2020年01月31日

第2369夜:歩いた汗と冷や汗【宮古(岩手)】

 「秋のヘルスケア」。宮古市中央通商店街で開催された健康増進キャンペーンである。

 花香る散策路・中央通商店街を一周すると約1000歩。旧市庁舎方面の歩道橋まで足を延ばすと約1200歩。商店街ウォーキングコースに設置された4か所のポイントで野鳥をかたどったスタンプを押してゴールすると、200円の商店街買物券がプレゼントされる。

 期間は令和元年11月2日〜4日。この3日間は今やすっかり恒例となり市民の支持を集め続けている「キャンドルストリート」と同じ日程。

 キャンドル点灯は夕方からだが、その中日の3日の午前午後、10月中旬開催予定だったが台風19号直撃のため中止した「まんなかマルシェ」が順延開催された。そして、同じ日に開催予定だった我らの「宮古まちなか楽市」も一部開催した。

 鳥の気分を味わってもらうべく試みたドローン体験。子供よりも親の方が夢中だ。インスタ映えを狙ったスウィングベンチに親子やカップルが座って写真を撮っている。目を細め全力で祝福したい気持ちを抑えられない。

 歩いて健康増進キャンペーンもご年配だけでなく若い夫婦や子供も数多く参加して下さった。

 私は2日は末広町ミッションだったためお手伝いできなかったが、3日と4日は参戦。日が沈むと寒さが骨盤に響く。

 途中、記録用の撮影を親子連れを遠めから写真に収めようとしたら不審者と思われお母さんから思いっきり注意された。上下作業着で休日の夕方に商店街をフラフラしている40代の0.1t中年オヤジ。確かにどこからどう見ても不審者だ。

 3日間盛況のうちに終了。毎晩のように呑み倒しているが、最後も中央通のS本姐さん、末広町のS香親分と。ところが祝日の月曜はほとんどの呑み屋が閉まっているブラックホール状態。

 冷え込みが増してきた。早く暗黒の渦から脱出せねばならない。ウロウロしていると中央通一周(1000歩)を超えてしまいそうだ。まあ、健康へのパスポートと思い込むことに。

 久々に<千>が開いていた。超絶久々だったが迷わず飛び込み、私は乾杯から熱燗。旨し肴で気づけば熱燗だけで一升。体も暖まってきた。

 2軒目は我らの行きつけがどこも冬眠。それでも2000歩近く歩き電気付いていたなじみのカフェバーに入ったら、マスターがソファーで毛布に包まって爆睡中。おとなしくホテル帰還。

 その途中、茨城県潮来市の駅前ホテルから電話が。「今日から2連泊のアヅマさまの携帯でしょうか?」。

 ……。一瞬ド冷や汗の後、2週間前にキャンセルの電話を入れていたことを思い出し、しどろもどろ説明。何とか事なきを得たが、電話での口頭の予約&キャンセルは極めて危険な令和時代であることを痛感。

 爽やかでない冷や汗をたっぷり。晩秋の三陸の祝日の夜である。

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大人も子供もドローンに夢中。

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スィングベンチ大人気。

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恒例となったキャンドルストリート。

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開いててよかった。

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この2,3年、グラタンを肴に酒をヤるのがお気に入り。
posted by machi at 18:38| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月30日

第2368夜:オトコがオトコであり続けるために【宮古(岩手)】

 レンジで温める「特製ロースかつ丼」。新神戸駅構内<7-11>で朝8時過ぎに捕獲したかつ丼である。がっつり温め、ロビーで頬張る。あまりの本格っぷりに言葉を失う。7-11は他のコンビニ弁当系と明らかに旨さが違う。ヘタな飲食店よりもよほど旨しだ。 

 その前日から何故か発情期のセイウチのごとく、凄まじいほどの、狂おしいほどのかつ丼モードに確変していた。かつ丼を喰い続けられることは健康の証であり、男としてまだまだ枯れていない感を高められる。生存本能が働き始めたのか。

 その翌昼。岩手県宮古市の<富士乃屋>はいつも昼は満席で入れない。そのまま歩いて久々にキャトル4階の食堂レストラン<ふーどおあしす満彩>へ。食券を買って番号を呼ばれたら取りに行くセルフスタイルである。

 まさに昔ながらのデパートの食堂的ラインナップである。ラーメン、スパゲティ、うどん、カレー、焼飯、各種定食、喫茶。ボリュームたっぷりかつすさまじく安い。ラーメンなど450円だ。

 私は迷わずかつ丼700円。食券を手渡し、セルフの熱いお茶を飲む。家族連れ、駅員グループ、熟女軍団など百貨店の雰囲気。私の番号(106番)が呼ばれた。ガシっと受けとる。味噌汁、漬物以外に小鉢(切干大根)が付いているのも心憎い。

 分厚さが心強い。齧りつく。……。食堂のカツ丼という王道。ご飯もたっぷり。紅生姜が効いている。ワシワシと食べ進める。満腹の大満足。大盛だったら喰い切らんかったかもしれない。

 人生の折り返し地点をとっくに過ぎたアヅマ45歳。最近、オトコ(♂)はカツ丼を喰えなくなったら終わりと考えるように。情けないことに大盛は最近持て余すが、死ぬ間際になってもカツ丼を喰い続けるバカオヤジでありたいと思う今日この頃である。

 さらにその翌昼。宮古の定宿でPC鯔打し、11時に気分転換で今日もカツ丼を探しに。<富士乃屋>開店直後を狙う作戦で座席確保。昨昼はカツ丼パワーのおかげか、終日珍しく体も良く動き、集中力も冴えていた。

 着座するなりメニューも見ずにカツ丼召還。富士乃家のカツ丼は久々である。以前出前では良く食べていた。期待が高鳴る。

 岩手日報を読んでいると、フタに載せたブツ降臨。パカッと外す。思わず生唾を呑む。玉子がトロトロ、出汁たっぷりのセクシーすぎるビジュアルである。

 豆腐とわかめの味噌汁でしみじみと心を落ち着け、まずは端を取って口に運ぶ。

 ……。サクッ、トロ〜、ジュウワ〜。すかさずご飯で追いかける。ご飯も出汁が染み染み。甘さと軽さ、しょっぱさと重さ。箸休めの白菜漬物がフレッシュ。喰えば喰うほど力が丹田から沸き上がり、チャクラが回る。

 この店もボリューム満点だが、あっという間に平らげた。お会計の際、次回使える50円割引券を頂く。次回は何を攻めようか。やっぱりカツ丼だ。

 昼にカツ丼をワシワシやると、その日の午後はすさまじいまでの集中力。恐るべし、カツ丼。ただし大盛にすると眠くなってやる気も気力も滅失するけれど。

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驚愕の出来栄え。

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昔懐かしきデパート食堂の面影。

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天晴であります。

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末広町商店街の昼の守護神。

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最高であります。
posted by machi at 09:01| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月27日

第2367夜:減災のススメ【宮古(岩手)】

 イングランドvs南アフリカ。ラグビーW杯2019決勝戦のカードである。全世界が固唾を飲む大一番の夜。私はミッション遂行のために岩手県宮古市へ訪れていた。

 しかし、ミッション先である末広町商店街からは「てめぇ、なんでこんな日に研修をやるんだ」という言葉では聞こえない冷たい炎が。特にS香相談役は半世紀におよぶ熱狂的なラグビーファン。にわかも含め、誰も研修を歓迎していない。

 もちろん、私自身も研修どころではない。思いっきりビール呑みながら弾けたいのだ。私のような昭和40年代生まれは「スクールウォーズ」でまずラグビーにファーストタッチする。しかしラグビーを実践する環境に恵まれることはなかなか難しい。その人気に反比例して競技人口はそれほど多くないかもしれない。ちなみに私の高校はラグビー部もなかった。

 神戸市民の私にとって、神戸製鋼の日本選手権7連覇に興奮した。約20年間『Number』読者でもあったため、ラグビーはもっぱらTVで観るだけだが昔から大好きなスポーツである。

 南アフリカがイングランドに完勝した夜。会議を終えた末広町商店街の皆さまと<のり平>のカウンターに陣取る。ラグビーで例えるなら、横一列でラインを引いている感じだ。

 ラグビーには、ビールである。そして最も旨いビールは、キ●ン一番搾り遠野産ホップの「生」である。令和最初の遠野産ホップ生を喉に放り込む。90m独走トライ級の喚起と絶頂である。

