>宜野湾店へ。

 朝活(早朝カツ丼)の影響で空腹感はあまりなかったのに「ミックスそば(三枚肉・ソーキ)大盛」を頼まずにいられない。途中からコーレーグースー、紅生姜をぶち込んで味変させながら気づけば汁1滴滅失なシーサー啜。私的に<根夢>は沖縄そばランキング1位である。

 沖縄市センター商店街(パークアベニュー)は若手商業者がガンガン頑張っている。そして若手を頼もしく見守りサポートされているのが、商店街監事のN村アキラ氏。H瀬アキラ氏とN村アキラ氏の2人のベテランが無双のハーモニーを奏でている。

 ミッション終了後、ダブルアキラさんとパークアベニューの<ブッチャー>。前から気になっていた「75(名護)ビール」旨し。

 2本飲み干した後は赤ワインのカチワリジョッキ2杯。ウィスキー水割をジョッキ1杯。赤ワインはH瀬アキラ氏、ウィスキーはN村アキラ氏をまねる。

 エスカルゴが上品で野趣で抜群の旨さ。ステーキも肉寿しも芸の細かい逸品。肉を喰らい、酒を呑む。至福といわずしてなんぞやである。

 店を出て洋風座居酒屋でハイボール1杯だけ呑み、久々に<サシミハウスあいか>へ5人で。白百合と何とかという泡盛痛飲。最後はN村アキラ氏24時ごろまで鯨飲しながら話し込む。

 我が沖縄市における翌朝のルーティンは、ライフライン<中央マート>でポーク玉子おむすびを捕獲すること。まだ店頭に並んでいなかったので3ヶを作って頂く。出来立ても旨いが、寝かしても旨い。ついでに旨そうなサンドイッチやさんぴん茶も捕獲。

 那覇から羽田空港南ウィングへ。いつもの北ウィングでなく戸惑う。しかし札幌の<雪あかり>発見。これで羽田のラーメンライフは充実する。そんなことを考えていたら、スーツケースを預けていたことを忘れて場外へ。最近物忘れがひどい。

 品川駅ホームで電車を待つ間、<中央マート>ポーク玉子おむすび3ヶを立ったままペリエで流し込む。忙しいサラリーマンみたいな気分に浸る。駅ホームでの立ち食い。背徳もスパイスとなり、さらに旨さが倍加する気分。ただ帰るだけの日は<中央マート>買い込みを決意する。

 それから約2週間後。20時過ぎから沖縄市胡屋地区のアーケード街でH瀬アキラ氏とたっぷりとサシ呑み。<一本槍>のおつまみ幕の内、天下無双。

 2軒目はお気に入りの<サシミハウスあいか>へ2週間ぶりに。お気に入りの泡盛ボトルで入れたら、常連さんがさらにもう1本サービスして下さり感激。ママのポーク玉子、天下布武である。

 翌朝もH瀬アキラ氏に空港まで送って頂く途中で<中央マート>ピットイン。ポーク玉子おにぎり、サンドイッチ、フーチャンプル……。この日は神戸に帰るだけ。自宅晩酌用のツマミの大量捕獲に成功。さらに那覇空港のコンビニでカップ泡盛を3ヶ、ランチョンミートも捕獲。

 沖縄、12月なのに半袖多し。自宅用のつもりが我慢できず、空港ロビーでブレザーを脱ぎ、Yシャツ1枚でポーク玉子おにぎりを3ヶも腹に放り込んでしまった。

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啜らずにいられないミックスそば。根夢にて。

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呑まずにいられない名護ビール。ブッチャーにて。

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頬張らずにいられないステーキ。ブッチャーにて。

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手を伸ばさずにいられない肉寿し。。ブッチャーにて。

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キープせずにいられない。サシミハウスあいかにて。

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盛り上がらずにいられない。サシミハウスあいかにて。

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頬張らずにいられない。品川駅ホームにて。

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感謝せずにいられない。一本槍にて。

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頼まずにいられない。一本槍にて。

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我慢せずにいられない。那覇空港にて。
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2021年03月22日

