これまでラーメン野郎として恥ずかしながら美唄で啜ったことがなかった。つい新千歳空港内「北海道ラーメン道場」か札幌駅前パセオ「らーめん共和国」に足を運んでいたからだ。
札幌から美唄へ向かう特急35分で「美唄駅 ラーメン」検索。3軒がヒット。その中で最も我が定宿に近い店を選択。ネット情報だが、昼休憩なしの通し営業が頼もしい。
向かった先は<だるまや>。時間も時間ゆえ若者が一人ラーメンを啜っていた。店内は広い。
カウンターに腰掛け、メニューを見る。麺類がかなり豊富。味噌、醤油、塩、とんこつに加え、広東麺、冷麺。ちゃんぽん、ボンゴレトマト麺まである。
普通なら一番最初に記載がある味噌だが、人気ナンバー1とあるのが「どろラーメン」。醤油ベースである。800円だが最安値ゾーンだ。「高圧をかけた豚骨から抽出されたゼラチン質の旨味を特製醤油ダレにブレンド。まろやかでコクのある逸品」と説明がある。
「焼き醤油ラーメン」「焙煎にんにく醤油ラーメン」にも惹かれる。そして、「カツカレー」と「唐揚」を店内POPが猛プッシュしている。カツカレーという選択肢に心乱れるが、この寒さ。ラーメンで貫徹。人気ナンバー1の指名を固める。
トッピングも豊富。チャーシューが270円。チャーシューを足すか……。
メニューをさらに読み込む。セットメニューもたっぷりだった。中でもセット人気ナンバー1が「からあげセットD」。800円のラーメンに唐揚(またはタレザンギ)3ヶ、ライスがついてプラス300円。
どう考えてもチャーシュー追加よりお得。ランチタイムならわずか+200円だ。
お店の方に「どろラーメン+からあげセットD」を宣言。嬉しいことに、煙草も吸える。
ぼんやり紫煙を燻らせていると、ブツが運ばれてきた。ラーメン、かなりの迫力。たしかにスープはドロドロで透明度ゼロ。海苔、ゆで卵半分、チャーシュー1枚といったところ。メンマもかなりたっぷりっぽいがスープに沈んで見えない。
ラーメン以上にサイドメニューに目を剥いた。唐揚はかなり大きなサイズが3ヶ。しかもゆで卵、生キャベツ、スパゲティサラダを従えている。ライスはどう見ても大盛。しかもお代わりできるという。さらにメニューにはなかった小鉢も。揚げ出し豆腐である。小さめとはいえネギたっぷりが3ヶ。まさかの百花繚乱だ。
ラーメン単体でない場合、私はまずは麺を全力で啜り切る。胡椒をパラリし、まずはスープ。……。濃厚だが、後口すっきり。クセになる味である。麺はかん水の効いた細めのちぢれ。スープリフト力も心強い。
海苔はライスでくるんでパクリ。すかさずスープで追いかける。さすが人気ナンバー1である。
麺を啜り終えた。揚げ出し豆腐を攻める。ビールか熱燗が欲しくなる。そして生野菜はなかったことにし、唐揚を齧る。
……。ジューシーで柔らかい。ライスとの相性もよい。しかし、ライスが減らない。
唐揚の残り1ヶは変化をつけるべくどろスープに浸す。そして、口へ。……。新たな地平を開拓。ライスも進む。しかし、とてもお代わりはできない。体も一気に暖まる。
この日は2019年度美唄ラストミッションだった。初のラーメン、大満足である。2020年以降も御縁を頂けるなら、次は「焙煎にんにく醤油」か、それとも「カツカレー」か……。
80年代洋楽邦楽ポップスが流れる店内で、思う存分「昼の美唄」の旅情気分を味わった。「夜の美唄」に向けチャージ完了である。

力強いセットメニュー。

入り口は少し奥まったところ。

1軒目は美唄やきとり。鉄板であります。

2軒目。あまり場末感なし。

美唄駅前にビジネスホテルが2020年3月開業予定。