世界一の大さつまいも掘りフェスティバル「おいも掘りでギネス記録🄬に挑戦!」。さつまいもシーズンとなる秋、さつまいもの一大生産地・茨城県行方市「なめがたファーマーズヴィレッジ」で開催された。
当初は2019年10月中旬だったが、台風災害を考慮し11月4日に延期。見事1233人の世界記録が認定された。
浮世のやんごとなき事情で私はこの一大プロジェクトの総合アドバイザー的な役割を仰せつかっていた、芋掘りなど未経験だし、農業分野の知識など髪の毛ほどもないのだが、このプロジェクトは私が2018年度からお世話になっている行方商業協同組合の共催事業でもあった。
しかし、肝心の本番の日、私は岩手県宮古市に滞在しており、ギネス達成の瞬間に立ち会えなかった。その翌日の会議で状況を確認。以降、月1回ペースでギネス達成後の展開について話し合いを重ねてきた。
ギネス達成から20日ほど経過した土曜の正午過ぎ。行方商業協同組合事務所で3回目の会合が開かれた。その席でO竹理事長が冬場だけ蒟蒻を製造販売していることを知った。
確か理事長は牛乳屋さん。夏はアイスキャンディもだったか。理事長曰く、冬はアイスが売れないので何かやろうと蒟蒻を作り始めたという。それも完全に手作りだ。
旨そうですね!と叫んでいたら、理事長が待ってろと中座。程なくして大量の蒟蒻と味噌を手に戻ってこられた。理事長はT美さんに調理方法を指示。後から知ったが、蒟蒻を4等分し、お湯で2、3分茹でて温めただけという。食べ方は田楽がオススメという。
味噌田楽、風情がある。理事長が私の腹を一瞥しながら「食べても太らないから」と一言。嬉しい気遣いである。
早速味噌のかかったところを齧りつく。……。思わず目を剥いた。柔らかい。臭みゼロでフワフワ。味噌も抜群。この田楽をイベントでは2本100円で販売しているという。自店でしか販売していないそうだが、皆さん分かっているのでどんどん買いに来られるという。T美さん曰く、いくら煮込んでも硬くならないらしい。まるで魔法ではないか。
昔、八王子の居酒屋で食べた蒟蒻おでんも強烈に旨かったことを思い出した。白湯で温めただけでこの旨さなら、出汁で煮込んだらどれだけ確変するのか。夏場は日持ちしないらしく、冬場だけしか作らないという。しかも私が試食させて頂いたのは出来立て。旨さ、ギネス級である。
理事長からお土産に数枚頂く。ずしりと重い。出張中だが、明日には帰神できる。夜の晩酌は蒟蒻だ。おでんにする時間はないが、湯がくだけでこの旨さ。どう調理してやろうか……。
私は料理ができないので、白湯で温めることしかできない。帰りに田楽用の味噌をどこか買わねばならない。何故なら自宅で独身の中年オヤジがただ蒟蒻をお湯で温めていたら妙な誤解を生みそうだからである。
おめでとうございます。
魔法の蒟蒻。