2020年11月09日

第2559夜:牛丼戦争〜神戸にない神戸牛丼編〜【Aho‐Boiled】

 <神戸Rんぷ亭>。Y野家、M屋、Sき家の3大メジャーから百万馬身ほど離されているのかもしれないが、東京都内で見かける牛丼チェーンである。これまで田町、国分寺で生息を確認したことがある。

 私は生まれも育ちも今も神戸の生粋である。いつの間にか消えたカツと牛丼を合わせた独自スタイルの神戸牛丼?<珍丼亭>は神戸にあったが、これ見よがしに「神戸」と冠が乗っている<神戸らNぷ亭>は神戸では見かけない。どうやら、都内限定であるようだ。

 神戸市民なのに神戸系牛丼を東京都内でしか味わえないという不思議。おそらく神戸の繁華街に昔からある「北海」「熊五郎」ラーメンを北海道内で見かけないようなものだろう。

 神戸で味わえない神戸系を堪能すべく、生息を発見すると思わず近寄ってしまう。牛丼のつもりがつい「さば味噌煮定食」を頼む。大きな鯖味噌、たっぷり漬物、きんぴらごぼう、ライス、味噌汁という王道。紅生姜と鯖味噌が絶妙にマッチングしている。

 旨いのだが、そもそも牛丼チェーンで鯖味噌というのはシュールすぎる気もする。愛読コミック『めしばな刑事タチバナ』(徳間書店)でも鯖味噌定食が紹介されている。

 この店の牛丼は「醤油牛丼」という。並盛390円(2014年夏現在)。肉は幾分固めで最初あっさりだが、噛むほどにコクがある。私は牛丼屋では噛まずに飲み込むようにしてノドに放りこむのでその妙味は分からぬが、飽きの来ない味付けで好ましい。

 M屋の3種ソース(ポン酢・バーベキュー・カルビ)は別にして一般の牛丼チェーンは、薬味は基本的に紅生姜である。甘め辛めの差はあれど、基本ラインは変わらない。

 神戸らんP亭も紅生姜はどっしりと王のごとく鎮座されているが、その横に王女が王に負けぬ存在と気品を放っている。王女の正体は「福神漬」。これもたっぷり食べ放題。

 王と王女のツーショットは牛丼チェーンではらNぷだけではなかろうか。牛並390円という業界屈指の高価格も納得させられる。

 ある昼。カウンターで醤油牛丼を嬉しく頬張っていると、隣のウォークマンを耳にしたままゲームに興じている青年の前に「かつ牛丼で〜す」と店のお姉さんが盆を置いた。

 かつ牛?思わず目を向ける。はっきりとビジュアルは分からなかったが。20年前に絶滅したと思しき<珍丼亭>のかつ牛丼を思い出した。

 神戸で崩壊したが、その神戸DNAが東京都内で根付き独自の進化を遂げたのだろうか。そもそも<神戸らんP>亭は遥か前から東京に根を下ろしていたのだろうか。

 アラスカ人の顔がモンゴロイドであるような、地球と人類の神秘。390円の牛丼を頬張りながら、私は人類創生の大陸大移動に想いを馳せた。

201109神戸らんぷ亭@.jpg

201109神戸らんぷ亭A.jpg
我がバイブル。

(付記)
いつか忘れたがネットニュースか何かで「神戸らNぷ亭」が完全にこの世から滅失したことを知った。神戸どころか、世界から消えた。
今回のバカブログをいつ書きだめて死蔵していたのかすら覚えておらず、画像も残っていない。読み返しても1oも思い出せない。まさに幻。
惜しむらく閉店したそうな盛岡<柳家>再起応援4夜連続アップ後ゆえ、死蔵ストックから何となくひきづって引っ張り出してきた次第。
「いつまでも あると思うな ソウルフード」。
皆さま、今夜もご安全に。
posted by machi at 14:10| Comment(0) | あ〜ほボイルド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする