ある1月の日曜の夜。JR鹿沼駅近くの<中華料理 嘉蒂>で旨し中華と旨し酒を7人でたっぷり堪能し、いざ2軒目という運びに。しかし、日曜日。時間は20時半ごろとはいえ開いている店があるのだろうか。カラオケボックスだろうか。
鹿沼ではほぼ常に一軒目から最後まで<パブリックハウス六本木>。一度だけ<山いち>からの<六本木>があったか。
Ⅿ子氏から2軒目は「かなりディープですよ」と代行便乗して連れて行って頂いたのが冒頭の<夢や>。最初、どこに店があるか分からなかった。
駐車スペースの奥まったところに入口らしき風景が。……。全然気づかない。看板には「お気楽にどうぞ」とあるが1000%お気楽に入れない店構え。そもそも、暗い。本当に開いているとは信じがたい漆黒っぷりだ。
店内はカラオケがメインに据えられている居酒屋。L字カウンターと思しきゾーンが存在しているが、完全に物置に。
ママは169pの私より遥かに背が高い。初期の頃の『北斗の拳』にこのようなシーンがあったことを何故か思い出す。
店内には先客がお一人。ガッツ石M氏の初恋の相手だったらしい焼きそば屋のママさんという。……。ここは異世界か。情報量が多すぎて混乱する。
トイレに行こうとしたら、奥からいったん店に出ないといけない。裏口からトイレまでがまるでロールプレイングゲーム。真っ暗で見えない。私は出っ腹が邪魔で自由に動けない。
<嘉蒂>でテイクアウトした焼きそばやママの手料理をツマミに談笑する。ママが呑んで呑んでとサービスして下さった結構プレミアムな赤ワインなどを私一人で1.5本空けてしまう。
7人で4時間ほどカラオケ。ママのダンスというか踊りが独特。途中、ママからとろろ卵ごはんと味噌汁が。これがこだわりの味付け。落涙の旨さ。
ママと少しお話しする。路面店で30年以上営業されているそうだが、これまでイチゲンで入ってきた者が一人もいないという。あまりにも濃すぎる世界観。鹿沼に<六本木>より濃い店はないと油断していた。ディープとは聞かされていたが、想像よりも遥かに斜め上を行く。
A子氏とⅯ子氏以外、他の同行氏たちもこの店は初めてだったらしい。お会計も驚愕驚天動地の安さだった。
度肝抜かれながらタクシーで宇都宮の定宿へ。ちなみにタクシー代、ママのお店の一人当たりの割り勘料金の3.1倍だった。

イチゲンでとても入れない店構え。

この写真では分かりにくいが、店内は独特のレイアウト。

熱唱。

絶品。