2021年01月29日

第2616夜:ラーメン滑走路【福岡空港(福岡)】(その5)

 ■8番ゲート「モヒカン」極上特製モヒカンらーめん煮玉子入り+元祖焼き替え玉

 新型コロナが全世界で猛威を振るい、福岡空港も例外なく閑散気味な2020年3月中旬の正午。

 新しくオープンしたっぽい<モヒカン>で「極上豚骨モヒカンらーめん煮玉子入り(930円)」召還。紙エプロン有料(50円)や店のステッカー(500円)、お冷呑み放題(無料)の表示に不思議な世界観を感じる。なんか落ち着かない。

 肝心のラーメンは久留米系だがあっさり。スープの下にチャーシューが数枚隠れていて発見した時の喜び倍増。

 替玉(150円)もあったが「元祖焼き替え玉(380円)」なる不思議ちゃんを追加。熱々の鉄板にスープをレンゲで6回。一瞬でジュージュー沸騰。

 この焼き替え玉、パリパリと香ばしい。私には本体より旨いと感じた独特な下克上。

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■9番ゲート「海鳴」:魚介とんこつチャーシューメン+替玉

 こってり濃厚な二日酔いの真夏の朝。福岡空港に来るのも、飛行機に乗ることすら5カ月ぶり。新型バカコロナは確実に私の麵ライフにも影響を及ぼしている。

 空港、ガラガラである。時間は11時前とはいえラーメン滑走路も空いている。9軒目となる<海鳴>へ。魚介とんこつラーメンが看板メニューらしい。

 チャーシュー増しと替玉チケットも購入。カウンターで待つ。すぐに着丼。胡椒とゴマをパラリし、まずはスープ。

 ……。超濃厚である。二日酔いの粗治療としては刺激がきつすぎる。替玉もツラくなったが、紅生姜でキリリとさせて気合で鳩啜。しかしスープ最後まで飲みきらんかった。

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■10番ゲート「博多一幸舎」:豚骨ラーメン+替玉

 ラストは王道的有名店。私もどこかで啜ったはずだが覚えていない。

 トッピングやらスペシャルやらに飛び込んでしまうと加速度的に激高になる。最もシンプルな豚骨ラーメン(780円)に替玉(150円)。ラーメン780円は空港価格なのだろうか。

 麺の硬さ普通が降臨。チャーシュー2枚は嬉しい。メンマ多め。味はこれぞ博多屋台といったお味。替玉を投下。辛子高菜と紅生姜もぶち込んで確変。

 時間は15時。この日の一食目。空腹は最大の調味料である。

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■ミステリ

 これで1年半かけて10店舗制覇した。…‥。あれ、ラーメン店は9店舗しかないのに……?

 一番最初に啜った酒田ワンタンメンのお店<花鳥風月>が他の店と入れかわっていた。

 気づかなかった。酒田ワンタンメンは私にとって喜多方、宮古と並ぶご当地ラーメン御三家。福岡空港で啜れないなら、やはり酒田まで足を運ばねばならない。〔終〕
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2021年01月27日

第2615夜:ラーメン滑走路【福岡空港(福岡)】(その4)

 まだまだ昼食には早すぎる時間帯な10時30分。店内は私一人。カウンターではなく優雅にテーブル席でメニューを見る。

 「鮭冬葉(さけとば)塩」などいかにも北海道らしいブツもあるが、ここは「焼豚味噌」である。

 メシものも喰いたくなった。ミニいくら丼(880円)、山わさび巻などに心動くも、「ウニ醤油の玉子かけご飯」(380円)を召還。ウニ醤油、心ときめくではないか。

 ぼんやり水を飲みながら店内を見渡していると、ブツが降臨。はみ出さんばかりの焼豚が迫力である。進化が止まらない札幌系味噌とお見受けする。紙エプロンが欲しい雰囲気だ。

 店員さんはその気持ちを察したのか「紙エプロン、お使いなりますか?」。瞬殺で首肯しながら「お願いします!」。

 すかさず店員さんはポケットから丁寧に折りたたまれたブツをを「はい、どうぞ!」。しかもペラペラで結ばねばならぬタイプではなく、そのままスポットかぶれる丸首タイプ。天晴である。

 生唾を呑みながら胡椒をパラリ。さっそく啜ろうとしたら、店員さんが別皿で大きなチャーシューを運んできた。うん?特に追加していないが……。

 戸惑っていると「そちらのチャーシューが少し薄いので、もう1枚お持ちしました」。

 魂のレベルから震えた。少しも薄くないチャーシューなのに。メニューを見れば、1枚150円。サービスの斜め上を行く、誠実。リピーターを掴むコツを心得ていらっしゃる。

 スープを啜る。……。喘ぎ声が漏れそうになる超絶味噌。どうすればこの味のグラデーションを構築できるのか。麺も黄色いかん水が効いたちぢれ。これが味噌と辛み絶妙のエロさに。

 チャーシューは焙っているバラ。噛みしめるほどに柔らかく旨味が湧き出る。これが、2枚もある。どこが薄いのか。分厚いのに。札幌進化系はすりおろし生姜がチョンと乗っているものが多い気がする。後口がさっぱりする。