第2649夜:大宮駅「鬼平犯科帳1・2」【駅弁】

 『鬼平犯科帳』。名著「散歩のとき何か食べたくなって」や映画エッセイも秀逸な大御所中の大御所・池波正太郎先生の言わずとしれた代表作の一つである。

 ある秋の正午前。飛びっきりの上機嫌で今晩の自宅晩酌用に大宮駅改札内の駅弁売場を物色していた。思わず目を疑った。冷蔵庫の中に何故か新書本が2冊積んでいる。

 近づいてみると、池波先生の『鬼平犯科帳』。ただしその本らしき物体、巨大である。……。駅弁だった。思いっきり本の装丁。本の帯はいつも目に通すが駅弁の帯など初めてである。

 第1巻が「本所深川弁当」。第2巻が「くめ八弁当」。

 どちらを読もう(食べよう)か迷った挙句、2冊(2箱)とも購入。自宅に鬼平犯科帳はないので現在読んでいる宮部みゆき先生の『三島屋変調百物語』シリーズを読みながら江戸情緒駅弁と酒の世界に溺れることを決意。

 帯には「文春文庫」とあってガチでややこしいが、調整元は「雅」様。

 鬼平犯科帳1『本所深川弁当』の帯甚句は以下である。

 「鬼平こと火付盗賊改の長谷川平蔵が、放蕩無頼の青春時代を過ごした本所・深川。旨いものに目がない鬼平も喜ぶ深川めし、江戸っ子の好きな煮穴子丼とお愉しみ下さい!」

 鬼平犯科帳2『くめ八弁当』の帯甚句は以下である。

 「鬼平こと火付盗賊改の長谷川平蔵の密偵小房のくめ八、見張りの前には腹ごしらえ。きじ焼きに鶏つくね、江戸前天麩羅の豪華な競演、その上、鶏飯とあさり飯とくれば、江戸っ子も大満足間違いなし!」

 この甚句だけで神戸っ子(私)も大満足必至。この駅弁開発者はよほどの池波フリークおよび鬼平マニアと推測する。

 2冊(2箱)を大切に抱えながら4時間半後に帰宅。シャワーを浴び、酒をセッティング。

 まずは第1巻「本所深川弁当」。カバーを外すと鬼平の登場人物相関図が。原作を読んだこともドラマを観たこともないのでさっぱり分からない。カバーの裏側は江戸全図。実に味わい深い。

 目次(お献立)は深川飯(煮浅利)、茶飯(煮穴子)、玉子焼、さつまいも甘煮……。作品からのイメージメニューなので作品の内容とは異なる旨の注意書きが。クレーム対応も万全である。

 第2巻「くめ八弁当」も相関図と江戸全図が。しかしカバーを外した瞬間、思わず目を剥く。第1巻が端正かつ王道な配置だったが、第2巻はかなりアクロバティック。変幻である。第2巻の目次(お献立)は鶏飯、あさり飯、天麩羅、きじ焼き……。第2巻にしてクライマックスである。

 どの目次もチビチビつまめる味わい。酒が進み過ぎる。浅利を1ヶづつやる繊細と野趣。天ぷらに齧りつく勇壮。さすがに2冊(2箱)一気読み(イッキ喰い)すると満足感江戸城のごとし。

 第3巻が楽しみである。ちなみに第1巻が1080円、第2巻が980円。値段一律でないところも誠実さが感じられる。

 池波エッセイは何冊か読了済だが、『鬼平』は隠居後の楽しみと決めていた。しかし私のような生き急ぎの無頼馬鹿は長生きできるはずがない。『鬼平』を読み始めるか。その方がこの鬼平駅弁シリーズもより楽しめそうだから。

 皆さま、世の中捨てたもんじゃありやせんぜ。日々小さな驚きと小さな幸せのつるべ打ちでありんす。

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posted by machi at 08:04| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする