グランピング。私はそもそもキャンプ漫画は好きだけどキャンプそのものには全く興味がないイカれた嗜好。ただし、グランピングとやらは別。上げ膳据え膳の上に旨し料理に屋外で舌鼓を打てるならぜひお手合わせしたいスタイルである。
私は設営や撤収はイベントの主催または手伝いの際に全力で率先するが、プライベートなキャンプでの設営撤収は勘弁願いたい。ゆえにキャンプ経験などほとんど記憶になく、そもそも誘われもしない。
日が沈むと肌寒さを幾分感じる秋の夕暮れ。商店街(エスト本町)を歩きながら空き店舗の状況を眺めていると、商店街内の公園(正式名称は存じ上げぬので「エスト本町公園」とする)に巨大なテントを張っている御仁がいた。
何だ、こりゃ?ナウシカに出てくるオームのような形状である。不審者か、それとも空き店舗に出店できない新手のスタイルの新規出店希望者か……。遠目からだったので誰かも分からず、そのまま素通りした。
ミッション終了後、商店街や商工会議所や市役所の御仁たちと恒例の懇親会。トマトかな、トゥッティかな。はたまた違う店かな。
U島氏に場所を尋ねたら「バーベキューです」と一言。<TOMATO>の店頭かなと思いきや、向かった先はエスト本町公園。バーベキューの準備が完全に設えられていた。
夕方見かけたテントは、グランピング的演出だった。しかも我らがバーベキューをするために。仕掛けたのは<TOMATO>のオーナー。BBQのために2人別途アルバイトを雇っていた。そのうちの一人が商店街A部会長のご子息だった。
缶ビールで乾杯。巨大なスペアリブが焼かれ始めた。鍋奉行ならぬBBQ奉行に事欠かない。私は缶ビールや缶ハイボールを痛飲しながら、ひたすら喰って談笑する。
スペアリブの豪快な旨味は落涙もの。塩コショウのシンプルさが悶絶を引き起こす。巨大ステーキも蕩けるようだ。キャベツの浅漬けもシブい役割をこなしている。
海鮮アヒージョとバケット、極上ウィンナー、焼きおにぎり、鮭のホイル焼き。極めつけは入れたて珈琲と絶品巨大チーズケーキである。グランピング的な経験は初だが、これは最高である。ただし私は何一つ手伝っていないからだろうが。
23時を回った。オーナーとバイトたちがすべて撤収して下さるという。お言葉に甘え、U島氏と代行待ちのS本氏とショコラへ。しかし閉まっていた。その下にあるショコラのママのママが経営する小料理屋<三庵>へ。
やはり体が冷えていた。焼酎湯割りの後は熱燗。毛細血管まで暖かさが染み込む。山葵の効いた板わさが鮮烈。先ほどのグランピングと真逆世界。やはり居心地が良い。一方でこれからキャンプに目覚めそうである。グランピング的キャンプ限定だが。
まさかの商店街BBQ。
ガンガン焼きます。
デザートも豪快。
片付け手伝えずすいません。
ほっと一息。