2020年06月20日

第2470夜:空と山【会津若松(福島)】

 七日町通り。会津鉄道七日町駅から神明通り商店街方面へ延びる、魅力タップリの観光型商店街である。シブい古民家やレトロな建物の魅力を駆使したお店が軒を連ねている。

 ある冬の午後。雪が積もっていない七日町通りをブラブラと神明方面へ歩く。いい街並みである。プランプラン歩いていると、小腹が減ってきた。

 この日は朝食として春日部駅ホームの立ち食いラーメンを啜っていた。ソースカツ丼や会津バーガーにも途中惹かれたが、「喜多方」という字面が視界に入ればスルー出来ない。

 こんな時間(たしか15時ごろ)でも通し営業中だった<空山>というラーメン店へ飛び込む。店内も外観も激シブではなく、おしゃれなcaféの雰囲気だ。

 このテのお店は一瞬、ハズレかと思わせる。ラーメン好きなら首肯する感覚だろう。しかし地元民と思しきオヤジ2人が店内で一心不乱に啜っている。期待が持てそうだ。

 着座してメニューをさらり鑑賞。バリエーション豊富である。醤油系が「空」、味噌系が「山」、塩系が「雲」、魚介系が「時雨」。

 少し面倒な雰囲気だが、おそらく定番かつ王道っぽい「空」の肉盛(税込910円)を召還。他にも期間限定系などがあった。

 店内を見渡す。「古き良き昭和の喜多方ラーメンここに進化」というポスターが。テイクアウト商品も。たまたま七日町通りで開いていたので予備知識なく飛び込んだが、かなりの人気店なのかもしれない。

 程なくしてブツ降臨。思わず生唾を呑む。肉たっぷりである。胡椒をパラリし、まずはスープ。

 ……。涙がこぼれそうになった。会津の魂・亀ヶ岡城(未だ未踏ですが)が震えだした。新選組が脳内を駆け抜けた。スッキリしているのに、深海1万b級の底知れない奥深さ。

 麺はモチモチの縮れ太麺。ツルツルと唇を統べる食感が官能を極めている。チャーシューは噛みしめるほどに旨味が増す。脂少な目(ロース)も私にとって好ポイント。葱の爽やかさも嬉しい。

 気づけばあっという間にすべて滅失。眼前には洗い立てのような丼だけ。旨いを通り越して、気持ちいい。魂が鳴動しながら店を出て、神明通りを目指した。

 それから6時間後。神明通り商店街ミッション全6回が終了。理事長のお店<ハジャイ>でかに鍋、〆の雑炊を満喫しながら黒生ビール、熱燗を鯨飲していた。談笑の中で、私が遅昼に<空山>で啜った旨を報告した。

 地元民たちは笑顔で頷いている。地元民にとっても評判のお店らしい。喜多方で創業したらしいが瞬く間に規模を拡張しているという。

 予備知識なく入った私のラーメン嗅覚もまだそれほど衰えていないのかもしれない。

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壮大なスケールの屋号。

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「空」の肉盛。

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世界一入り難いコミュニティカフェ<ハジャイ>にて。

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かに鍋。野菜も旨し。

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雑炊。感涙。
posted by machi at 07:27| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする