栃木牛。松坂や平戸と比べれば知名度は低めだが、日本屈指(たぶん)のブランド牛である。この極上をリーズナブルに楽しめる焼肉店が宇都宮に屹立。<焼肉Gレート>である。
10月下旬の土曜の夜。我が栃木県ミッションの若き戦友2人と突撃。入店早々、気合のこもった接客である。トイレにはコロナ中のため大声での接客を控えさせて頂きますとあったが、トイレの中まで聞こえてくる。
呼びブザーがない。その代わり机には我々のテーブルの担当者のプレ―ト。温泉旅館の部屋食のようである。私たちのご担当者はNザワ嬢。しっかりしてそうでキビキビしている。動きにも切れ味がある。常にNザワ嬢が気配りしているので呼びブザーはいらないというシステムだ。
Nザワ嬢に奏でるメニュー説明も気合満点。お得や珍しさに垂涎必至。とりあえず生で乾杯し、申し訳なかったが嬢のオススメよりもまずは定番系で。機嫌を損ねないか心配になる。
お通しが「ローストビーフの握り」。上品な赤身が眩しく、かなり大きい。シゴトが施されているようで醤油も何も必要なくそのままでとおっしゃる。
口に運ぶ。……。口角が上がる。微笑する。期待の針がいきなりのK点超えである。
キムチ3種盛。白菜、胡瓜、そしてカクテキ(大根)かと思いきや、山芋。嬉しい不意打ちである。お味は韓国や鶴橋で勝負できる実力。キムチの旨い焼肉屋にハズレなし。
「世界一レバー」降臨。自信たっぷりである。分厚い世界一が5切。角が立っている。光り輝いている。鮮度最高であることは目視で分かる。生で喰いたいがうっすら色が変わる程度に焙る。
すかさず胡麻油にチョン付け。……。蕩けました。丹田から力みが抜け、何かが肛門から出そうに。世界一かどうかは分からぬが、確かにこれまで私が枕を共にしてきたレバーの中でも極上であることに疑いの余地はない。
上ロースを頼もうとしたら希少部位である「とうがらし」を勧められた。広げた赤身が眩しい。柔らかい。Nザワ嬢の炙りで、山葵醤油で頂く。……。私のようなオヤジにはこれぐらいのサッパリがよろしい。「極みの上タン塩」は言わずもがなの安定の味。
和牛上霜降り(たぶんカルビ)は凄まじいサシ。美味いけど、オヤジの私は1切で充分。若手にお任せ。ホイル焼の「ニンニクごま油」「ホタテ貝柱醤油バター焼き」も壮絶な完成度である。
濃厚極まりない肉をさっぱりさせるのが、極厚の椎茸。椎茸ってこれほど旨いものなのか。
後半は極みホルモン。そして今度は世界一ではないレバー焼き。このレバーでも世界100位ぐらいは入る絶品ぶりである。
3人とも2杯ほど呑んだ後は「レモンサワー祭り」に参戦。1杯呑むとスタンプ1ヶ。3つ集める(3杯呑む)と1杯無料。
グループ単位ではなくあくまでも個人3杯であること、当日限定であることなどが絶妙の経営っぷり。これが10ヶなら心折れる。独り3杯あたりがギリギリの線。まさに経営者の思うつぼ。サワー4杯以外にも2、3杯呑んでるので、制限時間1時間45分でハイピッチを決める。
とうもろこし茶を飲みながら支給されたガムを噛んでいると、制限時間に。大満足で店を出る。
夕立も止んだようだ。時間はまだ19時前。そのまま屋台村へ。適当に入った焼鳥屋。4坪の店を最大限効率的に利用。定員10人という。それでも余裕がある。
塩だれが旨い。ホッピーがあるのも嬉しい限り。串を2本(ずり・レバー)、赤ウィンナー。
1軒目はレモンサワー、2軒目はホッピー。そしてツマミはプリン体全開の痛風祭り。今年は日本中で様々な祭りが中止になった。せめて私だけでも「痛風祭り」を復活させるべく自堕落っぷりを加速させた。
お通し。
頼まずにいられない。
看板(世界一)にそれほど偽りなし。
美しいサシ。
止まらない。
椎茸も肉厚。
半生がよろしい。
完走。
安定の組合せ。
宇都宮でプチ赤ウィンナー祭り。