2019年09月08日

第2273夜:行ってみないと分からない【会津若松(福島)】

 雷雨豪雨。新幹線で東京から郡山へ向かう途中、宇都宮近くですさまじい雨が車窓から見えた。しばらくすると晴れ間が広がっている。天気は西から東へ移行する。宇都宮付近の雨が会津へ到達するかもしれない。

 郡山は快晴だった。雨はまだ到達していなかった。バス停に向かうと超ギリギリで会津若松行きのバスに飛び乗ることができた。幸先上々である。

 運転手さんが高速に入る前にシートベルト着用や車内トイレ、Wi-Fiなどの説明をされる。何気なく聞き流していたが、「到着地、会津若松の天候は……」。思わず耳を傾けた。

 1秒ほど間があり、「行ってみないと分かりません」とアナウンス。確かにそうだ。思わず声を出して笑ってしまった。

 15時半前に会津若松駅着。この日は9時半ごろ東京へ向かう新幹線車中で新神戸駅弁「二種のお揚げのきつね寿し」を腹に入れた。

 私は朝昼合わせて一食が普段のライフスタイルだが、予定よりも90分近く会津若松に到着できたため、時間に余裕が生まれた。夕食はミッション終了後の恐らく21時半。空腹を覚えた。

 会津若松のB級ソウルフードは「ソースかつ丼」であるらしい。しかし会津地方はラーメン帝国「喜多方」があり、喜多方ラーメンを啜れる店も多そうだ。私は喜多方ラーメンが日本3本の指に入るほど愛している。これまでチェーン店の<坂内>でしか啜ったことがなかった。

 郡山から会津若松へ向かうバス車中で、ソースかつ丼か喜多方ラーメンか、どちらをチョイスするか悩みに悩んだ。

 会津若松駅に隣接する食堂が視界に入った。「まるたか食堂」。‘喜多方ラーメン’と書かれている。よし、ラーメンだ。ちなみに屋号に「まる」という文字が入っている店はだいたい‘当たり’であることが多い。

 店内に飛び込む。15時半という最も閑散とした時間のはずだが、地元民と思しき御仁たちが散見する。期待が高まる。

 お水と一緒に「ゆで卵」が置かれた。サービスという。思わず笑みをこぼし、メニューを観る。……。「ラーメンとミニ会津ソースかつ丼セット」があった。我が空気頭に雷鳴が轟いた。これしかない。両方味わえる。‘ミニ’である点もありがたい。入ってみないと分からない。

 最近、大食漢の私でもラーメンとかつ丼のダブル1人前一気食いは厳しさを感じている。人生の下り坂に差し掛かっていることを痛感させられる。

 ブツが降臨。生唾を飲み込む。まずはラーメンのスープ。……。旨さのあまり叫び声を上げそうになった。日本人のDNAを振動させる味わい。鶏ガラ醤油スープと太めのモチモチした喜多方らしいちぢれ麺が絶妙にクロスする。チャーシューもしっかり味が染み込んでいる。

 一気呵成に啜りこむ。ゆで卵の空を割り、スープにドボンと投下する。温め作戦である。

 麺を啜り終えた後、会津ソースかつ丼を攻める。伸びる前に全力で脇目降らずに麺を啜りきり、ラーメンスープを味噌汁代わりにするのが私流である。

 柳津風は玉子焼きが敷き詰められているのが特徴。柳津系は当然実食済だが、玉子なき会津バージョンは童貞。千切りキャベツが敷き詰められている。ミニゆえ、カツは3切れだ。

 ソースのかかったカツにかぶりつく。……。サクサクである。そして肉の旨味も濃い。ライスに抜群。キャベツが爽やかだ。沢庵で箸休めしながらワシワシと食べ進める。時折ラーメンスープを喉に入れる。至福の会津セットである。

 大満足の大満腹で外に出る。先ほどまでの快晴がいつの間にかどんよりと曇っている。今にも激しい雷雨が降りそうだ。「行ってみないと分からない」。バス運転手さんの言葉がリフレインした。

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工夫に富む新神戸駅弁。

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無敵セット。

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会津若松駅に隣接。
posted by machi at 18:47| Comment(0) | 福島県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月07日

第2272夜:ポップコーンとタートルフォン【黒崎(北九州)】

 <菊>。備え付け漫画が充実している北九州市の副都心・黒崎地区の激シブ焼鳥屋である。この店に週5日程度生息しているオヤジがいる。クロサキのカリスマ・H氏である。

 梅雨明けしたものの激しい通り雨が天地を揺るがす蒸し暑い夏の正午過ぎ。長崎から特急を乗り継いで久々に黒崎で下車した。

 この日は小倉地区が小倉競馬スタートやら花火大会やらで定宿が確保できず、黒崎のホテルに。ホテルに荷物を預けてミッション先である折尾へ向かう前に立ち寄らずにいられないラーメン店がある。<まねしん坊>である。

 この店はノーマル(豚骨)、カレー、塩、味噌、ちゃんぽんなどがあり、ワンタンやチャーシューを組み合わせつつ無限のバリエーションを楽しむことができる。私はここでは「味噌チャーシュー(メン)」を頼まずにいられない。

 ライスもおにぎりも大盛も替玉も必要ない満足感とボリューム。たっぷり野菜の下にはチャーシューの海。大将のいかにも職人な丁寧な仕事ぶりが最高。かなり濃厚ゆえ汁はすべて飲み切らんかったが、大満足の熊啜である。

 折尾ミッション終了後に黒崎へ。入E氏、S元氏と<菊>を覗くと、亀のごとく毎夜この店に生息しているHアニキ発見。すかさず捕獲し奥の小上がりへ。

 すでに焼鳥は売り切れているという。我々も特に空腹でもないので、焼酎をボトルでガンガンやりながら漬物やらっきょをツマむ。するとHアニキが「焼きポップコーン」を注文。そんなメニューがあるのか。アニキしか頼めないような裏メニューなのか。

 私はポップコーンなど特に興味のない人生を歩んでいたので、出てきたブツに雑に手を伸ばし、口に何気なく放り込んだ。……。エッ⁉。ポップコーンってこんなに旨かったか?「焼き」と唄うだけある。熱々で香ばしく、塩とバターの濃い目加減が絶妙。どんな酒にも合う究極のツマミに昇華。思わずお代わりしてしまう。

 最初は4人で呑んでいたが、黒崎新天街のF江理事長とパンチU野氏を呼び出す。丸坊主だったF江理事長は少し髪が伸びてイカついけどサラリーマンっぽくなっており、パンチは浴衣姿で、同じく浴衣姿の妙齢の美女を引き連れて颯爽と現れた。

 暖簾も引っ込んだ。2軒目は浜省バーへ行こう。レジに向かうとHアニキはレジ横の水槽に手を突っ込んだ。何か四角く黒っぽい、分厚いスマホに見えなくもない物体を自ら引き上げ、耳にあてた。そして、嬉しそうな声で「もしもし!」。

 ……。手足と首をひっこめた亀だった。22世紀はスマートフォンではなく人工知能を搭載した「タートルフォン」の時代になりそうである。アニキのモノボケ、というより生き物ボケも22世紀の切れ味である。

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中央のTシャツ紳士がこの店で生息。

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味噌チャーシュー、クセになります。

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旨すぎなポップコーン。

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見事な「モノボケ」。

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浜省バーにて。

posted by machi at 17:20| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月06日

第2271夜:打ち水大作戦【折尾(北九州)】

 打ち水。木桶に溜めた水をひしゃくで掬い、夕暮れ時に日中の熱暑を染み込ませた路上に巻くことで涼を感じさせる日本古来の風習である。京都の路地あたりで浴衣を着た女性が打ち水している光景に出くわすと、何故か涙腺が緩む日本人は多いはずである。

 ある7月下旬の梅雨明けした北九州折尾地区の土曜の午後。折尾活性化を牽引する折尾商連主催の学生(留学生含む)支援プロジェクト2019が本格スタートした。7月、9月、11月に3回イベントが開催される。7月は「学園大通りフェス」。目玉は‘打ち水大作戦’である。

 梅雨明けにも関わらずこの日は正午過ぎに激しい雨が局地的の折尾周辺を襲うが、通り雨だったようだ。会場設営時はすでに打ち水状態である。

 浴衣を着た学生たちが学園大通りに集結。折尾警察署(福岡県警音楽隊)&折尾商連&学生・留学生等による防犯啓発パレードが盛大に開催。特区認可に向け上々の滑り出しである。

 打ち水体験は17時から。それまでの時間、商連の事務所で11名の女子留学生を対象に色々と面談アンケート(インタビュー)させて頂いた。皆さん寮にお住まいでほぼ自炊だという。よってバイト終わりに生鮮食料品を取り扱う店が閉まっていることが難儀という。

 皆さん日本語は堪能だが、私のウルトラスーパーブロークンイングリッシュ関西風味はあまり聞き取れなかったようである。

 学生たちは地域通貨「オリオン」でお買い物体験や屋台バザーを楽しんだ後、いよいよ打ち水大作戦開始。浴衣姿も艶やかな世界各国の留学生や地元の大学生がズラリと並ぶ。壮観である。スピーカーから‘打ち水音頭’が流れ出した。

 北九州市はよく分からないが打ち水に力を入れているらしく、そのためのノボリや脱力感満点の音頭の音源を貸し出しているという。

 オッサンが打ち水しても絵面はあまりよろしくないが、若い浴衣姿の女性が30名ほど一斉に打ち水する光景はアートである。皆さんの笑顔が弾けている。我らオヤジも目尻が下がる。かなり蒸し暑い日だったが、心なしか涼感がある。打ち水大作戦、大成功である。

 学園大通りをメインにしたイベントはほぼ大団円を迎えた。18時過ぎから折尾西公園で「夏越祭」が始まる。冒頭は神事と茅の輪くぐりである。浴衣を着た学生たちも公園へ移動した。

 夕空は強烈な西日が差している。神事が終わり、折尾神楽が始まり直前、ポツリと雨粒が頬を叩いた。それから間髪入れず大粒の雨が滝のように降り出した。来場者はテントへ避難するも、雨脚が強すぎて深部に居ても濡れてしまうほど。

 晴れているのに土砂降りというシュールさ。これぞ天の打ち水である。我ら人間が決行した打ち水大作戦、天の前に終えていて安堵した。

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打ち水大作戦。

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折尾警察署とパレード。

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留学生グループインタビュー終了後。

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茅の輪くぐりも体験。

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ありがとうございました!
posted by machi at 08:40| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月05日

第2270夜:王の恋虜【宇都宮(栃木)】

 ファラオ。紀元前を牽引したエジプトの王の尊称である。最も有名なのはツタンカーメン王かもしれぬが、やはりラムセス2世にトドメを指す。

 ある梅雨明け直前の夏の夜。鹿沼ミッションを終え宇都宮駅前へ。適当に飛び込んだコの字カウンター居酒屋で暑気払い。時折響く雷鳴をBGMに生で乾杯。

 ホッピーに切り替えて焼とんをツマミに談笑していると、鹿沼から商店街リーダーが駆けつけて下さった。さらに杯を重ねていると、店も混んできた。別の場所でリーダーの相方が呑んでいるそうで、合流することに。西口から東口へ移動する。

 東口もなかなかの活気である。西口と比較すれば新しい街の雰囲気が漂っている。3人で向かった先は<Fァラオ>。クールでハイバーで広々としたラウンジである。

 相方氏と一緒だった某金融機関の重鎮も含め5人でVIPルームへ。スタイル抜群な極上の下野美女たちがマンツーマンディフェンスを敷いて下さる。

 いきなりシャンパンが運び込まれてきた。しかも2本。そしてバースデーケーキも降臨。この夜は同行オヤジ2氏と店の美女の誕生日だったらしい。

 煙草を吸いながら談笑し、好きなだけ鯨飲する。時折カラオケ。私は何故か『飾りじゃないのよ涙は』をハッハァ〜♪と恥唱。

 誕生日を迎えたご両人は美女たちと密着感たっぷりにデュエット。腰への手の回しっぷりに若手では醸し出せない年期、年輪、円熟を痛感させられる。妙に照れくささがにじんでしまっている私などまだまだ若輩だ。

 延長を繰り返し、気づけば12時を大きく回っている。同行氏たちと別れ、私はホテルに戻る。翌日知ったが、鹿沼軍団はあれからさらに他に店に足を運ばれたようである。バイタリティが凄まじい。

 翌朝。珍しくスッキリと目覚めることができた。予定より1時間近く早めにチェックアウト。羽田空港でチャーシューメンを啜るためである。
ホタホタと駅に着き、みどりの窓口に向かうと不穏な放送が聞こえてきた。東北新幹線が何らかのトラブルで運休しているという。

 大慌てで在来線に振り替えた。羽田空港はギリギリの到着になりそうだが、1時間早く動き出して正解である。そのまま目覚めずにノコノコ駅に向かっていたら、予定していた飛行機に乗り遅れる大惨事が待ち構えていた。奴隷の如き私はファラオの恋虜である。

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シャンパンが2本投入。

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おめでとうございます!
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2019年09月04日

第2269夜:全部、青い【美瑛(北海道)】

 青い池。旭川市と富良野市のほぼ中間に位置する美しき楽園都市・美瑛市にて最近メキメキと注目を集めている観光スポットである(らしい)。

 ある土曜の午後。富良野から旭川空港まで若手実業家・N川氏に送って頂けることになった。当初3時間に2本程度のバスを予定していたので、テイクオフの時間まで余裕が生まれた。

 氏のジープに乗りこみ旭川方面へ。バス車内では味わえぬ絶景が広がる。この時期はラベンダー最盛期。他にも美しい花々が丘陵を彩る。花鳥風月を愛でることなき無粋な私でも見とれる。

 美唄市内の道の駅のような施設にピットイン。<美瑛選果>。レストラン、ショップなどで構成された人気施設である。目立つ建物ではないが、駐車場はほぼ満車。館内も行列ができている。観光客だけでなく地元民も多く利用している雰囲気が伝わる。売り切れ商品が続出していた。

 美瑛は富良野と混同されることが多い。知名度は富良野ほど高くないだろうが、観光スポットで溢れている。逆に言えば、旭川方面から移動すれば富良野まで足を運ばなくても美瑛を散策することで「富良野感」を体感できる。美瑛の観光客数は急増しているという。

 駅前の商店街を車窓から眺める。行ったことはないが北欧のメルヘンチックな商店街を連想させる。北海道では珍しい統一感のあるファサード。戦略的なまちづくりが伝わってくる。

 ジープはさらに奥まった道を走る。10qも行くと道の駅に。車がびっしり止まっている。さらに奥まった道を行くと、渋滞が発生している。渋滞の発生要因は「青池」への訪問者である。

 昔はそれほど有名なスポットではなく、地元でも知る人ぞ知るという感じだったらしい。ちなみに旭川〜富良野間を何万回も奏功しているN川氏ですらつい最近初めて訪れたという。

 駐車場入り口は渋滞。ようやく入りこむ。観光バスが20台ほど停まっている。特に警備員がいるわけでも標識があるわけでもない。すべて無料。ほぼ放置プレイ状態だ。

 順路は一方通行である。人の波に合わせて足を運ぶと、池が見えてきた。

 ……。「半分、青い」なんてもんじゃない。すべて「青い」。蒼くて、碧い。思わず感嘆の呻きが漏れる。今までに見たことがない青さだ。グラデーションが掛かっているが、それも青のグラデーション。他の色は入り込む余地はない。

 観光客でまっすぐに歩けない。特にC国人と思しき皆さまは自撮り棒で必至。私も数枚写真に収める。ちなみにこの池の正式名称はわからない。表示看板らしきものには「青い池」と書かれている。そのまんまである。

 2017年初夏から富良野と本格的に御縁を頂き、これまで観光らしいことをスルーしてきた。

 平均的な私の富良野の滞在時間は15時間程度である。17時半ごろ富良野駅前に到着。宿に荷物を預けて打合せと会議。終了後は深夜1時ごろまで鯨飲。〆は一人でラーメン(Y岡家)。深夜2時ごろ泥のように眠り、翌朝は7時から8時の間にチェックアウトしてバスで旭川空港へ。これがルーティンである。

 青すぎる池に私のヨゴレな心も少し浄化した。2年を経て、初めて富良野っぽさを体感した。厳密にいえば、富良野ではなく美瑛なのですが。

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思わず見とれる青さ。

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観光客で鈴なり。
posted by machi at 17:08| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする