<大作>。蕨駅前の「とんかつ びふてき」の老舗(たぶん)である。2018年秋の正午、初めてこのお店の「双子織」の暖簾を潜った。個人的には「ステーキ」より「ビフテキ」という呼称に心躍るものがある。
店内は常連と思しき年配者、サラリーマンたちが制圧。老婦人連れも目立つ。私は1階に陣取ったが、2階もあるようだ。接客も好もしく、老舗の重厚と余裕を感じさせる。
メニューを見る。ランチがお得な模様。5秒ほど迷い、定番と思しき「ロースかつ」に。ライス、豚汁、キャベツがお替り自由という。味噌汁のお替り自由はあっても「豚汁」のお替り自由はあまり見かけない剛毅さだ。
店内でぼんやりと昭和の空気感と時間の流れに浸っていると、ブツ降臨。……。豪華である。カツは大きく、いかにもサクサクなビジュアル。ライスもキャベツもお替りが必要ないほどの量。
小鉢には何と「いか刺」が入っていた。小鉢がついてくることも気づかなかったが、しかも刺身とは……。恐れ入る。
まずは豚汁をひと啜り。……。豚の甘みとコクが味噌に溶けだしている。これだけで十分な逸品だ。とんかつと豚汁はダブルから余計という説もあるが、やはり貝系以外なら普通の味噌汁より豚汁の方が思いっきり満喫できるような気がする。
カツのひと切れめは、塩で。2切れめは、醤油で。じっくり味わう。衣サクサク、肉は柔らかくジューシー。3切れめ以降はゴマを擦ったすり鉢にソースを入れ、たっぷり浸して辛子を絡めながらジャンクに攻める。
ソースたっぷりカツに、熱々の白ご飯。無敵である。時折漬物で箸休めし、いか刺も挟みながら満足という名の海に溺れる。
蕨における我がランチは、これまで老舗名店系では「嵯峨乃」(とんかつ)、「須賀屋」(鰻丼と豚うなぎ丼)、そして今回の「大作」。大衆ボリューム中華チェ―ン系では「珍来」「福しん」。東口で啜った立ち食い蕎麦も旨しであった。
とんかつの名店が2店舗(もしくはそれ以上)も駅前に屹立していることにも驚かされる。どちらの名店もランチは極めてお得。他にも蕨には名店が溢れていそうだ。
次回「大作」ランチはミックスフライに挑戦しよう。メニュー見ると一品料理も充実している。いつか、ビールや日本酒をヤリながらじっくりとこの店を味わってみたい。
次回の楽しみを胸に秘め躍らせながら<レイクサイド>へ。珈琲200円。熱いおしぼり付き。煙草吸い放題。昼は様々な店を試せれど、食後の珈琲はこの激安喫茶一択である。
老舗の風格。
コスパ無敵。
食後はここ。