2020年09月09日

第2519夜:両面とも表【岡山(岡山)】

 タイムサービス。桜満開な2020年4月上旬、神戸から岡山へ向かう途中、姫路駅でわざわざ途中下車して<えきそば>へ。平日限定タイムサービス中(14:00〜17:00)で天ぷらえきそばが330円に(380円)。啜らずにいられない。汁1滴残さない熊啜。

 表町商店街ミッション終了後、諸事情で一人呑みに。せっかくなので商店街内の居酒屋を物色。

 西大寺町のビル前に看板が。<萬唐屋>。奥まった所にあるようだが、入り口がどこか分からない。引き戸があった。そこに名刺より小さな箸袋サイズの張り紙がピンと止められていた。<萬唐屋>。屋号通りのバンカラスタイルに怯む。しかし、グイッと引き戸を開けた。

 マスターが一人カウンターに。店内は広く2階もある。コロナの影響で客足が途絶えたようで、客は私だけ。

 カウンターに着座し、まずは瓶ビール。アサヒとキリンを聞かれ、普段は何故かキリンだがアサヒの気分だった。世の太平を願うなら麒麟に来てほしいが、まずは朝日が昇ってほしい。

 お通し3種をツマミにマスターと談笑。移転を含めて30年以上居酒屋を続けているという。その長き居酒屋人生の中で、2020年の春ほど客足が途絶えたことはなかったという。岡山最大の歓楽街・中央町も閑古鳥が凄まじい勢いで繁殖しているという。

 メニューは豊富である。しかし、一人なのでそれほど食べられない。本日のオススメを観る。刺身、和食、洋食、中華。カレーもある。どれも呑んだくれの心震わせるセクシーさだ。

 ビーフカツがあった。980円である。洋食屋より安い。個人的には「ビフカツ」と呼称したい。マスター曰く、いい肉が入ったそうで自信作であるという。楽しみである。

 ハイボールに切り替えてグビグビやっていると、ブツ降臨。大きい。分厚い。デミグラスの掛かり具合が官能的である。はだけた浴衣のようである。

 口に運ぶ。……。これ。これである。柔らかい。ビフカツは霜降りであってはいけない。脂で揚げるのだから。分厚い。ほのかにレア。デミも見事な深み。噛みしめるほどに赤身肉の上品な旨味が溢れだし、溺れそうになる。

 たっぷりと満喫した。牡蠣と言えば広島、三陸、厚岸あたりかもしれないが、岡山の日生も牡蠣どころ。カキオコ(お好み焼き)が有名だ。牡蠣バター焼きを注文。もうシーズンが終わるのでラスト牡蠣。これはラッキーである。

 程なくして、大振りのプリプリが降臨。口に運ぶ。……。ワヒャーと唸った。海のミルクが弾けだした。そこの山のミルク(バター)が絡む。絶妙の火加減。お店にとってはタイヘンだが、コロナ不況でマスターの絶品料理とトークと店を独り占めできる幸せを味わう。

 2軒目は<コイン>。3回目である。私はラフロイグを入れている。店内は先客が2名。70年代の懐メロを唄っている。今夜はバーではなくカラオケスナックモードのようだ。

 岡山人は割と人見知りらいしのだが、先客たちも私に色々話しかけてくれる。岡山といえばママカリ、桃太郎、千鳥、マスカットぐらいしか思いつかないが、黄ニラが有名らしい。白桃も外せないという。

 先輩二人が帰られて入れかわりで、見た目と雰囲気から明らかに美容師と分かる50代の御仁が。グデングデンである。

 現在進行形で付き合っている彼女とけんかと仲直りを繰り返しているそうで、この夜は喧嘩モード。ママから電話しなさいと説教されている。

 私にもすさまじい勢いで唾を飛ばしながら立ったり座ったりと話しかけてくる。ママは酔っ払いから私を守ろうと全力を尽くしてる。しかし、これが呑み屋の、場末の醍醐味である。

 コインという店の屋号の意味が分かった。バーとしての面と、場末スナックとしての面。私にとってはどちらもが表町の表面である。

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これを啜らずして姫路駅を素通りできぬ。

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入りにくさの極北。

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私が知る限り、世界最小の看板。

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「麒麟」に来てほしいけど、今は「朝日」が昇ってほしい。

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ビフカツ。頼まずにいられない。

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プリプリ。

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<コイン>にて。
posted by machi at 14:07| Comment(0) | 岡山県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする