<Sブアツ>。北九州市最強の繁華街・魚町商店街エリアに新オープンしたおしゃれな外観と内装が特徴的なアジア系食堂(居酒屋)である。
ある初秋の夜。魚町商店街どころか福岡県内の商店街を統べるK理事長とこの店に足を運ぶ機会を頂いた。10月からランチも始めるらしい。
生ビールで乾杯し、メニューを観る。創作系エスニック料理がほぼすべてゆえ、このような店に足を運ぶことがめったにない私には古文書レベルの難解さ。メニュー写真を頼りに注文する。
たまたまだったのかもしれないが、この日は先客の男性グループで、私たちが入った後も男性グループばかり。女性比率、掛け値なしの0%。このテの店は女性の占有率高しのはずだが、メニューは味濃いめ量多めのアナーキーな攻めっぷりゆえ男性比率100%なのか。実に力強い。
生で乾杯し、お通し(ローストビーフサラダ)をつまみ談笑していると、第1幕が開演。「黒コショウとごま油のスパイシー枝豆」「サワークリームポテトチリフライ」。単純に定番系の大衆居酒屋ならば枝豆とポテトフライなのだが、ひと手間もふた手間も加えられている。
枝豆は味が中まで染み、伸ばす指が止まらない。ポテトフライも酒を進ませる。サワークリームとも合う。
第2幕は「毛沢東チキン」。ピリリと辛い独特の味付け。インスタ映えするメニューだが、料理名だけ観ると女性受けは絶対しない独特の個性を醸し出している。ちなみに店員さんにオススメされたのがこのメニューである。
第3陣は「根っこまでパクチー肉巻き」と「ホロホロ肉塊スパイシーパクテー」。私の中の数少ない女子力が、パクチーが好物である点。しかしそれほどパクチーの主張は強くないため万人が楽しめる。ホロホロ肉は旨味が凝縮されている。ハイボールの消費ピッチが加速する。
「辛タケノコ」で幕間をつなぎ、フィナーレは「ナシゴレン」。3人で分けてちょうど良い量。香ばしい焼飯に舌も食道も胃も喜んでいる。
魚町界隈は飲食店の増加スピードが目覚ましい。全国に先駆けて10年ほど前からリノベーションに取り組み「リノベの聖地」として業界では著名な魚町商店街。並行して公共空間「船場広場」活用、再開発、そして魚町が全国に先鞭をつけ持続可能な社会構築を目指す「SDGs商店街」も進めていくという。
K理事長に深く感謝しながら中締め。会議所の若手と6日ぶりに<ムーラン>へ。マスターの大根厚揚里芋煮、冷奴、野菜サラダ、冷やしうどん、ゴーヤ炒めなど和テイストに舌鼓を打ちながらM渡アニキの超プレミアム焼酎をガバガバ。
小倉の繁華街、歓楽街は持続可能な社会の縮図。リノベーションから再開発を経てSDGsへ。2030年の魚町商店街は、M沢東氏もビックリのアジアどころか全世界に先駆けた新たな21世紀モデルなっているはずである。
いつも大賑わい。
新たにオープン。
「男飯」的エスニック料理。
いつもありがとうございます。
〆は<ムーラン>でうどん。
2019年11月30日
2019年11月26日
第2326夜:ラーメンと中華そばのディスタンス【会津若松(福島)】
<来夢>。喜多方を本拠に福島県内で6店舗を展開する喜多方ラーメンチェーンである(と思います)。
ある消費税が10%になる前日の、9月の最終日とは思えぬ暑さだった会津若松の15時過ぎ。朝昼何も腹に入れていなかった私は、会津若松駅前の定宿(もちろんT横イン)に向かっていた。
途中、創業100年と書かれた看板の食堂が視界に。さらに店舗正面に「創業120年」と書かれており、どちらなんだと首を傾げながらその食堂に向かうと準備中の札が。まあ15時過ぎだから仕方なし。
ホテルに向かって歩いていると、その先に「喜多方ラーメン」という表記が見えた。ホテルを通り過ぎその表記に向かって歩くと冒頭の「来夢」が視界に。
地方都市のスナックのごとき店名だが、愛してやまない喜多方ラーメン専門店のようである。年中無休、11時〜24時という表記が頼もしい。
私は喜多方ラーメンを愛してやまない。しかし、喜多方へ足を運んだことがない。<坂内>という喜多方ラーメンチェーンを見つければ入らずにいられない。これまで天王寺(大阪)、豊川(愛知)、川口(埼玉)で啜ってきた。
広々した店内に腰掛け、メニューを観る。そして壁面を見渡す。思いっきり「喜多方チャーシュー麺 半熟煮玉子乗せ」がイチオシだ。何も考えずに指名する。
水を飲みながらメニューを観ると、煮玉子は100円。ノーマルな正油ラーメンが540円。正油チャーシューメンが810円。塩、味噌、豚骨、ねぎ味噌、タンメンまで揃っているラインナップ。
さらに心をかき乱されたのが「中華そば」。この中華そばがグレードアップすると「中華肉そば」。値段は正油と一緒。正油ラーメンと中華そば。どこに違いがあるのだろうか。
そんな平和なことに想いを巡らせていると、ブツが降臨。シビれるビジュアルである。
胡椒をパラリし、まずはスープ。……。キレのある鶏ガラ醤油。これぞ喜多方系。<坂内>よりは少しあっさりか。
麺は太めの縮れでツルツルのモチモチ。絶妙にスープと絡む。たっぷり焼豚はもう少し脂身が少なければさらに私好みなのだが、味もしっかり染みている。ご飯が欲しくなる。
ふと気づけば麺1本残らず啜り上げていた。最後に残った煮玉子を半分に割り、スープに浸して口に運ぶ。思わず笑みが漏れる。スープもきれいに滅失した。
満足に満たされつつ店を出る。ホテルまで歩く道すがら、暑さでさらに汗が噴き出る。これから寒くなる季節。さらに喜多方が旨くなる。
次回は中華そばを攻めよう。正油との違いをこの舌と目で確かめねばならぬ。ならぬことは、ならぬものです。アヅマっ子ラーメン宣言である。
会津若松駅前の我が定宿からすぐ。
どう見てもイチオシ。
力強いビジュアル。
ある消費税が10%になる前日の、9月の最終日とは思えぬ暑さだった会津若松の15時過ぎ。朝昼何も腹に入れていなかった私は、会津若松駅前の定宿(もちろんT横イン)に向かっていた。
途中、創業100年と書かれた看板の食堂が視界に。さらに店舗正面に「創業120年」と書かれており、どちらなんだと首を傾げながらその食堂に向かうと準備中の札が。まあ15時過ぎだから仕方なし。
ホテルに向かって歩いていると、その先に「喜多方ラーメン」という表記が見えた。ホテルを通り過ぎその表記に向かって歩くと冒頭の「来夢」が視界に。
地方都市のスナックのごとき店名だが、愛してやまない喜多方ラーメン専門店のようである。年中無休、11時〜24時という表記が頼もしい。
私は喜多方ラーメンを愛してやまない。しかし、喜多方へ足を運んだことがない。<坂内>という喜多方ラーメンチェーンを見つければ入らずにいられない。これまで天王寺(大阪)、豊川(愛知)、川口(埼玉)で啜ってきた。
広々した店内に腰掛け、メニューを観る。そして壁面を見渡す。思いっきり「喜多方チャーシュー麺 半熟煮玉子乗せ」がイチオシだ。何も考えずに指名する。
水を飲みながらメニューを観ると、煮玉子は100円。ノーマルな正油ラーメンが540円。正油チャーシューメンが810円。塩、味噌、豚骨、ねぎ味噌、タンメンまで揃っているラインナップ。
さらに心をかき乱されたのが「中華そば」。この中華そばがグレードアップすると「中華肉そば」。値段は正油と一緒。正油ラーメンと中華そば。どこに違いがあるのだろうか。
そんな平和なことに想いを巡らせていると、ブツが降臨。シビれるビジュアルである。
胡椒をパラリし、まずはスープ。……。キレのある鶏ガラ醤油。これぞ喜多方系。<坂内>よりは少しあっさりか。
麺は太めの縮れでツルツルのモチモチ。絶妙にスープと絡む。たっぷり焼豚はもう少し脂身が少なければさらに私好みなのだが、味もしっかり染みている。ご飯が欲しくなる。
ふと気づけば麺1本残らず啜り上げていた。最後に残った煮玉子を半分に割り、スープに浸して口に運ぶ。思わず笑みが漏れる。スープもきれいに滅失した。
満足に満たされつつ店を出る。ホテルまで歩く道すがら、暑さでさらに汗が噴き出る。これから寒くなる季節。さらに喜多方が旨くなる。
次回は中華そばを攻めよう。正油との違いをこの舌と目で確かめねばならぬ。ならぬことは、ならぬものです。アヅマっ子ラーメン宣言である。
会津若松駅前の我が定宿からすぐ。
どう見てもイチオシ。
力強いビジュアル。
2019年11月25日
第2325夜:トンボ返りの流儀【春日部(埼玉)】
「人のつながりと物の価値を重視する人」。たっぷり3カ月かけて設定した春日部駅東口商店街エリアの令和元年のターゲットである。
そしてこのターゲットを意識したコンセプトづくりに引き続き着手。私はクチを挟む余地なく活発極まりない議論が展開され、幾度となく議論が我ながらもコンセプトは「感動をうむまち、らしさに出会えるまち」に落ち着いた。
その大詰め会議が令和元年9月25日20時半から開催された。その前日の夕方、25日に向けた事務局&リーダーたちの事前打合せが行われた。
なぜ前日の夕方なのか。当日、私は愛知県岡崎市にて「第5回まちゼミサミット」に参戦する機会を頂戴しており、いくら頑張っても20時には春日部にたどり着かない。よって事前打合せが不可能ゆえ、関係各位に無理申し上げて前日の夕方に打合せを決行させて頂いた。
栃木県小山市から春日部へ直行し、前日の打合せ完了。2019年度かなりの頻度で通っている東口駅前居酒屋<楽勝>で20時半まで5人で呑む。ほぼ何もツマミを口にせず、ひたすらホッピーを呑み続けた。気づけば3時間で12杯干していた。
東武春日部駅から東京方面へ向かう。途中、トイレ(小)がどうしても我慢できなくなった。ありとあらゆる手段で尿意を蹴散らそうとするも、ますます勢力を増して襲ってくる。
途中下車駅ではない押上駅に緊急ピットイン。小走りでトイレへ。……。地獄から生還し、天国気分で少し急ぎながら錦糸町へ。JRに乗り換えて東京駅着。
地下のグランスタがまだ開いていたので、200円引き駅弁捕獲成功。缶ビールと缶ハイボールをヤリながら最終新幹線で豊橋へ。24時ごろ駅前ホテルにチェックイン。泥のように爆睡した。
翌朝。愛知県岡崎市へ向かう。工事で各所がリニューアルされ迷子になりそうだった東岡崎駅からタクシーで市民会館へ。
岡崎まちゼミミッション終了後、鹿沼チームのご協力を得て脱兎のごとく会場を飛び出し、東岡崎駅へ。名鉄で名古屋駅。時間は移動ラッシュの夕方。ほぼ満席だ。
車内は缶ビールオヤジ多数だが、私はミッションを控える身。東京駅着後、急いで大宮経由で春日部へ。20時15分ごろ着。20時半スタートギリギリだった。
生みの苦しみだが若手商店主たちの想いがたっぷりこもった活性化コンセプト策定も無事終了。23時前から8人で2日連続<楽笑>へ。深夜1時半まで鯨飲。ホッピー15杯は呑んだのではなかろうか。2日間、計5時間半でホッピーを約30杯呑みほした。
心地よい疲労と安堵感に包まれながら夜中2時前に我が愛する春日部の定宿<ホテルカスカベ>チェックイン。お支払いの際、前回うっかりダブルブッキングしてしまっており、キャンセル料まで合わせて支払う。1泊なのに、2泊分。自業自得といえ少し意気消沈。
居酒屋ではほとんど固形物を口にしていなかった。さすがに腹が減った。軽い興奮状態で空腹では眠れそうにない。部屋で荷を解き、ホテルから徒歩2分ほどの<Ⅿ屋>で「鶏肉バター醤油炒め定食」。ライス大盛。しみじみと旨かった。一か八かのトンボ帰り大作戦、大成功である。
<楽勝>にて。いつもありがとうございます。
豊橋へ向かう新幹線車中駅弁晩酌。
若手商業者主体の全体会議。
深夜の背徳。しみじみと旨し。
そしてこのターゲットを意識したコンセプトづくりに引き続き着手。私はクチを挟む余地なく活発極まりない議論が展開され、幾度となく議論が我ながらもコンセプトは「感動をうむまち、らしさに出会えるまち」に落ち着いた。
その大詰め会議が令和元年9月25日20時半から開催された。その前日の夕方、25日に向けた事務局&リーダーたちの事前打合せが行われた。
なぜ前日の夕方なのか。当日、私は愛知県岡崎市にて「第5回まちゼミサミット」に参戦する機会を頂戴しており、いくら頑張っても20時には春日部にたどり着かない。よって事前打合せが不可能ゆえ、関係各位に無理申し上げて前日の夕方に打合せを決行させて頂いた。
栃木県小山市から春日部へ直行し、前日の打合せ完了。2019年度かなりの頻度で通っている東口駅前居酒屋<楽勝>で20時半まで5人で呑む。ほぼ何もツマミを口にせず、ひたすらホッピーを呑み続けた。気づけば3時間で12杯干していた。
東武春日部駅から東京方面へ向かう。途中、トイレ(小)がどうしても我慢できなくなった。ありとあらゆる手段で尿意を蹴散らそうとするも、ますます勢力を増して襲ってくる。
途中下車駅ではない押上駅に緊急ピットイン。小走りでトイレへ。……。地獄から生還し、天国気分で少し急ぎながら錦糸町へ。JRに乗り換えて東京駅着。
地下のグランスタがまだ開いていたので、200円引き駅弁捕獲成功。缶ビールと缶ハイボールをヤリながら最終新幹線で豊橋へ。24時ごろ駅前ホテルにチェックイン。泥のように爆睡した。
翌朝。愛知県岡崎市へ向かう。工事で各所がリニューアルされ迷子になりそうだった東岡崎駅からタクシーで市民会館へ。
岡崎まちゼミミッション終了後、鹿沼チームのご協力を得て脱兎のごとく会場を飛び出し、東岡崎駅へ。名鉄で名古屋駅。時間は移動ラッシュの夕方。ほぼ満席だ。
車内は缶ビールオヤジ多数だが、私はミッションを控える身。東京駅着後、急いで大宮経由で春日部へ。20時15分ごろ着。20時半スタートギリギリだった。
生みの苦しみだが若手商店主たちの想いがたっぷりこもった活性化コンセプト策定も無事終了。23時前から8人で2日連続<楽笑>へ。深夜1時半まで鯨飲。ホッピー15杯は呑んだのではなかろうか。2日間、計5時間半でホッピーを約30杯呑みほした。
心地よい疲労と安堵感に包まれながら夜中2時前に我が愛する春日部の定宿<ホテルカスカベ>チェックイン。お支払いの際、前回うっかりダブルブッキングしてしまっており、キャンセル料まで合わせて支払う。1泊なのに、2泊分。自業自得といえ少し意気消沈。
居酒屋ではほとんど固形物を口にしていなかった。さすがに腹が減った。軽い興奮状態で空腹では眠れそうにない。部屋で荷を解き、ホテルから徒歩2分ほどの<Ⅿ屋>で「鶏肉バター醤油炒め定食」。ライス大盛。しみじみと旨かった。一か八かのトンボ帰り大作戦、大成功である。
<楽勝>にて。いつもありがとうございます。
豊橋へ向かう新幹線車中駅弁晩酌。
若手商業者主体の全体会議。
深夜の背徳。しみじみと旨し。
2019年11月24日
第2324夜:豊かさとは何か〜第5回まちゼミサミット〜【岡崎(愛知)】
第5回まちゼミサミット。聖地・岡崎で開催される3年に1度程度の夢のまちづくり祭典である。全国400地域に広がりを見せる「三方よし」のまちゼミは最強の活性化ツールとして21世紀以降の日本の商店街活性化を牽引してきた。
私はまちゼミの実践者でもなく詳しくもないのだが、過去4回のうち2回登壇させて頂く栄誉を頂いている。極端に言えば、サミットに時しか岡崎に足を運ぶ機会もない。
一方、なかなか普段なかなかお会いできない御仁や以前お世話になった方々と同窓会のように旧交を温めることのできる、私のようなフリーの自由業者にとっては貴重な機会でもある。
まちゼミの伝道師として日本中の商店街に元気と笑顔と勇気を与え続けてきたのが、愛知岡崎幕府のⅯ井征夷大将軍。私は畏怖と敬意をこめて「上様」と崇めている。上様のご尊顔を拝謁できるだけでも岡崎へ足を運ぶ値打ちはおつりが余るほどにある。
私は8つある分科会の中の「まちゼミからの新たな取り組み、持続可能なまちづくり」をテーマにした分科会に参加。しかし私は何も話せることがないので、尾山台まちゼミ実行委員長であるイケメンの若大将・T野氏といつもエレガントな岡崎のA野女史のお話を拝聴する。
T野氏からは持続可能を実現するための業種業態どころか属性を超えた人との繋がり、そして「豊かさとは何か」を考えさせられた。天野さんからは長年にわたるまちゼミ実践者としての進化っぷりを学ばせて頂いた。
同じテーマだが登壇者2名への質疑内容を微妙にアレンジした分科会を2回繰り返した後、私は大急ぎで埼玉県春日部市へ戻らねばならなかった。昨晩は20時30分に春日部を発ち、今日は20時30分から始まる春日部会議に間に合わせねばならない。
ド派手なTシャツで揃えている美魔女3人&ジェントルマン1人で構成する鹿沼まちゼミAチームが東岡崎駅までレンタカーで送って下さることに。Aチームはそのまま名古屋で宴会、Bチーム(男性2名)は引き続きサミットに参加という。オンとオフのメリハリ、力の入れ加減と抜き加減、絶妙の押し引きが素晴らしい。まさに「持続可能な」皆さまである。
ゴルゴ刈ゆえ存在しない後ろ髪を惹かれつつ鹿沼チームに深く感謝し、名鉄に乗り込んで名古屋へ。必死で新幹線ホームに向かうと、5分の待ち時間が生まれた。
この5分は天からの豊かなご褒美。しかも私が乗車する15号車の真ん前が立ち食いきしめん屋。しかも珍しく空いている。神が私に啜れと叫んでいる。
一番人気の「かき揚げ(玉子入り)きしめん」のボタンを押し、水をセルフで汲んでいる間に着丼。一味をパラリし、鰹節の舞を愛でつつ一気呵成にシャチホコ啜。玉子入りは黄身をつぶして絡めると少し冷めるので一気食いに適している。
きしめんと豊かさを噛みしめながら甘さを抑えキリっとした出汁を啜り終えると同時に新幹線が入線。立ちきしめん屋を出て7歩程度で新幹線に乗り込んだ。
私のような生活&仕事スタイルは決して持続可能とはいえないが、少なくとも心は豊かである。財布と口座は貧相ですが。
気勢を上げる猛者たち。
分科会にて。
鹿沼の皆さまに心から感謝。私は、果報者です。
名古屋駅ホームにて。スルー出来ぬ魔性。
私はまちゼミの実践者でもなく詳しくもないのだが、過去4回のうち2回登壇させて頂く栄誉を頂いている。極端に言えば、サミットに時しか岡崎に足を運ぶ機会もない。
一方、なかなか普段なかなかお会いできない御仁や以前お世話になった方々と同窓会のように旧交を温めることのできる、私のようなフリーの自由業者にとっては貴重な機会でもある。
まちゼミの伝道師として日本中の商店街に元気と笑顔と勇気を与え続けてきたのが、愛知岡崎幕府のⅯ井征夷大将軍。私は畏怖と敬意をこめて「上様」と崇めている。上様のご尊顔を拝謁できるだけでも岡崎へ足を運ぶ値打ちはおつりが余るほどにある。
私は8つある分科会の中の「まちゼミからの新たな取り組み、持続可能なまちづくり」をテーマにした分科会に参加。しかし私は何も話せることがないので、尾山台まちゼミ実行委員長であるイケメンの若大将・T野氏といつもエレガントな岡崎のA野女史のお話を拝聴する。
T野氏からは持続可能を実現するための業種業態どころか属性を超えた人との繋がり、そして「豊かさとは何か」を考えさせられた。天野さんからは長年にわたるまちゼミ実践者としての進化っぷりを学ばせて頂いた。
同じテーマだが登壇者2名への質疑内容を微妙にアレンジした分科会を2回繰り返した後、私は大急ぎで埼玉県春日部市へ戻らねばならなかった。昨晩は20時30分に春日部を発ち、今日は20時30分から始まる春日部会議に間に合わせねばならない。
ド派手なTシャツで揃えている美魔女3人&ジェントルマン1人で構成する鹿沼まちゼミAチームが東岡崎駅までレンタカーで送って下さることに。Aチームはそのまま名古屋で宴会、Bチーム(男性2名)は引き続きサミットに参加という。オンとオフのメリハリ、力の入れ加減と抜き加減、絶妙の押し引きが素晴らしい。まさに「持続可能な」皆さまである。
ゴルゴ刈ゆえ存在しない後ろ髪を惹かれつつ鹿沼チームに深く感謝し、名鉄に乗り込んで名古屋へ。必死で新幹線ホームに向かうと、5分の待ち時間が生まれた。
この5分は天からの豊かなご褒美。しかも私が乗車する15号車の真ん前が立ち食いきしめん屋。しかも珍しく空いている。神が私に啜れと叫んでいる。
一番人気の「かき揚げ(玉子入り)きしめん」のボタンを押し、水をセルフで汲んでいる間に着丼。一味をパラリし、鰹節の舞を愛でつつ一気呵成にシャチホコ啜。玉子入りは黄身をつぶして絡めると少し冷めるので一気食いに適している。
きしめんと豊かさを噛みしめながら甘さを抑えキリっとした出汁を啜り終えると同時に新幹線が入線。立ちきしめん屋を出て7歩程度で新幹線に乗り込んだ。
私のような生活&仕事スタイルは決して持続可能とはいえないが、少なくとも心は豊かである。財布と口座は貧相ですが。
気勢を上げる猛者たち。
分科会にて。
鹿沼の皆さまに心から感謝。私は、果報者です。
名古屋駅ホームにて。スルー出来ぬ魔性。
2019年11月23日
第2323夜:甘く危険な横浜家系の香り【小山(栃木)】
オリオン餃子。小山駅西口駅前屹立する餃子&ラーメン店である。宇都宮で鯨飲後にこの店の宇都宮駅前店に足を運んだことがある。
その際、私は羽根つきチーズ餃子をツマミに呑んでいたが、来店客の9割が「ラーメン」と叫んでいた。しかしその時はスープが無くなっていたらしく、常連たちは見た目にも気の毒なほど肩を落としていた。それほど旨いのか、この店のラーメンは。
それからしばらくたった初秋の正午。クライアントと小山駅前の待ち合わせ時間まで30分の余裕を得た。駅ホームの立ち蕎麦か、駅ビル1階のうどんか、それとも……。
視界に<オリオン餃子>が飛び込んできた。常連たちが絶賛していたラーメンとやらを啜ってみるチャンス到来。店内に飛び込み、メニューを観る。ラーメンに餃子3ヶ、半ライスに漬物が付いたランチメニュー発見。迷わず召還する。
ぼんやりメニュー店内を見渡す。9割がサラリーマン。工事関係者も見かける。客のほぼ全員がラーメンを啜っている。そして、それ以外の1%が私の横に座っているオヤジ。チューハイをヤリながらもつ煮込みを頼んでいる。
オヤジはグデングデンで時折唸り声をあげ、ことあるごとに店員の女性を呼びつけている。「おい、ねえちゃん、餃子ってどうやってたべるんか?」……。本当に栃木県民、というより日本国民なのだろうか。
そんなオヤジの横で小皿に醤油とラー油を加え、スタンバイしているとセットが降臨。……。思わず目を剥いた。小さな感嘆の呻きが口から洩れた。ラーメンの正体は正確に言えば「豚骨醤油ラーメン」。より正確を期すと「横浜家系」だ。
まさか小山駅前で予備知識なく家系と邂逅できるとは。夜中に酔っ払いたちを虜にしてやまない理由が理解できる。
黒コショウを大目に振り、まずはスープ。……。私の好みの醤油強めではなく豚骨寄りだったが、十分な旨さ。そういえば深夜に横浜家系ばかり攻めていたので昼間は久しぶりだ。
餃子はカリカリでシンプル。卓上にんにくを駆使するタイプだが30分後に打合せを控えている身、しかも車でピックアップされる身には許されない。
スープの浸った海苔でライスをクルンと巻いて頬張る。すかさず麺を啜りスープで追いかける。渾然一体である。
半熟卵をライスオンし、つぶしてスープをかけて雑炊に。落涙の旨さだ。
隣のオヤジの呂律がますます怪しくなり独り言が増えている。私に話しかけてくる雰囲気すらある。ガン無視しながら一気呵成に啜り上げて店を出る。
今年の私の栃木県内のミッション先は鹿沼市と小山市だが、宇都宮駅前にも頻繁に泊まる。そして、宇都宮と小山の駅前にこの店がある。つまり、濃厚な横浜家系が深夜に気軽に啜れてしまう。
0.1トン倶楽部の私には危険極まりない地上に輝くオリオン座である。
その際、私は羽根つきチーズ餃子をツマミに呑んでいたが、来店客の9割が「ラーメン」と叫んでいた。しかしその時はスープが無くなっていたらしく、常連たちは見た目にも気の毒なほど肩を落としていた。それほど旨いのか、この店のラーメンは。
それからしばらくたった初秋の正午。クライアントと小山駅前の待ち合わせ時間まで30分の余裕を得た。駅ホームの立ち蕎麦か、駅ビル1階のうどんか、それとも……。
視界に<オリオン餃子>が飛び込んできた。常連たちが絶賛していたラーメンとやらを啜ってみるチャンス到来。店内に飛び込み、メニューを観る。ラーメンに餃子3ヶ、半ライスに漬物が付いたランチメニュー発見。迷わず召還する。
ぼんやりメニュー店内を見渡す。9割がサラリーマン。工事関係者も見かける。客のほぼ全員がラーメンを啜っている。そして、それ以外の1%が私の横に座っているオヤジ。チューハイをヤリながらもつ煮込みを頼んでいる。
オヤジはグデングデンで時折唸り声をあげ、ことあるごとに店員の女性を呼びつけている。「おい、ねえちゃん、餃子ってどうやってたべるんか?」……。本当に栃木県民、というより日本国民なのだろうか。
そんなオヤジの横で小皿に醤油とラー油を加え、スタンバイしているとセットが降臨。……。思わず目を剥いた。小さな感嘆の呻きが口から洩れた。ラーメンの正体は正確に言えば「豚骨醤油ラーメン」。より正確を期すと「横浜家系」だ。
まさか小山駅前で予備知識なく家系と邂逅できるとは。夜中に酔っ払いたちを虜にしてやまない理由が理解できる。
黒コショウを大目に振り、まずはスープ。……。私の好みの醤油強めではなく豚骨寄りだったが、十分な旨さ。そういえば深夜に横浜家系ばかり攻めていたので昼間は久しぶりだ。
餃子はカリカリでシンプル。卓上にんにくを駆使するタイプだが30分後に打合せを控えている身、しかも車でピックアップされる身には許されない。
スープの浸った海苔でライスをクルンと巻いて頬張る。すかさず麺を啜りスープで追いかける。渾然一体である。
半熟卵をライスオンし、つぶしてスープをかけて雑炊に。落涙の旨さだ。
隣のオヤジの呂律がますます怪しくなり独り言が増えている。私に話しかけてくる雰囲気すらある。ガン無視しながら一気呵成に啜り上げて店を出る。
今年の私の栃木県内のミッション先は鹿沼市と小山市だが、宇都宮駅前にも頻繁に泊まる。そして、宇都宮と小山の駅前にこの店がある。つまり、濃厚な横浜家系が深夜に気軽に啜れてしまう。
0.1トン倶楽部の私には危険極まりない地上に輝くオリオン座である。