 2軒目は5人で<myフレンド>。アヅマハイボール(超濃い目のメガジョッキ)をガンガン。そして〆は半地下にある<エル・アミーゴ>で世界一のピザをバーボンソーダで流し込む。私の宮古における最も定番かつゴールデンルートでもある。

 しかし、この3軒のゴールデンルートも普段とはオモムキも味わいも異なる。3軒とも令和元年10月に東日本を蹂躙した台風19号の罹災店舗である。

 さらに悲惨なのは、この3店舗は2011年の大津波、2016年の台風10号に続き、3回目の浸水である。末広町<スポーツオールス>をはじめ8年間で3回目も浸水罹災しているのはこの地域だけではないか。気の毒すぎて目も当てられない。

 決して慣れたわけではないだろうが、罹災当日は復旧作業に勤しみ、翌日には何事もなかったように営業していたようである。私が今回訪れたのは台風19号蹂躙から3週間後だった。少なくとも、客の視点からは罹災の影響は微塵も感じられなかった。

 自助・共助・公助。台風19号罹災地域をTVで拝見するに限り、めったにない大規模罹災のため当たり前だが明らかに不慣れなようである。よって、自助・共助したくても何から手を付ければ良いのかわからないのかもしれない。

 台風の限らず、自然災害からの復旧は原則として「自助」である。それから「共助」である。公助に頼らず、一日も早く復旧・再開した事業所の勝ちである。それよりも大切なのは。災害に襲われる前に被害を最小限に抑える「減災」である。減災が1日も早い再開を可能にする。

 宮古の中心市街地商店街は、この減災対策も万全である。それが1日も早い日常を取り戻す動力になるのである。

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<のり平>にて。

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私が世界で最も愛している生ビール。

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<myフレンド>にて。

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私が世界で最も愛しているピザ。
posted by machi at 10:26| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月26日

第2366夜:蛇行問答【宮古(岩手)】

 スラローム。車両が蛇行しながら走るコースようなものである(たぶん)。自動車教習所以外では区画整理された一方通行道路などで見られる。スピードをあまり出させないためである。他にも理由があるのかもしれない。

 令和元年11月上旬。盛岡から106急行バスで宮古駅前に降り立ち、いつものルートで末広町商店街に足を踏み入れた瞬間、息を呑んだ。スラローム実証実験をやっていたのだ。数多くの警備員や蛍光色ジャンパーたちで物々しい。

 そういえば、その1か月以上前、我が末広町ミッション開始前に市のご担当者とどこかの先生が本件の説明をしていた。商店街側の反応は賛成でも反対でもない微妙な雰囲気だった。そもそも実証実験を実施することになったプロセスと合意形成の手法に「?」が香っていた。

 末広町商店街は日中は一方通行だが、夜間は二車線通行となる。そして標識その他が極めて悪いため昼間一方通行を逆走する車が後を絶たない。たまたま通りかかったパトカーにつかまっているのを見ると目も当てられない。ちなみに他県ナンバーのパトカーもよく逆走している。

 スラローム化すると、店舗前に膨らみが生まれるところと車線ギリギリになる店ところが現れる。ふくらみのある店は一時停車できたり便利だが、そうでない店はただただメリットはない。いろいろと難しい問題がある。

 唖然としたのは、商店街が主催ではなく他の発案らしいのだが、ふくらんだ部分にイスを並べたりイベントしたりを企画しているという。車いすや自転車どころか歩行者すら通れなくなるのではないか……。

 あくまでも実証実験なのでアンケートで可否を決めるそうだ。しかしアンケートなどいくらでも誘導尋問可能。そもそもスラローム化には伏線がある。数年後に電線地中化が実現するのだ。

 誠に喜ばしいことである。これが実現するならいくらでもスラローム化して頂きたいし、終日一方通行でも構わない。ただしスラロームの膨らみでイベントするのだけは危険なのでご遠慮いただきたい。どこかの有識者の提言だろうが、商店街もたぶん同意見だろう。

 ヨソモノの私にそのようなことを提言する権利も何もないのだが、大津波から9年も御縁を頂いている。何とかうまく収まってほしい。

 そんなことを考えながら末広町を抜け、中央通商店街の我が定宿に向かう寸是、愛してやまない<たらふく>の看板がまあ灯っていた。目を凝らすと、暖簾も出たまま。すでに日が落ちて真っ暗だったが、これはツイている。迷わず飛び込んだ。