 大満足で完啜。丼にはスープが3分の1ほど残留。ここで、ウニ醤油玉子かけご飯である。

 スプーンで混ぜて、口に運ぶ。……。「アハッ」と思わず笑い声が出た。一本取られた。玉子かけご飯がウニ醤油にになるだけでこんなに旨く、上手く、美味く、巧く、甘くなるのか。家庭再現困難な逸品。大正解である。

 ウニ醤油玉子ご飯を口に運びながら、極上の味噌スープを味噌汁代わりに。下品という名の作法。しかし、やめられない。

 数年前の新千歳空港での評価が完全に裏返った。今度新千歳ラーメン道場に足を運んだら、もう一度絶対に手合わせをお願いしたい。礼節の気持ちをもって。〔次夜最終〕

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2021年01月26日

第2614夜:ラーメン滑走路【福岡空港(福岡)】(その3)

 魚介好きゆえ潮とんに惹かれたが、初啜の店では定番が王道。私は保守的である。「純系」「らーめん」という表記が少々面倒くささを感じさせる。替玉が180円と割高感全開なので、餃子ご飯セット(290円)に。

 ぼんやりしているとブツ登場。胡椒パラリし、まずはスープ。……。なかなか熱々で普通に旨し。チャーシューもブ厚め2枚。後半は紅生姜、辛子高菜で味を確変。生にんにく&すりおろし機というテンションMAXなアイテムが完全に聳えるも、ミッションを控える身。涙をこらえた。

 麺を啜り切り、余ったスープを味噌汁代わりにライスと餃子を交互。今度は「潮」を試すか。

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■6番ゲート「凪」焼きあご薫る煮干ラーメン特製大盛

 2日連続滑走路に着陸。昨昼は同じ滑走路の博多豚骨だったので、今昼は濃厚煮干気分。迷わず国内外で煮干フェチの心をつかんで離さない<凪>へ。私もこれまで名古屋、大宮で手合わせした経験がある。抱きしめたくなる魅力に溢れていた。

 この店にしかなさそうな「博多焼きあごだし豚骨」という新機軸を攻めようとしたが、定番の「焼きあご薫る煮干ラーメン」の魅力に抗えない。その特製(1,120円)のボタンを押す。

 3度目だがいまいちルールを覚えていない。カウンターの席ごとに画面があり、券売機のバーコードを読み取ると麺の量や辛さなどが選べる画面が。これで追加注文でできるらしい。クールでハイパーだ。麺は大盛、後は普通で。

 程なくして、ブツが飛来してきた。海苔が黒屏風のごとき異相を放つ。まずは胡椒をパラリ。スープ。……。体中の煮干欲求細胞が喜んでいる。ちぢれ太麺のモチモチとスープカラミがエロすぎ。チャーシューに笑みが漏れ、半熟卵をトロリが煮干をスターにする。

 ラストは「にぼし酢」をぶっかけて味を引き締める。かけすぎは禁物だ。最後の最後はビロビロの極太平麺が乗っている。これをビロビロと啜る。

 スープ一滴残さず、丼が空に。……。底に至言が刻まれていた。「我が煮干に一片の悔いなし」。私もラオウのように天に拳を突き上げそうになった。

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■7番ゲート「弟子屈」焼豚味噌ラーメン+ウニ醤油玉子かけご飯

 今回は<弟子屈>。北海道系である。新千歳空港ラーメン道場にて数年前に全店一番人気とある「魚介しぼり醤油」を啜った際、正直申し上げてピンとこなかった。その日の体調や気分も左右しているのかもしれない。ラーメン道場10店舗の中でも最も印象が薄い。よってそれ以降足を運ぶこともなかった。

 後日、札幌の麺友・U氷氏から七厘会の際に「弟子屈は、味噌」とアドバイスを頂いた。私は那覇空港へ旅立つ前だったが、福岡の空港で豚骨系ではなく北海道の味噌ラーメンを啜ってから沖縄へ飛ぶのもスケールが大きいような気がしないでもない。〔次夜その4〕
posted by machi at 06:36| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月25日

第2613夜:ラーメン滑走路【福岡空港(福岡)】(その2)

 ほどなくしてブツが着丼。黒コショウをパラリし、「黒七味」という創業300年以上の老舗の逸品もふりかけ、まずはスープ。……。いわゆるひとつの「豚骨+魚介=Wスープ」系である。つけ麺でもっとも多いタイプ。昔は少し抵抗があったが、今はすっかり虜である。

 麺は太くてモチモチ。濃厚な魚介豚骨スープとベッドでもつれ合っている。チャーシューも分厚いロースで私好み。それほど空腹でなかったにも関わらず、あっという間に丼が空に。

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■4番ゲート「金斗雲」特製黄雲

 令和元年11月28日に期間限定で着陸したらしい。私がこの機内に乗り込んだのがその6日後のお昼時。店内は満席で活気に満ちている。

 昼時でも混みあっている滑走路とガラガラの滑走路と明暗がくっきりと分かれている。観た感じでは、九州系以外は苦戦しているようだ。ラーメンの詳細な区別がつかない外国人や地元九州人以外で福岡に来てご当地以外を啜ろうと思う御仁はあまりいないのかもしれない。

 「黄雲」「黒雲」「白雲」があった。券売機の前で意味が分からず戸惑うが、人気1が「黄雲」の「特製」らしい。1100円に怯むが、スイッチを押す。普通の雲(白雲)や雨雲(黒雲)に乗るよりも金(黄)雲に乗って天竺へ向かいたいものである。

 着座。水を飲みながら店内POPに目を凝らす。「黄雲」が味噌系、「黒雲」が醤油系、「白雲」があっさり系という。鹿児島が拠点らしく‘鹿児島進化系ラーメン’のキャッチが踊る。

 コクと旨み豚&鶏のダブルスープと書いてある。モッチリ中太麺、炙りサイコロチャーシュー、シャキシャキもやし、玉葱と香ばしい揚げネギを使用しているそうだ。特製は基本バージョンにチャーシューが増量され、煮卵が入っているという。

 「特製黄雲」が飛んできた。期待通りのビジュアルである。その2日前、私は札幌と富良野で味噌ラーメンを啜っている。我がバカ舌でも味噌には少々ウルサクなっている。

 胡椒をパラリ。卓上の紙ナプキンを広げて首筋に装着し即席紙エプロンを装着。まずはスープ。……。これは、ハマる味。北海道の進化系味噌よりはあっさりでサラリとしているが、旨味が濃い。麺はストレートでいかにも九州っぽい。チャーシューも抜群。

 汁1滴残さず飲み干した。丼はすっかり空に。私は悟空気分だったが、店を出るときは猪八戒に確変した。まあ、普段から猪八戒ですが。

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■5番ゲート「まんかい」純系博多らーめん+餃子ごはんセット

 ある冬の正午に那覇空港から福岡空港ラーメン滑走路に間髪入れず着陸。それほど時間があるわけでなく、すぐに入れた<まんかい>へ。

 大きく分けて味は3つ。定番らしい「純とん(純系博多らーめん)」790円。これに魚介系のエキスを足した「潮とん」、トマト味の「トマとん」。〔次夜その3〕
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2021年01月24日

第2612夜:ラーメン滑走路【福岡空港(福岡)】(その1)

 ラーメン滑走路。リニューアルされた福岡空港に出現した世界一魅力的な滑走路である。10店舗が軒を連ねている。うち1店舗は何故かスィーツ店なので、実質は9本の滑走路。こんなに滑走路を有している空港は全世界で福岡だけではなかろうか。

 滑走路の構成は福岡系に特化していない多様性がポイント。北海道、山形、東京、鹿児島などの有名店も軒を連ねている。離発着の多い空港らしく、期間限定店舗が多いため入れ替わりも激しく常にチェックが欠かせない。

 この滑走路がいつ竣工したのか存じ上げないが、ある初夏の朝、花巻空港へテイクオフする前にラーメン滑走路へタッチダウン。以降、幾度となく発着陸を繰り返した。

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■1番ゲート「花鳥風月」花鳥風月ラーメン

 山形県酒田市のワンタンメンの雄である。2015年度に私は酒田へ10回以上足を運んだ。毎回の楽しみがワンタンメンである。

 S名誠先生が酒田のワンタンメンはすべての麺類の中で日本一と断言されている実力。私は「月系」によく攻めていたが、花鳥風月は初めてかもしれない。

 「花鳥風月ラーメン」のボタンを押す。1050円という価格に怯むが、それだけの価値はある。しかも福岡で啜れるのだからその価値は倍加する。

 5年ぶりの酒田ワンタンメンが運ばれてきた。肉と海老のワンタンが3ヶ。まずはスープ。……。あっさりと滋味深い。懐かしさがこみ上げる。麺の喉ごしも申し分なし。そして、ワンタン。

 ……。まさに「雲を呑む」官能。フワフワのトロトロ。ふと気づけば丼は空に。

 店内ポスターは酒田市長がラーメンを啜っている。キャプションが面白い。「実際、撮影時に二杯完食した山形県酒田市ラーメン大好き市長〇〇〇」。私ももう1杯完食したくなった。

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■2番ゲート「玉龍」玉龍ラーメン

 福岡屋台系らしい。一番シンプルな看板メニュー700円を召還。王道の味。辛子高菜が明太子入りである点がポイント高しである。

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■3番ゲート「つじ田」濃厚特製らーめん

 行列ができるという東京系の有名店だが、こういった店に並ばずに啜れるのも滑走路の魅力。

 つけ麺がメインのようだが、私は普通に汁系で飛びたくて「濃厚特製らーめん」に。

 券売機のチケットを店員さんに渡すと「つけ麺じゃないですが、大丈夫ですか?」と念押しされる。私は力強く首肯。店内を見渡すと全員つけ麺のようである。

 カウンターに着座して紙エプロンを装着。紙エプロンも自分で首後ろでくくらねばならないペラペラ紙ではなく、そのままかぶることができる高品質タイプである点もポイント高しである。〔次夜その2〕
posted by machi at 08:05| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする