2019年07月31日

第2244夜:羆の晩酌【富良野(北海道)】

 羆(ヒグマ)。北海道に生息する激ヤバでデンジャラスな巨大熊である。プーさん系のかわいらしさは皆無の凶暴なマタギ的イメージである。
北海道には熊系グッズが土産物売り場にならぶが、私のなかで最も印象に残っているのは「熊出没注意」系。イラストからは愛らしさを1gも感じない。

 夏とはいえ夜は冷え込む北海道のへそ(中心)・富良野にて、老若男女様々な職業の15名ほどのミッション終了後、パソコンの電源を落として荷物を片付けようとしたら、ローソクの火がともされたケーキが運ばれてきた。

 ???。誰かのお祝いなのかなと笑顔を浮かべていたら、私の方へケーキが向けられた。すっかり失念していたが、当夜は私の45歳の誕生日だった。四捨五入すれば50歳。初老である。そんな呑んだくれダメオヤジの私でも、嬉しいものである。

 ミッション終了後、30〜60代のオヤジ6人で若手実業家H谷川氏が営む人気店<FURANO BAR>へ。サッポロクラシック生をやりながら3種類のスパゲティなどを満喫。〆のデザートは私へのバースデーケーキである。

 2軒目は夜の帝王・Aキラ氏とN川氏、H谷川氏と最近富良野で呑む際の2次会定番となりつつある<ニューラベンダー>。ママは「ふらのワイン」をこよなく愛しており、私もこの店でたまに飲ませて頂く。

 この夜のミッションに参加できなかった重鎮・Tミイチロウ氏から私へのプレゼントが託られていた。「ふらのワイン」である。その中でもレアでヴィンテージな「羆の晩酌 2017」。

 羆の晩酌など、山賊の宴会よりイカついが、晩酌している2頭の羆のラベルはとびっきりキュートでファンシーである。

 私は羆ほどテカくないが、麺類を啜る際に「熊啜」という新たな造語を編み出したほどの「熊系」である。私にこれほど似合うワインはないのではないか。

 開けようとしたが、これはせっかくだから自宅で味わうようにと同行氏たちに諭された。まさに羆の一人晩酌になりそうだ。

 話し込んでいたらあっという間に深夜2時前。ニヤニヤ笑みを浮かべながら定宿(トマール)へ。部屋に戻り、ほっと一息ついたら徒歩5分の<山岡家>が脳裏にちらついてきた。

 銭湯で湯だっているアザラシのように私は誰一人すれ違うことのない富良野の中心街を歩く。掛け値なしで一直線。チャーシューメンのボタンを押す。「羆の晩酌2017」ならぬ、深夜2時の「アヅマの熊啜2019」である。

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45歳。ありがとうございます。

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新相生商店街の皆さま、毎月ありがとうございます。

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最近の2軒目(2次会)はここ。

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「羆の晩酌2017」。Tミイチロウさん、ありがとうございました。

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「アヅマの熊啜2019」。
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2019年07月30日

第2243夜:ニューみそ汁はママの味【潮来(茨城)】

 鶏白湯。天下●品こってりスープのごとき濃厚でクリーミーで、「ホワイト」として日本中を席巻しつつあるラーメンの古くて新しい新機軸である。

 ある肌寒い6月中旬の夕方。4か月ぶりに東京駅からバスで水郷潮来で下車し、行方商業協同組合のユーチューバー・H本氏と合流し、氏が未踏というラーメン店<こっこ屋>で腹ごしらえ。「特製鶏白湯らぁめん」を召還。秋田の比内地鶏を白濁するまで濃厚に煮込んでいるという。潮来エリアでは初の鶏白湯であるらしい。

 ブツ降臨。味玉の黄が鮮やかだ。胡椒をパラリしてスープを啜る。うむ。しっかりと濃厚である。関西は鶏白湯系が増えているので啜る機会も少なくはないのだが、濃厚さでいえば「普通」といったあたりか。クセになる味である。

 行方ミッション終了後、21時ごろ潮来駅前のホテルに戻る。同行氏と呑みに行くことにしたが、3時間半前に啜り上げた濃厚鶏白湯が胃に鎮座しており空腹感を感じない。よっていきなりスナック攻めである。

 4か月前に<みそ汁>という御年80歳を超えるママが回しているイカした屋号のスナックへ飛び込んだ。今回はさらにその斜め上を行く<ニューみそ汁>というスナックへ。

 「ニュー」も「みそ汁」もありふれた言葉だが、この二つが組み合わさると斬新さが増す。しかもスナックの屋号であるならなおさらだ。

 バンジージャンプ気分でドアを開ける。……。常連で支配されていた店内の空気が凍り付く。歓迎ムードは皆無。イチゲンがフラリ飛び込むことはほとんどないのかもしれない。

 カウンターが空いていた。特に誘導されるわけでもなかったが強引に座り込む。全くルールが分からないので、とりあえず焼酎をボトルで入れる。ママが何か食べてきたのかと問うので、居酒屋をスルーしていきなりここに飛び込んだことを申告すると、料理がどんどん運ばれてきた。

 どれも絶品である。6〜7品ほど運ばれてきたのではないか。1か月前まで何とかという工場地帯のキャバクラで働いていたらしい熟女レディ曰く、ママは料理上手という。

 常連がはけた。客は我ら2人だけになった。ママは私の横に座り、いろいろ話して下さる。ちなみに同行氏がママに屋号の由来をお聞きしたが、ママは千昌夫がどうのこうのと何となくはぐらかされてしまいよく分からない。ちなみに創業30年を超えるという。

 昭和レトロな音楽と内装、風雪を刻んだ辛口トークのママとやんちゃな人生を歩んでこられたっぽい熟女レディ。私のような場末マニアの心を鷲掴みする鑑賞ポイントが充実している。 

 焼酎のボトルが空になった。新たに常連がご来店。まさに潮時とはこのためにある言葉である。

 再訪を誓いながら会計を済ませ、近くのコンビニへ。ウィスキーや缶ビール、氷を買いホテルの部屋で2次会。いきなりスナック攻めゆえに、本日1杯目のビール。染みるように旨い。

 途中で汁モノを啜りたくなった。普段ならラーメンだが、この夜は味噌汁気分だった。しかし時間は深夜3時。コンビニに再度買い出しに行くパワーは1gも残っていなかった。

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心騒がずにいられない。

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料理絶品。

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鶏白湯は日本を席巻中。
posted by machi at 17:07| Comment(0) | 茨城県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月29日

第2242夜:ほぼ週刊宮古【宮古(岩手)】(後編)

 超弩級二日酔いだったが朝から宮古中央通ミッションを乗り越え、盛岡に向かうバスに乗る前に新たに整備された<さんてつや>で三鉄グッズやツマミを買う。

 胃もたれも治まり、宮古駅そばを啜ろうとしたけどバスの乗車時間が迫っている。宮古コロッケそばや宮古ラーメンが新登場していたので、再来週に啜ることを誓いつつバスに乗る。

 それから13日後。同じように福岡空港から花巻空港へ飛び、バスを2本乗り継いで宮古へ。下車時にカバンから定期入れと財布を取りだそうとしたら、財布がない。どこにも見当たらない。定期入れにバスチケットを入れていたのでとりあえず降車できたが、真っ青になった。

 I手県北バス車中に財布がなければ、考えられるのは花巻空港から盛岡へ向かうI手県交通バス車中しかない。スマホで連絡先を調べて問い合わせた。

 ……。財布はあった。盛岡駅前交番に届けたという。安堵で腰が抜けそうに。交番に電話し、翌日の夕方に取りに伺う旨を伝え、S香親分の店を訪問してお金を借りる。

 定宿である<宮古セントラルホテル>チェックイン後に定番の<のり平>へ。相変わらず壮絶に流行っている。

 S本姐さんとS香親分も合流。生、ホッピー、ウィスキーをヤリながらもつ煮込や二十日大根、牡蠣串を満喫。20時には料理が無くなったらしくママは客を断っている。

 〆にそうめんを作ってもらい、20時半過ぎにお暇して<myフレンド>へ。ほやをツマミに里の曙をロックでやる。お客がどんどん入ってきた。さらに久々に<エルアミーゴ>へ。

 世界一旨いピザが焼けるまでの間、レーズンバターをツマミにバーボンソーダを呷る。極上の時間が流れる。落とした財布が帰ってくることが確定したのだから散財しても惜しくない。

 4軒目は<ラターシャ>でラフロイグ。この店も混みまくっている。宮古の夜は景気がよさそうだ。最後は泥酔で記憶なし。

 翌日。中央通商店街ミッション終了後、バスで盛岡へ。着後、盛岡駅前交番へ直行。話好きのベテラン警察官からたっぷりヒアリングされた後、無事返却。財布の中身をすべて調べられていたには少しビビったが。

 それよりもベテラン曰く「あんた、しょっちゅうこっちに来てるんだって?」。

 ……。確かに来ているし、「ほぼ週刊宮古」状態であるが、どうして知っているのか。

 「バス会社の人が財布届けてくれた時『名前はわからないけどしょっちゅう乗せている人』と言ってたんだよ」。

 嬉しさと面が割れている居心地の悪さが入り混じる複雑な気分に。

 よってお世話になったバス会社の車中での駅弁夕酌を諦め、盛岡駅前の豚骨ラーメン店<おっぺしゃん>初ダイブ。熊本系をさらに進化させた味わい。なかなか旨しでクセになりそうだ。

 満腹腹をさすりながら花巻空港行きバス乗り場に向かうと、昨晩金を借りたS香親分の奥方様とばったり。奥方様にご主人から借りたお金を返却し御礼を申し述べる。すっきり爽やかな気分で花巻空港へ。岩手は日本で2番目に広い県。しかし、面識の濃さは狭く濃密である。

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<のり平>にて。

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<myフレンド>にて。

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<エル・アミーゴ>にて。

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盛岡駅前にて。

(付記)
さらに1週間後、20時頃宮古に到着。同じメンバーで<のり平><myフレンド>ハシゴし、翌日は全く同じスケジュールで帰神。二日酔いの昼に<福>の叉焼雲吞麺が五臓六腑に染み渡った。
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posted by machi at 10:29| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月28日

第2241夜:ほぼ週刊宮古【宮古(岩手)】(前編)

 ほぼ週刊宮古。平成から令和へ移行する4月下旬から5月下旬までの私の出張スタイルである。「週刊北九州」と同時並行である。

 10連休明けの平日。北九州小倉を発ち福岡空港へ。1日1往復の福岡〜花巻便、私にとっては壮絶に便利。しかしいつもガラガラなので路線存続のためにも利用率向上に期待したい。

 11時45分、ガラガラのままテイクオフ。10分以上早く花巻空港着。嬉しいけど、バス発車時刻は変わらない。13時55分、ガラガラのバスが出発。

 定刻ちょうどの14時40分に盛岡着。すぐ隣に停まっている5分後に出発する宮古行きもガラガラ。トイレ(小)に行きたかったが、これに乗らねば1時間後ゆえ、途中トイレ休憩のある道の駅まで1時間15分、膀胱にすべての気合を注入。発車早々爆睡し、体内の生理機能をストップさせる作戦を決行。道の駅到着3分前に目覚めるという大成功をかます。

 休憩時間は3分。チャックを開けて天国へ飛翔し、ダッシュで道の駅内売店で生にんにくを買い込もうとしたら品切れ。かわりに2種類の生産者名前入り手作りにんにく味噌捕獲に成功。自宅晩酌に楽しみが一つ増強する。

 定刻ぴったりの17時に宮古着。10日ぶりである。商店街を歩きながら様々な方とご挨拶だが、「また来たの」「もう帰ってきたの」という雰囲気が横溢。皆さん、苦笑いというか呆れ気味だ。

 令和3年頃から宮古市末広町商店街で電線地中化が実施される。その説明会が開催された令和に移行してから10日も立たない木曜の夜、私は<のり平>のカウンターで中央通商店街S本姐さんともつ煮込や鯖塩焼きをツマミにウィスキーをボトルで呑んでいた。

 2時間ほどすると末広町商店街のS香&O田の両親分が<のり平>に。この夜もびっしり満員でママもこれ以上はお断りモード全開だったゆえ、我ら2人も店を出て久々に梅酒の品揃が世界屈指の超人気店<UMEYASU>へ。

 盛岡の地ビール(ベアレン)で乾杯。これぞクラフトという芳醇な味わいである。この夜は鯨料理が充実していた。

 お通しがいきなり「鯨のにぎり寿司(2カン)」である。宮古でしか、この店でしか味わえないお通しである。贅沢極まりないお通しに頬っぺたを落としていると、自家製の鯨ベーコンが登場。独特の野性味がある鯨だが、上品にスモークされ野趣あふれる逸品に仕上がっている。

 極めつけは鯨ユッケ。特別セール中で500円だった。1皿もたっぷりとある。生卵を絡め、マッチリとした食感を楽しむ。

 ベアレンの後は、本日のおすすめ地酒に。八戸の八仙だった。八鶴が良かったのに、惜しいと感じながらもたっぷりとお替りを繰り返す。玉子焼き、ホルモン野菜炒めも旨しだが、ワカサぎ&タラの芽フリッターは宮古の海と山を凝縮させた絶品である。

 この店は決して好立地でもなく入り口も分かりにくいのだが、大人気で普段は入れないことにも改めて深く首肯させられる。

 フラフラと<myフレンド>へ。看板の電気が消えてたが2階の電気がついていたのでママに電話して開けてもらう。ウィンナーをツマミにアヅマメガハイボール(超濃いめタップリ)鯨飲。気づけば24時を大きく回っている。〆呑みはS香親分と<ラターシャ>でラフロイグである。〔次夜後編〕

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<のり平>にて。

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<UMEYASU>にて。

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<myフレンド>にて。

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<ラターシュ>にて。
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2019年07月26日

第2240夜:和菓子+ベーグル=∞【長崎(長崎)】

 大浦天主堂。世界遺産に認定された日本で最も有名(と思われる)協会である。天主堂周辺はグラバー園や孔子廟など観光資源が林立している。

 一方、大浦商店会は生鮮食料品店をはじめ個性的で魅力的な店舗が多く、観光客向けというより生活に密着した商店街である。人通りも多く便利そうだ。

 深夜2時まで思案橋で鯨飲した翌朝、市の方に大浦エリアをご案内頂く。そして2か月ぶりに城栄商店街へ。ぐっと華やいでいる。

 2018年12月下旬の長崎市役所主催アヅマプレゼンツ空き店舗ツアーに参加されたバイタリティ溢れるH山女史が新規オープンさせた総菜&cafe「ikomanne」へ。少し奥まっているが実によい雰囲気である。刺し色のピンクが映える。

 女史は弁当や仕込みも真っ最中だったが、少し雑談するお時間を頂く。オープンして1か月足らずだが、順調そうで誠に喜ばしい。おいしそうだったお弁当を捕獲。空港で昼食として頂こう。

 城栄活性化を牽引するN島会長の和菓子店<島屋>へ。会長のお嬢様が和菓子屋店内にベーグル専門店<SHIMASHIMA>をオープンさせた。

 和菓子屋とベーグル屋のショップinショップ。この2つの商品、実に相性がいい。あるようでない究極のハイブリッドなコラボ。厨房もシェアできるゆえ効率の良さは無限大(∞)である。

 オープンして間もないベーグル店、12時オープンで毎日30分で完売という。すでに伝説かつ幻と化している超絶人気っぷり。

 私たちが店にいると続々とフライング気味にベーグルを買い求める住民が来店。ベーグルがまだと知るやすかさず和菓子へシフトされている。天晴な相乗効果としかいいようがない。

 ベーグル、まだ品数はなかったが何とか捕獲に成功し、相変わらず混んでいるバスに乗り換えて長崎空港へ。

 深夜2時まで皿うどんや餃子を頬張っていたが、もう空腹である。フライト迄1時間。カードラウンジにて城栄商店街で捕獲したお弁当とベーグルを広げる。充実の「城栄ランチ」。お弁当、これで400円はお得。味付けも最高。特に玉子焼に刮目。

 ベーグルに齧りつく。……。私は普段ベーグルを口にすることないが、世界観が一変。こんなに旨い食べ物だったのか。香ばしくてモチモチで仄かな甘みも。

 ラウンジ内にキャラメルシロップがなぜかあったので弁当の空容器にシロップを垂らし、残り半分となったベーグルを浸して頬張る。上品かつ危険な甘みが口内で弾ける。すかさず熱くて香ばしいブラックコーヒーを流し込む。思わず口角があがり、目尻が下がる。

 城栄も大浦も有名な店が数多く、特にパン系が充実している模様。まずは<SHIMASHIMA>のベーグルすべてを制覇せねばならぬ。

 シアワセに満たされた満腹腹をさすりながら搭乗口へ向かった。私の令和一発目の長崎ミッション、何店舗を商店街で花開かせることができるだろうか。

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大浦商店会周辺。

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城栄商店街で新オープンした<ikomanne>。オーナーのH川女史と。

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和菓子とベーグルのシェア店舗。究極のハイブリッド。

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弁当もベーグルも大満足。
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