2020年06月28日

第2473夜:FEEL THE WIND【富良野(北海道)】(前編)

 FURANOおもてなしマンスリー〜親子の絆から世界の絆へ〜。

 世界中から観光客、スキー客が訪れる圧倒的知名度を誇る北海道富良野市。その中核商店街である新相生商店街で2020年1月10日から24日まで開催された、外国人に日本文化を体験してもらいながら地元人と交流を深め、更なる富良野ファンになってもらいリピーター獲得につなげたい欲張りな一大フェスティバルである。

 サブタイトルは「FEEL THE WIND」。雪の時期だけでなく1年中フラノの新たな風を感じてほしいという想いが込められている。命名はN村氏率いる青年部であるという。

 新相生商店街コンシェルジュ1階<エベルサ>で開催される「FURANO FEEL THE WIND」。イベントとしては1月10日・17日・24日という金曜の17時開催。私はその2回目の1月17日に、二日酔いを抱えながらバスで富良野へ向かった。

 3時間半かけて富良野着後<小玉家>へ直行。この店の塩チャーシューメンを愛してやまない。これぞ塩の王道。私がこれまで啜ってきた「塩」の中でぶっちぎり1位。蕎麦屋さんなのに旨すぎる。

 量たっぷりで、チャーシューも噛みしめるほどに旨味。これまで醤油か塩の岐路に立たされた時は迷わず醤油だったが、この店ではこれから塩が我が定番になりつつある。

 大勢の外国人観光客、地域住民の方がご来場。餅つきや日本の伝統遊び(だるま落とし・すごろく・おはじき・けん玉・コマ廻し・お手玉・福笑い等)をご満喫頂く。まさに世界各国から富良野へ。地域住民との交流も微笑ましい。

 餅を搗くたびに「ヨイショ〜」の掛け声が響き渡る。外国人の老若男女、国籍を問わず餅つきを体験。計3回搗いた後は、つきたてのお餅を4種類の味(きなこ・餡子・砂糖醤油・海苔醤油)で頂ける。搗きたては一味違う気がする。

 富良野の夏の奇祭「へそ踊り」実演もあった。司会(マオ嬢)からのムチャぶりで私の出っ腹が急遽鑑賞用にペインティングされることに。全く心の準備はできていないが、応えねばならぬ。

 自衛官が本業という図腹師がちょこちょこ下ネタをかましながら小声でささやいてくる。「ここが一番感じるだろう〜」。それを外国人司会者に通訳しろとささやいている。

 5分も掛からず図腹完成。自分の姿が見えないのでどんな絵なのかわからない。へそ踊り保存会の皆さまと一緒に私もへそ踊り。少し恥ずかしいが「一緒に写真撮ってください」と何人かからリクエストされご満悦。普段は絶対にそんなこと言われないのでつかの間のスター気分だ。

 25年前の1月17日は阪神大震災で実家兼店舗が全壊全焼し、家族の安否も分からず札幌でTV観ながら呆然放心していたが、25年後の1月17日は富良野で25年前より25s以上魅力を増した我が出っ腹にペインティングされて腰をフリフリへそ踊り。平和なものである。

 終了後、シャワーを浴びに部屋に戻る。1階がイベント会場、3階が宿泊施設なのでいったん外に出てエレベーターに乗る。上着を着たいが汚れてしまうので裸のままいったん会場を出る。極寒が身を襲う。

 エレベーターに乗り込んだ瞬間、イベント会場では見かけなかったご婦人が1人、エレベーターに小走りで乗り込んでいた。ドアが閉まった。私の腹を観て明らかに目を剥いている。

 氷点下マイナス10度の冬の夜に上半身裸で腹にペインティングされているオッサンと密室で二人。私も気まずい。1階から3階までなのだが、昇降時間が永遠に感じられる。

 まもなく3階というタイミングで、沈黙に耐え切れなかったのか女性がひきつった笑顔で私に声をかけてきた。

 「どうかされたんですか?」

 ……。確かに、どうかしている。〔次夜後編〕

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おもてなし満載。

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蕎麦屋で味わえる最高の塩チャーシューメン。

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ヨイショ〜!

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国際色豊かな賑わい。

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図腹師が私をペインティング。

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へそ踊り保存会に交じって。

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商工会議所O玉氏と。
posted by machi at 12:56| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする