大宮でチョッキと鯨飲し、23時半ごろ西川口へ。西口に降り立った瞬間、壮絶な「帰ってきた感」に包まれた。数か月ぶりである。定宿に向かう道すがらの約2分間に随所から声がけしてくる呼び込みの声すら懐かしい。
ホテルで荷を解き、特に腹も減っていないが外に出る。駅前のコンビニで「ビッグコミック」を捕獲し、チェーン系大型居酒屋では最も惚れている<Yる気茶屋>へ。
この日10数杯目のジョッキをヤリながら焼枝豆、オクラ天ぷらなどで一人3次会。〆は西口駅前の24時間営業<天亀そば>へ。……。シャッターが閉まり「テナント募集」の張り紙が。ショックのあまり入滅寸前である。
気落ちしたまま夜中2時まで開いている<壱角家>へ。濃厚極まりない横浜家系モードではなかったので「濃厚魚介つけ麺」。こってりと濃厚だった。


●月▽日
翌朝10時過ぎ。たっぷりとした胃もたれを抱えたまま京浜東北線、バスを乗り継いで茨城県行方市へ。西川口へ戻ってきたのが21時半。
この夜は日曜ゆえか早じまいが多い。ホテル近くの焼きとん屋が開いていた。
ホッピー召喚後焼きとんを頼むと「かなり時間がかかる」とおっしゃる。首肯し、早く出てきそうなもつ煮込を指名すると「売切れ」とのこと。唐揚げを頼めば「かなり時間がかかるかよろしいか」。
何が早くできるかを問うと、スピードメニュー欄を紹介された。冷奴を召還。
店内は8割程度の入り。厨房のオヤジと注文配膳会計の女性という2人構成。備え付けであったコミック『北区赤羽』を読みながらホッピーを呑み、料理を待つ。
ホッピーが2杯空き、3杯目を頼む頃にスピードメニューである冷奴が出てきた。すごい量。馬のように片付け、再度待つ。唐揚降臨。最後の焼きとんは注文して70分後に登場。ちょうど漫画を読み終えたタイミングで店を出る。
この店で焼きそばか鶏そばで〆たかったのだが、いつ出てくるかわからない。2日連続で横浜家系の気分でもない。改めて24時間立ち食いそばの撤退がボディに響く。
マクドが25時まで開いていたので、夜マック(パテ2倍)を部屋に持ち帰り、缶ハイボールで流し込んで爆睡。


●月◇日
この日は特に人と会うミッションのない祝日。終日西川口のホテルに缶詰めPC猿打。部屋のポットで湯を沸かし、インスタントコーヒーをがぶ飲みしながらシコシコとPC。
日も暮れ始めた。ホテルは駅西口にあり、あまり東口方面へ足を延ばすことはなかった。時間はたっぷり。東口にも激シブ立ち呑み<やきとり次郎>が煌めいていた。西口店よりはほんのわずか新しい感じがする。
店内は後期高齢者と思しき常連で溢れている。何とかカウンターを確保し、レモンサワー2杯と日本酒を常温で。焼きとり(焼きとん)は5本。一味をたっぷり振りかけて頬張る。
常連が続々と押しよせる。西川口は埼玉第2の定宿といえ、私など新参のイチゲン。30分ほどで店を出る。
雨が降り出した。座りたくなった。すぐ近くの居酒屋に飛び込む。瓶ビールもホッピーもなかったが、非常にいい感じの店である。
生を頼み、レモンサワーに切り替える。この夜はレモンサワーモードが発動していた。
もつ煮、フライ(イカ・黒じゃこ天・ミンチカツ)をつまみに一人呑みの無聊を慰めていると、自宅で部屋呑みしていたという北浦和在住のチョッキが駆けつけてくれた。2日ぶりだ。
チョッキと呑んで喰い、今度は<やきとり次郎>の西口店へ。同じ系列店をハシゴするバカっぽさ。川口は東口と西口で雰囲気が思いっきり異なる。西口の方が超絶にディープで闇だ。
チョッキと別れ、再度東口へ。初めてのラーメン屋に飛び込むが、何故かほとんど味を覚えていない。コンビニで缶チューハイを買い、次郎に入る前に駅前の<ブックオフ>で捕獲した京極先生の文庫本を取り出す。1300ページ以上。缶チューハイと同じ幅。重くて持てぬ。





●月×日
10時に我が埼玉第2の定宿・西川口西口駅前<T横イン>チェックアウト。定宿はちょうど川口市と蕨市の市境に屹立。住所は蕨市である。
ネットニュースで蕨市内でイカれたバカが高校生を刃物で刺して逃走中との速報が報じられた。まさに私は今、蕨市に居る。
ディープすぎる闇を感じながら、栃木県小山市へ向かった。