2019年03月16日

第2154夜:初冬の誓い【ふじみ野(埼玉)】

 <大>。‘ビッグ’と読む、ふじみ野市宿泊時の我が定宿(デイリーホテル)から最も近いと思しきかもしれぬ上福岡駅西口徒歩3秒の居酒屋である。東武東上線沿いを中心に箸袋を見ると10店舗以上展開しているようである。

 東口あたりをフラフラしていればふじみ野市役所のどなたかとお会いするだろうし、私も知人の店主が増えてきた。しかしデイリーホテルに宿泊し、かつ夜遅くからの一人呑みの際は東口方面へ渡るパワーが枯渇する。よってこの店に足を運んでしまう。

 ある初冬の夜遅く。初秋に続き2度目の訪問を果たした。前回との違いは、痛風絶賛発症中であること。よってメニューを見るものの、プリン体たっぷしのブツは怖くて外してしまう。すると、半分ぐらいしか残らない。恐るべしプリン体である。

 プリン体ゼロのホッピーを無条件で注文。お通しのスパゲティサラダをツマミながら、壁面掲示オススメPOPに視線を向ける。「自家製おでん」が心に響いた。6種類も入って480円。これはお得である。冬の訪れを感じさせる。

 おでんは鉄鍋に入って供された。思わず笑みが漏れる。蒟蒻、薩摩揚げ、大根。このあたりは定番である。蛸やはんぺんは完成ではあまり見かけないネタ。関東に来ている旅情を地味に味わうことができる。

 大ネタは巾着。餅巾着だろう。私が好きなおでんネタ第1位は揺るぎなく「玉子」なので幾分の寂しさを感じるが、この寂寥も味の一つといえる。

 どれも出汁がよく染みている。タコはプリン体多かったか……?もう、どうでもよい。ホッピー中をお替りしながらおでんを攻めていく。そして、巾着を残すばかりに。かぶりつく。……。思わず目を剥いた。中は、玉子だった。

 嬉しい不意打ちである。お宝が薄揚げに包まれて潜んでいた。気持ちが跳ね上がったところで、牛肉メンチカツ(2ヶ)が運ばれてきた。断面がすでに肉汁で溢れている。

 かぶりつく。……。口の中が肉汁の洪水である。噛みしめるほどに溢れ出す。2ヶ580円が480円というサービス期間であることも旨さに追い打ちをかける。

 ホッピー3杯、おでん6ヶ、ミンチカツ2ヶ。かなり満たされた。しかし、〆ねば居られない。すぐ近くに旨し家系ラーメン店があることを知っているが、時間も遅い。店内で〆よう。前回は焼そばだった。今回は……。

 メニューを見る。焼うどんがあった。店員さんに焼うどんと言おうとした瞬間、何故か発した言葉は「チャーハン」。自分でも理解不能だ。

 ホッピーを追加するとさらに3杯呑んでしまう。カチワリ赤ワインを召還。チビチビやっていると、チャーハンが飛来してきた。

 もっとピラフ的なビジュアルを想像していたが、思いっきり中華料理店のチャーハン。紅生姜もさりげなく添えられている。かなりのボリューム。大盛サイズで650円。

 レンゲで軽く崩して口に運ぶ。……。本格的である。味加減も絶妙。すかさず冷えたカチワリ赤ワインで追いかける。キュッと口内が引き締まる。熱々からの、冷々。これはタマらない。

 あっという間に赤ワイン滅失。すかさずお替り。ペース落とすことなく喰い切り、呑み切った。

 今の(痛風発症中の)私にとって、糖質よりもケアせねばならぬのはプリン体。もう、ビールから卒業しよう。レバーやあん肝、白子、鮪、鰹、干物から卒業しよう。

 満腹腹をさすりながら、12月とは思えぬ生暖かい夜を歩いた。どこにも寄り道せず、ホテルへ。初冬の誓いである。

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お通しをツマミながら軍略を練る。

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おでん盛合せとミンチカツ。どちらもサービス品。

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もつ串は赤ワインで。

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〆のチャーハン。喰い過ぎ。

posted by machi at 08:19| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする