2020年06月11日

第2465夜:六本木の遥か斜め上【鹿沼(栃木)】

 <夢や>。鹿沼市のド中心街とはいえないが、一応路面店にある居酒屋である。……。一概に居酒屋という単純な言葉で括ってしまってよいが自問してしまう世界観に満ちている。

 ある1月の日曜の夜。JR鹿沼駅近くの<中華料理 嘉蒂>で旨し中華と旨し酒を7人でたっぷり堪能し、いざ2軒目という運びに。しかし、日曜日。時間は20時半ごろとはいえ開いている店があるのだろうか。カラオケボックスだろうか。

 鹿沼ではほぼ常に一軒目から最後まで<パブリックハウス六本木>。一度だけ<山いち>からの<六本木>があったか。

 Ⅿ子氏から2軒目は「かなりディープですよ」と代行便乗して連れて行って頂いたのが冒頭の<夢や>。最初、どこに店があるか分からなかった。

 駐車スペースの奥まったところに入口らしき風景が。……。全然気づかない。看板には「お気楽にどうぞ」とあるが1000%お気楽に入れない店構え。そもそも、暗い。本当に開いているとは信じがたい漆黒っぷりだ。

 店内はカラオケがメインに据えられている居酒屋。L字カウンターと思しきゾーンが存在しているが、完全に物置に。

 ママは169pの私より遥かに背が高い。初期の頃の『北斗の拳』にこのようなシーンがあったことを何故か思い出す。

 店内には先客がお一人。ガッツ石M氏の初恋の相手だったらしい焼きそば屋のママさんという。……。ここは異世界か。情報量が多すぎて混乱する。

 トイレに行こうとしたら、奥からいったん店に出ないといけない。裏口からトイレまでがまるでロールプレイングゲーム。真っ暗で見えない。私は出っ腹が邪魔で自由に動けない。

 <嘉蒂>でテイクアウトした焼きそばやママの手料理をツマミに談笑する。ママが呑んで呑んでとサービスして下さった結構プレミアムな赤ワインなどを私一人で1.5本空けてしまう。

 7人で4時間ほどカラオケ。ママのダンスというか踊りが独特。途中、ママからとろろ卵ごはんと味噌汁が。これがこだわりの味付け。落涙の旨さ。

 ママと少しお話しする。路面店で30年以上営業されているそうだが、これまでイチゲンで入ってきた者が一人もいないという。あまりにも濃すぎる世界観。鹿沼に<六本木>より濃い店はないと油断していた。ディープとは聞かされていたが、想像よりも遥かに斜め上を行く。

 A子氏とⅯ子氏以外、他の同行氏たちもこの店は初めてだったらしい。お会計も驚愕驚天動地の安さだった。

 度肝抜かれながらタクシーで宇都宮の定宿へ。ちなみにタクシー代、ママのお店の一人当たりの割り勘料金の3.1倍だった。

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イチゲンでとても入れない店構え。

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この写真では分かりにくいが、店内は独特のレイアウト。

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熱唱。

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絶品。
posted by machi at 09:28| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする