●月〇日
大宮でチョッキと鯨飲し、23時半ごろ西川口へ。西口に降り立った瞬間、壮絶な「帰ってきた感」に包まれた。数か月ぶりである。定宿に向かう道すがらの約2分間に随所から声がけしてくる呼び込みの声すら懐かしい。
ホテルで荷を解き、特に腹も減っていないが外に出る。駅前のコンビニで「ビッグコミック」を捕獲し、チェーン系大型居酒屋では最も惚れている<Yる気茶屋>へ。
この日10数杯目のジョッキをヤリながら焼枝豆、オクラ天ぷらなどで一人3次会。〆は西口駅前の24時間営業<天亀そば>へ。……。シャッターが閉まり「テナント募集」の張り紙が。ショックのあまり入滅寸前である。
気落ちしたまま夜中2時まで開いている<壱角家>へ。濃厚極まりない横浜家系モードではなかったので「濃厚魚介つけ麺」。こってりと濃厚だった。
●月▽日
翌朝10時過ぎ。たっぷりとした胃もたれを抱えたまま京浜東北線、バスを乗り継いで茨城県行方市へ。西川口へ戻ってきたのが21時半。
この夜は日曜ゆえか早じまいが多い。ホテル近くの焼きとん屋が開いていた。
ホッピー召喚後焼きとんを頼むと「かなり時間がかかる」とおっしゃる。首肯し、早く出てきそうなもつ煮込を指名すると「売切れ」とのこと。唐揚げを頼めば「かなり時間がかかるかよろしいか」。
何が早くできるかを問うと、スピードメニュー欄を紹介された。冷奴を召還。
店内は8割程度の入り。厨房のオヤジと注文配膳会計の女性という2人構成。備え付けであったコミック『北区赤羽』を読みながらホッピーを呑み、料理を待つ。
ホッピーが2杯空き、3杯目を頼む頃にスピードメニューである冷奴が出てきた。すごい量。馬のように片付け、再度待つ。唐揚降臨。最後の焼きとんは注文して70分後に登場。ちょうど漫画を読み終えたタイミングで店を出る。
この店で焼きそばか鶏そばで〆たかったのだが、いつ出てくるかわからない。2日連続で横浜家系の気分でもない。改めて24時間立ち食いそばの撤退がボディに響く。
マクドが25時まで開いていたので、夜マック(パテ2倍)を部屋に持ち帰り、缶ハイボールで流し込んで爆睡。
●月◇日
この日は特に人と会うミッションのない祝日。終日西川口のホテルに缶詰めPC猿打。部屋のポットで湯を沸かし、インスタントコーヒーをがぶ飲みしながらシコシコとPC。
日も暮れ始めた。ホテルは駅西口にあり、あまり東口方面へ足を延ばすことはなかった。時間はたっぷり。東口にも激シブ立ち呑み<やきとり次郎>が煌めいていた。西口店よりはほんのわずか新しい感じがする。
店内は後期高齢者と思しき常連で溢れている。何とかカウンターを確保し、レモンサワー2杯と日本酒を常温で。焼きとり(焼きとん)は5本。一味をたっぷり振りかけて頬張る。
常連が続々と押しよせる。西川口は埼玉第2の定宿といえ、私など新参のイチゲン。30分ほどで店を出る。
雨が降り出した。座りたくなった。すぐ近くの居酒屋に飛び込む。瓶ビールもホッピーもなかったが、非常にいい感じの店である。
生を頼み、レモンサワーに切り替える。この夜はレモンサワーモードが発動していた。
もつ煮、フライ(イカ・黒じゃこ天・ミンチカツ)をつまみに一人呑みの無聊を慰めていると、自宅で部屋呑みしていたという北浦和在住のチョッキが駆けつけてくれた。2日ぶりだ。
チョッキと呑んで喰い、今度は<やきとり次郎>の西口店へ。同じ系列店をハシゴするバカっぽさ。川口は東口と西口で雰囲気が思いっきり異なる。西口の方が超絶にディープで闇だ。
チョッキと別れ、再度東口へ。初めてのラーメン屋に飛び込むが、何故かほとんど味を覚えていない。コンビニで缶チューハイを買い、次郎に入る前に駅前の<ブックオフ>で捕獲した京極先生の文庫本を取り出す。1300ページ以上。缶チューハイと同じ幅。重くて持てぬ。
●月×日
10時に我が埼玉第2の定宿・西川口西口駅前<T横イン>チェックアウト。定宿はちょうど川口市と蕨市の市境に屹立。住所は蕨市である。
ネットニュースで蕨市内でイカれたバカが高校生を刃物で刺して逃走中との速報が報じられた。まさに私は今、蕨市に居る。
ディープすぎる闇を感じながら、栃木県小山市へ向かった。
2019年08月30日
2019年08月28日
第2264夜:魅せる農業の可能性【行方(茨城)】
「なめがたファーマーズヴィレッジ」。4年前(2019年7月現在)に行方市内で開園した66万uを誇る‘農業のDィズニーランド’である。
年間数十万人の来場があり、圧倒的な集客力がある。大阪府内の食品会社が運営している。そんなファーマーズヴィレッジが我がミッション先である「行方商業協同組合」に加盟した。
2019年7月の肌寒い梅雨空の日曜の正午過ぎ。水郷潮来ICで組合のH本氏に迎えに来ていただき、IC付近の蕎麦屋で「カレーつけそば」。さっぱりなのに濃厚で実に旨し。カレーつけそばなど初めてだったが、思わず笑みが漏れる実力である。
行方ミッション終了後、「なめがたファーマーズヴィレッジ」のK下マネージャーから園内をたっぷり3時間以上ご案内頂くことができた。
特に驚かされたのが、山ほどある農作、畜産物の中でも「さつまいも」に圧倒的に特化していることである。おしゃれ極まりない宿泊キャビンもあり、大自然を満喫できる。廃校になった校舎を最大限活用しているが、とても学校っぽさは感じられない。あえて「やきいもファクトリーニュージアム」だけが学校の特色を最大限活かしている。
この日はすでに閉館していたが、特別に見学させて頂く。マニアック極まりない展示に思わずトリップしそうになる。
土産物売場やレストランはよくこれだけさつまいも押しで商品を構築できるもんだと圧倒されっぱなし。途中、芋密けんぴやさつまいものポタージュ、特殊な粉末をトッピングした干し芋などを試食させていただく。酒にも合いそうな極上の上品な甘さ。施設内にはさつまいもに特化したおしゃれ極まりないBARまである。
この日は雨空にも関わらず大勢の来場があったようで、土産売場は売り切れが相次いでいる。一部施設を除き、基本的に無料で楽しめる。行方市内だけでなく関東全域から家族連れ、カップル、学生グループが殺到しているようだ。地域雇用にも凄まじいほど貢献している。
年間を通じてイベントが予定されているが、2019年の秋には世界一を目指す某企画が検討されている。
この施設を運営しているのは、行方市、JAなめがたと連携した大阪府守口市にある食品会社。まさに「魅せる(見せる)農業」である。この施設の取組は平成25年に6次産業化として認定されているが、12次産業化を目指しているという。農業にも無限の可能性が広がっている。
蒸し暑い昼に好適。
熱心にご議論いただきありがとうございます。
自然豊かで広大。
大充実。
さつまいもミュージアム。
年間数十万人の来場があり、圧倒的な集客力がある。大阪府内の食品会社が運営している。そんなファーマーズヴィレッジが我がミッション先である「行方商業協同組合」に加盟した。
2019年7月の肌寒い梅雨空の日曜の正午過ぎ。水郷潮来ICで組合のH本氏に迎えに来ていただき、IC付近の蕎麦屋で「カレーつけそば」。さっぱりなのに濃厚で実に旨し。カレーつけそばなど初めてだったが、思わず笑みが漏れる実力である。
行方ミッション終了後、「なめがたファーマーズヴィレッジ」のK下マネージャーから園内をたっぷり3時間以上ご案内頂くことができた。
特に驚かされたのが、山ほどある農作、畜産物の中でも「さつまいも」に圧倒的に特化していることである。おしゃれ極まりない宿泊キャビンもあり、大自然を満喫できる。廃校になった校舎を最大限活用しているが、とても学校っぽさは感じられない。あえて「やきいもファクトリーニュージアム」だけが学校の特色を最大限活かしている。
この日はすでに閉館していたが、特別に見学させて頂く。マニアック極まりない展示に思わずトリップしそうになる。
土産物売場やレストランはよくこれだけさつまいも押しで商品を構築できるもんだと圧倒されっぱなし。途中、芋密けんぴやさつまいものポタージュ、特殊な粉末をトッピングした干し芋などを試食させていただく。酒にも合いそうな極上の上品な甘さ。施設内にはさつまいもに特化したおしゃれ極まりないBARまである。
この日は雨空にも関わらず大勢の来場があったようで、土産売場は売り切れが相次いでいる。一部施設を除き、基本的に無料で楽しめる。行方市内だけでなく関東全域から家族連れ、カップル、学生グループが殺到しているようだ。地域雇用にも凄まじいほど貢献している。
年間を通じてイベントが予定されているが、2019年の秋には世界一を目指す某企画が検討されている。
この施設を運営しているのは、行方市、JAなめがたと連携した大阪府守口市にある食品会社。まさに「魅せる(見せる)農業」である。この施設の取組は平成25年に6次産業化として認定されているが、12次産業化を目指しているという。農業にも無限の可能性が広がっている。
蒸し暑い昼に好適。
熱心にご議論いただきありがとうございます。
自然豊かで広大。
大充実。
さつまいもミュージアム。
2019年08月27日
第2263夜:神輿の流儀【春日部・大宮(埼玉)】
第47回春日部夏まつり。春日部駅東口商店街エリア全体を会場に繰り広げられる真夏の夜の祭典である。2019年度は7月13日から2日間開催された。
その初日、「いわて絆まつりin宮古」に短すぎる後ろ髪を惹かれながら三陸宮古から春日部へ。16時半に市役所のT口氏&M田女史、チョッキと合流し、お祭り会場を練り歩く。
20以上の団体による大人神輿パレードをメインに、和太鼓競演、子供神輿パレード、流し踊りなどが繰り広げられる。屋台もびっしり。テキ屋風よりも既存店舗が工夫を凝らした飲み物や食べ物の方が圧倒的にコスパが良い。
駐車場を利用して地元出展者向け用の出店ブースもあった。ここは次年度以降我がミッションに大いに活用できそうだ。
単なる祭りの見学ではなく、昨年度から今年度にかけて新たに市の尽力で新規出店したお店を覗く。どこもいい感じで流行っている。大きすぎない物件ほど埋まるのが早そうである。
マスコミで話題になった<匠大塚>の入り口が大会本部である。VIPが顔を揃えている。私は名刺交換しながら、我がミッションに全面的に協力頂いているY口市議から祭りの概要や裏話をたっぷりレクシャー頂く。チラシや表面的には伺えない深い何かが体に染みてくる。
徐々に人が溢れだした。春日部市外からも大いに集客するという。とてもまっすぐに歩けない。来場者数はわからないが、圧倒的な人の多さだ。
休日にも関わらずご案内頂いた市の御両名には申し訳ないが、屋台で生ビールを捕獲。五臓六腑に染み渡る。祭りモードが高まってくる。
空はポツポツと雨が降り出したが、会場の熱気が雨粒を蒸発させそうである。欧米系の外国人の姿も数多く見かける。浴衣姿が彩を添える。東口は魅力的な呑み屋も軒を連ねている。
市役所の御両名に深く感謝を述べ、チョッキと大宮へ。南銀のアーケード街を攻める。ホッピーと焼きとんをヤリたくて飛び込んだ店。この両方ともなかったので椅子からずり落ちそうになったが、赤貝紐刺、水蛸刺、鰯なめろうなど海なし県とは思えぬ海鮮系の実力に目を細める。鯖の塩焼きも絶妙。生の跡はジムハイボールの杯を重ねる。
混んできた。空腹と渇きは治まっているが、焼きとん&ホッピーへの憧憬は高まるばかり。
南銀へ移動し、浦和にも店を構える超人気店へ。広い店内は超満員だが、カウンターが1.5人分空いていた。強引に体を滑り込ませ、チョッキとホッピーで乾杯。
焼きとんは無くなれば店がどんどん追加の串を皿にのせるスタイルである。どの店かは呑んだくれの埼玉県民ならわかるかもしれない。
大満足で店を出る。チョッキは自宅のある北浦和で降り、私は定宿のある西川口へ。大宮もかなりの賑わいだったが、この夜は圧倒的に春日部の圧勝だった。
すごい人。
チョッキと南銀1軒目。
南銀2軒目。ようやくホッピーと邂逅。
その初日、「いわて絆まつりin宮古」に短すぎる後ろ髪を惹かれながら三陸宮古から春日部へ。16時半に市役所のT口氏&M田女史、チョッキと合流し、お祭り会場を練り歩く。
20以上の団体による大人神輿パレードをメインに、和太鼓競演、子供神輿パレード、流し踊りなどが繰り広げられる。屋台もびっしり。テキ屋風よりも既存店舗が工夫を凝らした飲み物や食べ物の方が圧倒的にコスパが良い。
駐車場を利用して地元出展者向け用の出店ブースもあった。ここは次年度以降我がミッションに大いに活用できそうだ。
単なる祭りの見学ではなく、昨年度から今年度にかけて新たに市の尽力で新規出店したお店を覗く。どこもいい感じで流行っている。大きすぎない物件ほど埋まるのが早そうである。
マスコミで話題になった<匠大塚>の入り口が大会本部である。VIPが顔を揃えている。私は名刺交換しながら、我がミッションに全面的に協力頂いているY口市議から祭りの概要や裏話をたっぷりレクシャー頂く。チラシや表面的には伺えない深い何かが体に染みてくる。
徐々に人が溢れだした。春日部市外からも大いに集客するという。とてもまっすぐに歩けない。来場者数はわからないが、圧倒的な人の多さだ。
休日にも関わらずご案内頂いた市の御両名には申し訳ないが、屋台で生ビールを捕獲。五臓六腑に染み渡る。祭りモードが高まってくる。
空はポツポツと雨が降り出したが、会場の熱気が雨粒を蒸発させそうである。欧米系の外国人の姿も数多く見かける。浴衣姿が彩を添える。東口は魅力的な呑み屋も軒を連ねている。
市役所の御両名に深く感謝を述べ、チョッキと大宮へ。南銀のアーケード街を攻める。ホッピーと焼きとんをヤリたくて飛び込んだ店。この両方ともなかったので椅子からずり落ちそうになったが、赤貝紐刺、水蛸刺、鰯なめろうなど海なし県とは思えぬ海鮮系の実力に目を細める。鯖の塩焼きも絶妙。生の跡はジムハイボールの杯を重ねる。
混んできた。空腹と渇きは治まっているが、焼きとん&ホッピーへの憧憬は高まるばかり。
南銀へ移動し、浦和にも店を構える超人気店へ。広い店内は超満員だが、カウンターが1.5人分空いていた。強引に体を滑り込ませ、チョッキとホッピーで乾杯。
焼きとんは無くなれば店がどんどん追加の串を皿にのせるスタイルである。どの店かは呑んだくれの埼玉県民ならわかるかもしれない。
大満足で店を出る。チョッキは自宅のある北浦和で降り、私は定宿のある西川口へ。大宮もかなりの賑わいだったが、この夜は圧倒的に春日部の圧勝だった。
すごい人。
チョッキと南銀1軒目。
南銀2軒目。ようやくホッピーと邂逅。
2019年08月26日
第2262夜:幕の内 or 一点豪華主義【駅弁】
K王百貨店。新宿を本拠地とする百貨店である。日本中に百貨店は数あれど、私のようなある分野のマニアにおいては「聖地」であり「甲子園」であり「紅白歌合戦」でもある。では、どの分野なのか。言わずと知れた「駅弁」である。
毎年1月上旬に約2週間の京O百貨店駅弁大会が開催される。出店業者の泣き笑いや情熱に密着したドキュメンタリー(2010年)の再放送を令和元年の梅雨真っ最中の真夜中に呑みながら鑑賞。すっかり駅弁モードにスイッチが入った。
我が自宅には『駅弁ひとり旅』『駅弁特急』『車窓のグルメ』といった駅弁コミックが揃っている。これらは我がバイブルであり、日本各地で駅弁を捕獲する際の指南書としている。
2010年から駅弁道に足を踏み入れ10年目に突入した令和元年7月現在、おそらく700種類ぐらいは堪能しているはずだが、まだまだ未食が多い。
このドキュメンタリーを観て唸らされたことがある。酒のサカナとしての駅弁はおかず豊富な幕の内系が望ましい。しかし催事においては、酒抜き、旅情という点も加味すると、幕の内系ではなく「一点豪華主義」でインパクトと見た目を訴求するという。激しく首肯させられた。
その翌日、8時過ぎに神戸の自宅を出て三陸宮古へ向かった。駅弁ドキュメンタリーでは宮古の料亭<魚元>の駅弁も紹介されていた。
上記のコミックでも紹介されている超有名駅弁だが、度重なる災害等の影響ゆえか、今は存在しない。しかし大津波の翌年(おそらく)、たまたま会議で一緒だった女将さんに無理行って作って頂いたことがある。その感動はこのバカブログにも昔だけど激筆した。
遅めの朝食は伊丹空港で空弁を物色。私が選んだのは「神戸焼すきやき弁当」@淡路屋。肉びっしりの一点主義。「神戸牛」とどこにも書いていない点が幾分姑息とはいえ、これも関西人のなせる味のうちといえよう。
ラウンジで珈琲をヤリながら喰らう。冷めても旨しだが、肉系は温めた方がやはり良い。
花巻空港着。雨が降り続いている。バスで盛岡へ。寒さで震え、パーカーを羽織る。
遅めの昼は駅弁売場ではなく土産物売場でひときわ煌めきを放つ<田清魚店>。この店の魚系駅弁はコスパ良く絶品。この昼は「まぐろ丼」。税込702円なのに鮪の刺身とネギトロがびっしり。醤油も追加でサービスしてくれる。
普段はバスで宮古へ向かうが、旅情気分なら電車である。一日4本ぐらいしか宮古まで直通していないが、ちょうど30分後に出発する。
1車両ゆえかなりの混みっぷりだが、臆せずにまぐろ丼を取り出す。これも「一点豪華主義」。醤油を2袋、わさびもぶっかけて頬張る。
……。まぐろ刺身で白飯を味わう至福。ボリュームも申し分なし。ビールではなくカップ酒が飲みたくなってしまう。ミッション前なのでどちらも断念したけれど。
私の駅弁道がセカンドステージに突入した。酒のサカナとしての夜は幕の内系を、酒が飲めない朝食昼食では一点豪華主義で。九州南部の梅雨前線のごとく停滞気味だった私の駅弁熱が、再び熱量を伴って雨雲を蹴散らし始めた。
伊丹空弁。
盛岡駅弁。
毎年1月上旬に約2週間の京O百貨店駅弁大会が開催される。出店業者の泣き笑いや情熱に密着したドキュメンタリー(2010年)の再放送を令和元年の梅雨真っ最中の真夜中に呑みながら鑑賞。すっかり駅弁モードにスイッチが入った。
我が自宅には『駅弁ひとり旅』『駅弁特急』『車窓のグルメ』といった駅弁コミックが揃っている。これらは我がバイブルであり、日本各地で駅弁を捕獲する際の指南書としている。
2010年から駅弁道に足を踏み入れ10年目に突入した令和元年7月現在、おそらく700種類ぐらいは堪能しているはずだが、まだまだ未食が多い。
このドキュメンタリーを観て唸らされたことがある。酒のサカナとしての駅弁はおかず豊富な幕の内系が望ましい。しかし催事においては、酒抜き、旅情という点も加味すると、幕の内系ではなく「一点豪華主義」でインパクトと見た目を訴求するという。激しく首肯させられた。
その翌日、8時過ぎに神戸の自宅を出て三陸宮古へ向かった。駅弁ドキュメンタリーでは宮古の料亭<魚元>の駅弁も紹介されていた。
上記のコミックでも紹介されている超有名駅弁だが、度重なる災害等の影響ゆえか、今は存在しない。しかし大津波の翌年(おそらく)、たまたま会議で一緒だった女将さんに無理行って作って頂いたことがある。その感動はこのバカブログにも昔だけど激筆した。
遅めの朝食は伊丹空港で空弁を物色。私が選んだのは「神戸焼すきやき弁当」@淡路屋。肉びっしりの一点主義。「神戸牛」とどこにも書いていない点が幾分姑息とはいえ、これも関西人のなせる味のうちといえよう。
ラウンジで珈琲をヤリながら喰らう。冷めても旨しだが、肉系は温めた方がやはり良い。
花巻空港着。雨が降り続いている。バスで盛岡へ。寒さで震え、パーカーを羽織る。
遅めの昼は駅弁売場ではなく土産物売場でひときわ煌めきを放つ<田清魚店>。この店の魚系駅弁はコスパ良く絶品。この昼は「まぐろ丼」。税込702円なのに鮪の刺身とネギトロがびっしり。醤油も追加でサービスしてくれる。
普段はバスで宮古へ向かうが、旅情気分なら電車である。一日4本ぐらいしか宮古まで直通していないが、ちょうど30分後に出発する。
1車両ゆえかなりの混みっぷりだが、臆せずにまぐろ丼を取り出す。これも「一点豪華主義」。醤油を2袋、わさびもぶっかけて頬張る。
……。まぐろ刺身で白飯を味わう至福。ボリュームも申し分なし。ビールではなくカップ酒が飲みたくなってしまう。ミッション前なのでどちらも断念したけれど。
私の駅弁道がセカンドステージに突入した。酒のサカナとしての夜は幕の内系を、酒が飲めない朝食昼食では一点豪華主義で。九州南部の梅雨前線のごとく停滞気味だった私の駅弁熱が、再び熱量を伴って雨雲を蹴散らし始めた。
伊丹空弁。
盛岡駅弁。
2019年08月23日
第2261夜:回転すしざんまい【三宮(神戸)】
<すしざんまい>。築地を本拠地に日本を席巻する多店舗寿司店である。その魅力が余すところなくお気に入りコミック『その「おこだわり」、俺にもくれよ!』第3巻に記されていた。
無性に行きたくなった。関東方面に出張すると特に都市部でよく見かけたが、暖簾を潜ったことはなかった。そんな<すしざんまい>が神戸三宮の生田筋にいつの間にかオープンしていた。
ある夏の午後。私は寿司を思う存分「ざんまい」してやろうと地下鉄三宮駅から地上に上がった。西口改札からならすぐなのだが、何故か東口から地上に出た。
<すしざんまい>に向かおうとしたら<海鮮三崎港>の看板が視界に入ってきた。おや、こんなところに回転寿司が……。
海鮮三崎港は(たぶん)Y野家系列の回転寿司チェーンである。真横に吉野家もある。三ノ宮駅高架下なのだが、奥まった中にあるので気づかなかった。関西であまり見かけない気がするが、回転寿司チェーンではこの店を私は最も好んでいる(2019年7月末時点まで)。
<ざんまい>に行かずとも<三崎港>で十分ではないか。外から中を覗く。回転レーンは回っているが、寿司は回っていない。要するに握りたてを食べてほしい心意気と見た。
ざんまいはコスパ良いらしいが、回転寿司よりは高いはず。三崎港で値段を気にせず思いっきり食べてやろうではないか。
スイッチが入った。私は店内へ飛び込む。空いていたのでのんびりゆったりと腰掛ける。注文はタッチパネルスタイルで、1度に4品注文できる。様々な季節限定メニューが踊っている。
エアコンが凄まじく効いていたので、熱燗(1合)をヤリつつ思う存分注文する。
第1陣:烏賊(2種類)・赤身(2貫)・小肌(2貫)。
第2陣:貝3種盛(赤貝・つぶ貝・帆立)、北海水蛸(2貫)、えんがわ(2貫)、下足(2貫)。
第3陣:中とろ(1貫)、炙り中とろ(1貫)、豚カルビ(2貫)、軍艦3種(葱とろ・いくら・ウニ)。
最後の第4陣:トロタク巻とかんぴょう巻。
どれも鮮度抜群。私はあまり変わり種を好まぬが、回転寿司だけでしか味わえないだろう「豚カルビ」(2貫110円)は思わず笑みの秀逸さ。回っていないけど、回転寿司の醍醐味といえる。
110円皿×5、190円皿×3、260円皿×3、390円皿×1、590円皿×1、熱燗1合(390円)だった。値段を気にしないとはいえ、110円皿からスタートし徐々にランクアップ。最後の細巻で一周。しかし、結果的にレシートを観ると、どこかで日和ってしまっている雰囲気が否めない。
お会計は、そこそこしっかりした寿司屋で満喫する値段の3分の1程度。これで<すしざんまい>に行かなくてもすむ。……。いや、絶対に行かねばならない。三宮の寿司楽園を比較検討の上で確保するためにも。
第1陣。
第2陣。
第3陣。
最後の陣。
無性に行きたくなった。関東方面に出張すると特に都市部でよく見かけたが、暖簾を潜ったことはなかった。そんな<すしざんまい>が神戸三宮の生田筋にいつの間にかオープンしていた。
ある夏の午後。私は寿司を思う存分「ざんまい」してやろうと地下鉄三宮駅から地上に上がった。西口改札からならすぐなのだが、何故か東口から地上に出た。
<すしざんまい>に向かおうとしたら<海鮮三崎港>の看板が視界に入ってきた。おや、こんなところに回転寿司が……。
海鮮三崎港は(たぶん)Y野家系列の回転寿司チェーンである。真横に吉野家もある。三ノ宮駅高架下なのだが、奥まった中にあるので気づかなかった。関西であまり見かけない気がするが、回転寿司チェーンではこの店を私は最も好んでいる(2019年7月末時点まで)。
<ざんまい>に行かずとも<三崎港>で十分ではないか。外から中を覗く。回転レーンは回っているが、寿司は回っていない。要するに握りたてを食べてほしい心意気と見た。
ざんまいはコスパ良いらしいが、回転寿司よりは高いはず。三崎港で値段を気にせず思いっきり食べてやろうではないか。
スイッチが入った。私は店内へ飛び込む。空いていたのでのんびりゆったりと腰掛ける。注文はタッチパネルスタイルで、1度に4品注文できる。様々な季節限定メニューが踊っている。
エアコンが凄まじく効いていたので、熱燗(1合)をヤリつつ思う存分注文する。
第1陣:烏賊(2種類)・赤身(2貫)・小肌(2貫)。
第2陣:貝3種盛(赤貝・つぶ貝・帆立)、北海水蛸(2貫)、えんがわ(2貫)、下足(2貫)。
第3陣:中とろ(1貫)、炙り中とろ(1貫)、豚カルビ(2貫)、軍艦3種(葱とろ・いくら・ウニ)。
最後の第4陣:トロタク巻とかんぴょう巻。
どれも鮮度抜群。私はあまり変わり種を好まぬが、回転寿司だけでしか味わえないだろう「豚カルビ」(2貫110円)は思わず笑みの秀逸さ。回っていないけど、回転寿司の醍醐味といえる。
110円皿×5、190円皿×3、260円皿×3、390円皿×1、590円皿×1、熱燗1合(390円)だった。値段を気にしないとはいえ、110円皿からスタートし徐々にランクアップ。最後の細巻で一周。しかし、結果的にレシートを観ると、どこかで日和ってしまっている雰囲気が否めない。
お会計は、そこそこしっかりした寿司屋で満喫する値段の3分の1程度。これで<すしざんまい>に行かなくてもすむ。……。いや、絶対に行かねばならない。三宮の寿司楽園を比較検討の上で確保するためにも。
第1陣。
第2陣。
第3陣。
最後の陣。