 ここは「中華そば」しかない清々しい店なので常連たちは「一つ」「二つ」と注文する。私も笑みを浮かべながら「一つ」。ふと値段を見ると630円だった。

 私が9年前に初啜した際は500円。それが550円、580円となり(たぶん)、ついに630円。しかし、私はたとえ1000円になっても啜り続ける。

 値段だけでなく、店の雰囲気が異なっている。若いスタッフが気合系の元気満点の接客だ。麺は独特かつ極上のちぢれっぷり。車両の蛇行運転は賛否あれど、旨すぎる麺の蛇行は満場一致で大賛成。相変わらず旨すぎる、三陸の宝である。

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社会実験中。

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スラローム。

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三陸の宝。

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麺のスラロームなら大歓迎。

posted by machi at 17:56| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月25日

第2365夜:デンジャラスな日々【美唄・新千歳空港(北海道)】

 美唄やきとり蕎麦。この2,3年の我が自宅で啜る年越し蕎麦である。美唄市中心市街地のライフライン・コアびばい内の食品スーパーでレトルトパウチされた美唄やきとり(5本セット)と美唄の名店<福よし>さんのインスタントそばを一緒に煮込む。これ、最高である。

 ある晩秋の夕方。コアびばいでこのコンビを5セット買い込んだ。約10連泊中の最終日だったゆえ、明日は帰神できる。よって大量買いが可能に。やきとりは冷凍庫にぶち込んでおけば問題ないだろう。これで私の年越し自宅が整った。

 美唄ミッション終了後、3回に2回は通っている<三船>へ7人で。美唄やきとり、さすがの安定感。刺身鮮度のタチポン(鱈の白子)が悲鳴絶叫級の極上。

 痛風持ちの私にとって鳥モツと白子はラスボス級の戦闘力だが、知ったことじゃない。デンジャラスなプリン体を尿酸値の上昇を防ぐ薬で抑え込む。科学の力は万能。まさに令和時代の痛風対処方と言えよう。

 2軒目は市役所の若手らと私は初ダイブだったスナック<ミリオン>。深夜1時半ごろホテル帰還。妙に健康的な美唄の夜である。

 翌朝。新千歳空港のJ●Lカウンターで領収書を発行して頂き、飛行機に着席。ぼんやりしていると、離陸直前に領収書を発行して下さったカウンター女性が血相を変えて小走りで私に歩み寄ってきた。領収書の記入ミスがあったので差し替えてとおっしゃる。ご苦労様です。

 関空着陸後、機内アナウンスで「22Hにお座りのアヅマさま、領収書をお渡ししたいので係員にお申しつけください」。

 先ほど頂いたのだが……。怪訝な表情で申し上げると、今度は金額を間違えたので追加料金と領収書の差し替えをよろしく。……。ちなみに、追加料金は10円。ご苦労なことです。

 それにしても、空港の手荷物検査場が令和元年の秋から異様に厳しい。その日は洗濯ローテーションの関係で素肌の上にフリース、その上にジャケットというバカっぽい着こなし。

 手荷物検査強化後、上着は脱がねばならなくなった。経験済ゆえスムーズに脱着。するとキリリと引き締まった表情の女性が眼前に登場。

係の女性「フリースも脱いでくれませんか?」
アヅマ「……。すいません、ハダカです」
係の女性「(絶句)」
アヅマ「(沈黙に耐えられずファスナーに手をやる)」
係の女性「脱がなくていいです。その代わり手で全身ボディチェックさせてもらえますか?」

 さすが、2か月ほど前に手荷物検査場に刃物を持ち込んだバカをスルーしてしまい大ニュースになった新千歳空港。万全の体制だが、私は全身をガチで激しめに触られたので妙なススキノ気分に。私のだらしないたるみ切った体を触らねばならぬ女性係員も気の毒の極みである。

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最強ダッグ。

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鮮度良し。

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痛風持ちには最悪だが、最高。

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大好きです。

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今年3月にオープン予定らしい。選択肢が増えて楽しみ。
posted by machi at 17:51| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする